2024年1月

兼題:和  当季雑詠
出題者:一兎



初句会の兼題は「和」。冬日和、和平、令和、和食、和らぐなど
「和」を使って詠みます。偶然ですが今年の歌会始のお題も「和」でした。
【をちこちの旅路に会へる人びとの笑顔を見れば心和みぬ】は
天皇陛下の御歌です。

石の会の初句会はZoomによるオンライン句会でした。
「和やかにズームの顔や初句会」句会中即吟〜!

和やかに老人会の福詣り  泰山
欲がなくなったからね
皆さんお元気です
※「詣り」か「参り」か。お正月ですから「詣り」でしょう。

てんでんに大つごもりを過ごしをり  泰山
大つなみでなくて良かった
時代です。しかたがありません。
※年越しシャンシャンショー、N響、紅白などてんでんばらばら。

寒雀一足す一の和は無限  一桂
誰か証明して
哲学者の句
※雀のオスとメス(1+1)が無数の卵を産み子孫は無限に続く・・・
と説いてはみましたが、作者からの説明を待ちましょう。

冬の旅料理は和食と決めており  ゆめ
とは云え和洋折衷が出てきます
洋食はお嫌いですか
※岳温泉に旅行予定、もちろん食事は和食を指定します。

書き初めは和顔愛語を選びけり  ゆめ
世界を混乱状態にしている人々に読んでいただきたい
少しでも続いて欲しい
※和顔愛語(わげんあいご)和やかな笑顔、思いやりのある話し方で
人に接しましよう。◎1◯3の最高得点句。

冬日和家の光陰半ばずつ  素頓
日差しとも精神的な幸福感とも
一寸の光陰軽ろ
んずべからず
※冬日だからこそスッキリわかれます。

逍遥す吸い込まれそう冬日和  素頓
晴天のお正月でした
気持ちが良いですね
※逍遥とはあちこちぶらぶら歩くこと。散歩。
どこに吸い込まれるのか、中七の意外性が良い。

和太鼓の音厳かに寒稽古  鳥閑
和太鼓というより大太鼓が良いとは思いますが、兼題ですので。
名句です。澄み渡った正月の空に和太鼓の音と、寒稽古の声
※和太鼓より大太鼓が良いとは言うものの◎1◯3の最高得点句。

一向に進まぬ和平冬ざるる  鳥閑
「進まぬ」というより「始まらぬ」でしょうね
何方か仲裁できませんかね
※「冬ざるる」冬ざれ。冬になり草木が枯れて海や山など
見渡す限りの景色が荒れ果てた感じを言う。季語が効いています!

寒雷やプーチンの辞書に和平なし  摩天
何方か加えてあげてください
不可能は載っている。の鈴蘭にコメント賞!
※「プーチン」は三文字として読んでくださいとのこと。
プチン、プチンとブチギレ〜〜

常磐木の葉先尖りて寒に入る  摩天
鋭い観察眼
葉先の鋭さに寒きわまる
※尖っている葉先、風、寒気。尖ることで寒そうな感じが出ています。

和を以って兼題と為す初句会  一兎
良い兼題でした。
和は大事です
※◎1◯3の最高得点句、石の会和気あいあいの初句会

巫女舞や笛も和らぐ初神楽  一兎
笛も和らぐ、いいですよね
新年に相応しい巫女舞
※「実は巫女舞を見たことがありません」との作者コメント。
笛の音も聞こえ舞も見えた句に◯4の高得点句。

初笑い昭和の匂い末廣亭  碧水
「ひ」の字を使いたい
「昭和の香末廣亭の初笑い」ではいかがでしよう
※匂いか香か。三段切れをなくすには香ですが・・・
初笑い昭和の匂ひ末廣亭

初鏡もう生き方は変えられぬ  碧水
変える必要は無いのでは
変える気はありません
※生き方と言っているが実は顔。「初鏡今さら顔は変えられぬ」。
◯5の最高得点句。

大皿の和洋折衷節料理  鈴蘭
おせち料理に和洋折衷、これぞ現代
いろいろな和があります
※和食に限らず洋食、中華など家族が食べたいものを
用意するようになりました。

生きている奇跡に感謝初詣  鈴蘭
死なない奇跡、と同義か
生まれる奇跡も
※それにつけてもお金の欲しさよ

★★★コメント大賞★★★
結氷の下で平和の池の鯉  摩天
「天井のある幸せ」のゆめさまにコメント大賞!



本年もよろしくお願いいたします