あらためて、東洋医学の根本『黄帝内経』とは? | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

東洋医学の根本となるものは、すべて『黄帝内経(こうていだいけい)』にあるってことは、折に触れてお伝えしてきました。貝原益軒先生の『養生訓』にも、もちろん登場してます。ここであらためて、『黄帝内経』とは何か、まとめておきたいと思います。

『黄帝内経』という名称が登場するのは、『漢書』の『芸文誌』の中です。それは、『黄帝内経』という書物があったという記録だけで、残念ながら『黄帝内経』と題された書物そのものは残ってないんです。

ならば、なぜ今、『黄帝内経』と題された書物があるのか?不思議ですよねぇ。それは、後漢から南北朝にかけての医家たちが、当時残っていた『素問』と『霊枢』の二書が『黄帝内経』に違いないと判断したからなんです。

春秋戦国時代から漢代にかけて、あちこちで少しずつまとめられていった医書が、漢王朝によって集められて、まとめられたのが『黄帝内経』とされています。つまり、当時の医学論文集ってことでしょうか。

現代の論文形式とは違って、黄帝と岐伯(ぎはく)や伯高(はくこう)などの師あるいは弟子の雷公(らいこう)との問答形式で書かれています。論語もそうですけど、当時の中国では、問答形式が主流だったんでしょうかね。

『神農本草経』の神農(炎帝)もそうですが、黄帝が実在したかどうかは、神武天皇が実在したかどうか論じるのと同じことでしょう。伝説上の人物と言ってしまえばそれだけですが、たいへん偉大な君主であったと伝えられています。

医学論文集ですから、もとになった医書すべてが、黄帝の問答になってたとは思えません。それをまとめるにあたって、伝説の賢帝である黄帝を持ってくるあたり、王朝の権力誇示なのかもしれませんけど、医書としての説得力を増す効果はありそうですよね。

『黄帝内経』は、『素問』と『霊枢』に分かれていて、それぞれ81篇ずつの構成になっていますが、そのうちのいくつかは篇のタイトルだけで、中身が失われています。何しろ2000年以上前のものですからね。

『素問』は、養生・摂生の大切さを論じる上古天真論篇から始まって、陰陽論、五行論、五臓の生理・病理、種々の病気、脈診、経穴などについて書かれています。『霊枢』は、九針十二原篇から始まって、鍼灸治療と経脈、気血などについて論じられています。

これでおわかりになるかと思いますけど、『黄帝内経』が鍼灸師のバイブルになるのは、『黄帝内経』に鍼灸学の基礎となる理論や治療法が載ってるからなんですね。東洋医学講座で解説してきたようなことが全部つまってます。

こんなふうに書いてくると、まるで私が『黄帝内経』をちゃんと全部読んだみたいに思われちゃうかもしれませんが、そんなことはありません。解説本は持ってますけど、それさえ読むのも一苦労ですから、調べたいものがあるときに引く。辞書みたいにして使ってます。

『黄帝内経』のエッセンスは、鍼灸学校でも学びましたし、「東洋医学の本あれこれ」でご紹介した↓こちらの本も参考にしています。

図解入門 よくわかる黄帝内経の基本としくみ (図解入門 東洋医学シリーズ)/左合 昌美
¥1,890 Amazon.co.jp

ちなみに解説本はこちら↓のシリーズで、『素問』は上中下3巻、『霊枢』は上下2巻です。

黄帝内経素問 上巻―現代語訳/著者不明
 ¥10,500 Amazon.co.jp

一天一笑、今日も笑顔でいい一日にしましょう。


東洋医学講座の目次→満月
ツボの目次→やや欠け月
リフレクソロジーの目次→半月
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→三日月
アロマセラピーの目次→新月
『養生訓』の目次→星空
体操とストレッチの目次→夜の街
からだのしくみ・食・栄養の目次→打ち上げ花火
からだの不調と対処法の目次→お月見
養生法・漢方薬・薬草・ハーブの目次→桜
ブログの目的・利用法・楽しみ方の目次→観覧車
東日本大震災 関連記事の目次→富士山