2023年1月

兼題:冬草  当季雑詠
出題者:泰山 


厳しい冬の寒さのなかでも生き生きと根を張り、
枯れかかっている中にも緑を保つ植物に生命力を感じる。
常緑のもの、赤みを帯びたりしながらも枯れずに越冬するもの、
枯れかかっているものについても冬草という。(俳句歳時記より)


各自飲み物を用意しZOOM句会に参加、
幹事(碧水さま)の音頭で乾杯して今年最初の句会が始まりました。


冬草に強さと若さもらひけり   泰山
「厳寒の中、今日も元気に一万歩」
「頑張らねば」
*冬草の耐えてマルをもらいけり・・・ポツリと誰かが即吟

姥翁晴ればれとした初詣   泰山
「達観したのでしょうね」
「漸く覚悟が決まったらしい」(素頓さまにコメント賞)

冬の草土の下では忙しい   一桂
「根を伸ばし、水分を得て春を待ちます。」
「春を待つ虫でしょう」
*土の下で忙しいもの・・・読者におまかせ

胸やけの犬は冬草むさぼりぬ   ゆめ
「犬のことは犬に聞けか」
「これ本当ですか? 犬って草を食べる?」

廃屋の敷石添いに冬の草   ゆめ
「高く売れるといいが・・・」
「夜逃げでもしたのかしら」
*廃屋と冬草の取り合わせが好評。



かなしみを風にまかせて冬の草   素頓
「哀しいの悲しいの跳んで行け。」
「悲しみは風で飛ばそう」
*中七は詩的で良いと好評。

傘寿なり独りみつめし福寿草   素頓
「こんな歳までとはねー」
「今年は4人傘寿。傘寿万歳で〇」
「めでたくもありめでたくもなし、いえ私のことです」
*当会では今年4人が傘寿をお迎えです。作者の他3人さまのコメントです。。

里山の道なき道や冬の草   鳥閑
「遭難しませんように」
「獣道ですね」

足裏に大地の息吹冬青草 鳥閑
「敏感な足裏。寒さに負けず」
「薄底の履き物」
*中七を「大地の鼓動」が良かったかもしれないと作者が言うも、
息吹のままが良いとの結論に。

冬草のひと叢青き川辺かな   摩天
「ちょっと残った緑」
「ありますね」
*◎1〇4の高得点句。

冬草や盲導犬を労りつ   摩天
「盲導犬は健気です。」
「お利口なのが愛おしく悲しい」
*◎1〇4でこちらの句も高得点句
盲導犬を労っているのは盲人かそばで見ている人か、または・・・読者におまかせ



冬草や舗装継ぎ目の一直線   一兎
「よく見る光景ですね。冬草のしぶとさ」
「冬草の縄張り」

冬草や戦車の轍地平まで   一兎
「かの戦地は泥濘のようですが・・・」
「冬草が戦車で踏まれて」
*ウクライナに同情票を集め、〇6の高得点句。

草むらは都会の余白冬の草  碧水
「好句。「キャンバスの余白八月十五日」を思いだしました」
「何事も余白は必要」
*余白が好評、◎3〇1の最高得点句。
「キャンバスの余白八月十五日」は神野紗希さんの句。

冬草やバスの終点一人下車   碧水
「帰りは空っぽのバス」
「ポツリと一軒家」

大都市で生き抜く力冬の草   鈴蘭
「大都市で生き抜く人間への賛歌」
「踏まれても踏まれても生き抜くのだ」

つま先でつついて起こす冬の草   鈴蘭
「亭主を起こすのかと思った」(一兎さまコメント賞)
「その気持ち解ります」
*蹴とばして起こす亭主は強くなり・・・ポツリと誰かが即吟




本年もよろしくお願いいたします。

★画像の冬草は泰山さま、七福神は鳥閑さま。
ご協力ありがとうございます。