脂溶性ビタミンの働き | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


先日、「そもそも栄養素って何?」 で、栄養素についての基礎的な情報をお届けしました。もうすでにご存じの内容だったかもしれませんけど、私自身の備忘録でもありますが、一応お話しておかないと、先に進めませんからね。


健康なからだづくりには、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動は欠かせませんけど、もっとも重要な要素はやっぱり食事でしょうか。からだは食べたものでできてるんだもの。


東洋医学の養生でも、何をどう食べるかが大切。持って生まれた先天の精気 を、食事によって得る後天の精気で補わなければ、生きていけませんから。だからこそ、益軒先生の『養生訓』でも、食事に関する記述が一番多くなっているんです。


さて、私たちのからだに必要なビタミンは、A、B1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、B12、ビオチン、パントテン酸、C、D、E、Kの13種類でしたね。それぞれのビタミンについて、もう少し詳しくみていくことにいたしましょう。


ビタミンは大きく分けて、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類。脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ると吸収しやすく、A、D、E、Kがこれに入ります。残りが水溶性ビタミン。ヒトは、体内ですべてのビタミンをつくれるわけではありませんから、必要量はわずかでも、食べ物から摂るしかありません。


1 脂溶性ビタミン


① ビタミンA(レチノール、β‐カロテン)


淡い黄色をしていて、光・熱・酸素に弱いという特徴があります。皮膚や粘膜を健康に保つため、感染症の予防や免疫力の強化に役立ちます。発がんを抑制する効果があります。網膜色素ロドプシンの主成分になるので、ほんの少しの光があれば暗がりでも見えるのは、ビタミンAのおかげ。


摂り過ぎると、嘔吐や頭痛などの脳圧亢進症状、脂肪肝、骨障害、脱毛、胎児奇形などを起こすと言われています。不足すると、夜盲症、感染症にかかりやすくなる、角膜の乾燥、子どもの成長障害などを起こします。


② ビタミンD(カルシフェロール)


白色で、熱や酸化に対しては比較的安定していて、紫外線にあたることで活性化します。カルシウムとリンの吸収を促すので、骨の形成を促進してくれます。また、血液中のカルシウム濃度の調節にも働きます。


摂り過ぎると、血液中のカルシウムが増加してしまうので、高カルシウム血症、血管・心筋・肺へのカルシウム沈着、腎機能障害、軟組織の石灰化などを生じます。不足すると、おとなは骨軟化症や骨そしょう症を生じ、子どもは骨の成長障害を起こして、背骨が曲がったり、O脚やX脚になったり、またくる病になったりします。


③ ビタミンE(トコフェロール)


淡い黄色をしています。とても酸化しやすいため、強い抗酸化作用を発揮して、細胞の老化やLDLコレステロールの酸化を抑制してくれます。末梢血管を広げるので、冷え性・頭痛・肩こりなどを改善します。また、赤血球の溶解を防ぎます。


摂り過ぎると、肝障害や出血傾向になると言われています。不足すると、赤血球が溶解する溶血性貧血、不妊症、筋肉の委縮、神経障害、皮膚炎などを起こします。


④ ビタミンK(フィロキノン)


黄色で、光・熱・アルカリに対しては安定しています。血液凝固に働くトロンビンのもととなるプロトロンビンの生成に欠かせません。骨づくりに必要なタンパク質を活性化するほか、解毒作用や利尿作用もあります。


過剰症の報告はありません。不足した場合は、血液凝固に時間がかかるようになり、新生児では消化管出血(メレナ)や頭蓋内出血を起こしやすくなります。


長くなるので、水溶性ビタミンについては明日お届けしますね。一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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