250回 平
2024年3月兼題:平 当季雑詠出題者:碧水(平→平和→鳩ということで公園のハト)兼題は「平」の漢字を使って詠むこと。平(たいら、ヘイ)、平和・平氏・平ら、平淡、平凡・翔平、平安、水平線など。意外なところでは金平糖、平幕、平方根、平林、平謝り、助平、偏平足。春しぐれ平氏滅びし海の水脈 泰山壇ノ浦で安徳天皇入水平氏の霊魂が先立って*季語:春しぐれ 水脈(みお)平家と源氏の間で関門海峡で起こった戦い。平家は敗北し滅亡。佐保姫の目覚めの時や市ひらく 泰山春眠暁を覚えず、とすれば朝遅い「市」姫は寝坊だから,急がなくていいよ*季語:佐保姫 佐保姫とは春をつかさどる女神、秋の女神は龍田姫。平林これなんて読む寄席の春 一桂いちはちじゅうのもっくもく読み方色々笑えました*季語:春古典落語の演目「平林」は噺家によってオチは違うようですオチがしりたければ寄席にいらっしゃーーーい。春の波引いて砂浜平らなる ゆめ強い引きに注意。沖へ持って行かれるよまあ、そうでしょうね*季語:春の波 春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな 与謝蕪村山茱萸の花の盛りや黄の溢れ ゆめまずは黄いろから連翹など黄の花多しもまーええか*季語:山茱萸(さんしゅゆ)の花山茱萸の実は秋珊瑚とも言い秋の季語。平淡に今日も過ぎゆく三味線草 素頓ペンペンペンと三味ならしぺんぺん草しか知りませんでしたが、確かに三味線ですね*季語:三味線草 ナズナの別名ぺんぺん草、三味線草心平らかにぃー恋も実らずぅーペペペンペン平凡に人生の過ぎ夕桜 素頓それが一番いい生き方です。良き人生*季語:夕桜朝桜、夕桜、夜桜、花明かりと時間によって桜を表現します。今年の桜は開花が遅いようです。政治家の平謝りや亀鳴けり 鳥閑兼題の使い方がお見事。亀は鳴かない。平謝りは謝っていない「騙しません」に鶴笑う・・・素頓さまにコメント賞。*季語:亀鳴く鳴かない亀も鳴きたくなるような政治家のあれこれに1票の大切さを再認識。春一番平幕力士大暴れ 鳥閑平幕は巧い。春一番は付きすぎかもしれないが・・時事俳句の見本です*季語:春一番下五の大暴れと相撲の結びの一番とにかけて季語「春一番」の使い方は秀逸!尊富士優勝おめでとうございます。足のケガが心配です。山峡の平家の郷やおぼろ月 摩天落人の里平家の落人の郷いたるところにあり*季語:おぼろ月下五を「月おぼろ」に訂正との作者に同意、「山峡の平家の郷や月おぼろ」。東風吹けば悲喜こもごもの絵馬の声 摩天喜びも悲しみも人生の糧です天神様もそうは大勢救えません*季語:東風喜び、悲しみ、感謝、恨みなどの声を神さまも聞こえているかな。下五の「絵馬の声」が高評価。春の京金平糖の棘優し 一兎さすが、京の金平糖の棘は優しいおめでたい菓子ですもの*季語:春の京ポルトガルから渡来の菓子。皇室の引き出物に金平糖の入ったボンボニエールが知られています。北前の水平線や蜃気楼 一兎大きな句です。雄大な光景*季語:蜃気楼元日の大地震、新幹線開通など大ニュース。水平線と蜃気楼はよくありそうだが上五の「北前の」は高評価。菜の花を越して大きく水平線 碧水海辺の丘陵地帯の景近景と遠景の妙*季語:菜の花菜の花と海から房総半島の景色が浮かぶ。足し算の始まる天地春来る 碧水秋は引き算?・・・泰山さまにコメント賞。春来る足し算掛け算平方根・・・一兎さまにコメント賞。*季語:春来る新たな始まりや成長の春。うららかや偏平足は父譲り 鈴蘭偏平足は遺伝するのですか。お釈迦様も親御さんの遺伝だっただから運動会はいやだった*季語:うららか ◎1〇6の最高得点句。「仏足石も偏平足」と偏平足の孫娘に教えたい。平穏な明日を生むよな春夕焼 鈴蘭朝焼けは雨、夕焼けは晴れというからあたたかな明日の予感*季語:春夕焼朝焼けは雨、夕焼けは晴れ。明日はハレの日になるでしょう。☆☆コメント賞 番外編☆☆作者本人のコメントがコメント賞に!春の宵助平心丸出しに 鳥閑「石の会だと受けそうだ、との助平根性」の鳥閑さまにコメント大賞。