こころの安定と栄養バランスの関係 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


こころの安定に脳内の神経伝達物質のバランスが必要なことは、「こころの変化は脳の働き」 でお伝えしたとおりです。そして、その神経伝達物質のバランスをとるには、神経伝達物質がどんなものからどんなふうにつくられるのか?を考えなくちゃなりません。


それで、栄養素の概要 から、脂溶性ビタミン水溶性ビタミン 、ミネラルの働き その1  その2 と、栄養素シリーズをお届けしているわけですが、実は、タンパク質や脂質、糖質についても、まとめといたほうがよさそうで。でも、そうそう基礎的な話ばかり続くと、あきてくるじゃないですか。


「平常心をつくるアミノ酸 その1  その2 」のあたりから、↓こんな本を読み漁っては、解剖学や生理学のテキストを調べなおしたり、インターネットで検索したり…。


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「ココロとカラダはつながっている」ことは、東洋医学では、 と喜・ と怒・魂、 と思・意、 と悲・魄、 と恐・志と、しごく当たり前のことですが、西洋医学的・解剖生理学的にはどうなのか?そこんところを知りたくて、本屋さんに行くと、↑こういう本に手が伸びるわけです。


で、そんな中で、『心の病は食事で治す』(生田哲著、PHP新書)に、栄養素のバランスがくずれると、神経伝達物質のバランスが狂って、ヒトはこころを失ってしまうという怖~い話があったので、今日はそれをご紹介します。


第二次世界大戦中のアメリカ、ミネソタ大学の疫学者アンセル・キース教授の研究で、屈強な若者に、半年間、パン、キャベツ、カブ、ジャガイモ、シリアルに、時折少しの肉類や乳製品のみという、通常の半分に摂取カロリーが抑えられた食事を与えるというもの。


研究の目的は、強制収容所の生存者や捕虜、難民たちの体力を早く回復させるための科学的な方法の確立。そのためにまず、飢餓が健康な人のこころとからだにどんな影響をおよぼすか?を調べようとしたんですね。


協力したのは、宗教的な信条から良心的兵役拒否をしていたクエーカー教徒の、からだが丈夫で意志の強い若い男性36人。敬虔なクエーカー教徒は、今も電気のない家に住み、馬車で移動し、銃口を向けられても決して銃を向け返すことのない人々。


強い信仰心に支えられた平和と博愛の精神に満ちた青年たちが、半年の間にどうなったでしょうか?


みんな不快感といら立ちから、何かというと、大声で泣きわめき、感情の起伏が激しくなりました。

キレたり、深刻なうつ病になったり、互いに孤立して団体行動がとれなくなりました。

ある青年は自分の指をちぎり、他の青年はひどく暴力的になりました。

多くは、自分が発狂するかもしれないという恐怖感にさいなまれました。

自殺願望を口に出す青年もあらわれました。

そんな状態でありながら、彼らのIQテストの結果は良好でした。


現代なら、こんな人道を無視した研究なんて、とてもできませんね。キース教授は、こわれていく若者たちを、どんな目で見ていたのでしょうか。


この研究からわかることは、栄養失調がこころを不安定にせること。日本では今、うつやキレる若者が増えているといわれます。それってもしかしたら、ティーンエイジャーのころからの過激なダイエットや偏食による栄養失調のせいかもしれませんね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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