2022年9月

兼題  「干柿 (柿)」 「当季雑詠」
出題者 碧水



兼題は「干柿 甘干」のはずが傍題の甘干をタイプミスで「甘柿」としてしまったため
「柿」での投句を認めることになりました。
干柿、吊し柿、枯露柿、柿簾・・・そして柿

今月のZOOM句会は午後4時からと午後8時からの2部構成で行われました、


今更の青春日記柿の村  泰山
「青春日記」藤山一郎か?確かに今更・・・
*青春18きっぷでローカル線の旅、まだまだ青春。

台風の去りて青空突き抜けし   泰山
最近の台風はこのように行かず、もそもそグズグズしていますね。

干し柿は実り熟して笑んだ顔  一桂
笑い過ぎて皺だらけの顔
*「笑んだ顔」を「笑みし顔」に。

柿剝くは老婆の仕事縁に座し   ゆめ
老爺はそれを縄にくくりつける

野分過ぎ稲穂水漬き言葉なく  ゆめ
誰に怒りをぶつければいいんだ
*万葉集、大伴家持の歌
「海行かば 水漬く(みずく)屍 山行かば 草生す屍・・・」

吊し柿夕日に染まる里の家  素頓
故郷は遠くにありて思うもの。きれいな句です
*◎2〇3の高得点句、きれい好きな石の会。

夕闇に鎮りかえる柿簾   素頓
似た句が多くなるのも柿のなせる技

連山に日の傾きぬ柿簾   鳥閑
連山の夕焼けが美しい。景がよく見えます
*◎2〇4の最高得点句。「出来過ぎで面白くない。ちょっと平凡。」と
最高得点句には厳しいコメントの石の会。

揺れ動く強気と弱気星月夜  鳥閑
大丈夫、あなたは好かれていますよ



故郷の夕べの黙(もだ)や柿たわわ   摩天
夕べのもだ・・どこからの出典でしょうか。
*「黙(もだ)」詠んでみたい漢字の読み。詠んでみたら◎1〇3と好評価。

柿食むや書棚の隅に子規句集  摩天
鐘が鳴ります

枯露柿や馬曳かまほし野辺送り   一兎
古い絵画のような句です。蕪村かしら
*枯露柿と馬の関係、説明聞いてびっくり~!

コスモスの倒れし方や小夜嵐  一兎
嵐め!!

モノクロの里の灯りか吊し柿  碧水
ランプの形にみえてきた
*「里の灯りか」を「里の灯りや」に。

筑波嶺を借景にして柿を干す   碧水
畏れ多いと柿殿が申しております

ケーキより干し柿好む齢なり  鈴蘭
両方好みです

赤色のかわいさ装ふ毒きのこ   鈴蘭
色で誘います
*「装ふ(よそうふ)」は字数合わせで「よそふ」と読む。

*****今月のコメント賞*****
★柿みのるランチタイムの海鮮丼  泰山
「海鮮丼には牡蠣でしょう」の鳥閑さま

★柿撓わロスへまっすぐ飛行雲  一兎
「何を失ったのでしょうか」の素頓さま