2023年9月

兼題:秋の七草(萩、桔梗、芒、女郎花、藤袴、葛、撫子)  当季雑詠
出題者:ゆめ



兼題は秋の七草ですが選択は任意です。
春の七草は七草粥としてお正月明けに食べることで知られていますが、
秋の七草は食べることはせずに秋を彩る美しさを楽しみます。
「オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギ」の七草で、
「オスキナフクハ」で覚えることができます。
五七五七七の覚え方もあり「萩桔梗、葛女郎花、藤袴、芒(尾花)撫子、秋の七草」です。





芒原邪馬台国は多分阿蘇  泰山
あ、そう(コメント賞 素頓さま)
*「多分」より「絶対」がいい、いやいや「多分」のままがいい。

秋暑し生き残りたる人の影  泰山
影だけかも知れませんぞ
*こうも暑い日が続くと「影」で詠みたくなるものよ。

七草の調べを聞いて秋の宵  一桂
七草という音楽をお聞きですね。琴にあります。
*七草は春の季語ですが、調べと続くから曲名と解釈。




亡き母の微笑みに似て吾亦紅  ゆめ
吾亦紅に似た笑顔とは、地味な笑顔ですね。
*出題者が兼題以外で詠むという珍事!

田を守る男は独居男郎花  ゆめ
兼題相当と大目にみて上げよう
*吾亦紅と男郎花追加で秋の九草に!?




垣根越し千の朝顔散歩道  素頓
我が家はその百分の一でした
*三段切れが気になるも散歩は楽しそう。

朝顔の藍色深し神の住む  素頓
どこまでも深い神の手の中
*作者は「虫の間違い」と言うけれど、虫より神のままがよい。


藤袴

マドンナの名残の笑顔藤袴  鳥閑
いまでも面影が残っているあの人
*マドンナも50年後となると・・・。

敵軍を弔ふ寺院こぼれ萩  鳥閑
季語とバッチリ合っている。ところでこの寺院の名は?
*萩の寺と呼ばれている鎌倉の宝戒寺。◎1〇4の高得点句。


桔梗

うっすらと夕日を宿す芒の穂  摩天
景色独り占め
*正統派な俳句、◎3〇2で最高得点句。

たおやぎて艶めく雨の桔梗かな  摩天
桔梗には少々重たい雨
*「たおやぎて」このような日本語、どこから探してきたの。

秋冷の奥の細道尾花沢  一兎
季語は秋冷 尾花沢の発想に感心
*「尾花沢を兼題と認めます」と言ったのは出題者!?

秋の旅さても名物萩の月  一兎
先ずは土産の萩の月
*美味しいものには目がない、〇が5個並ぶ。


撫子

芒原風に乗り来る人の声  碧水
風になびく芒の音が人の声のごとし
*声はするが人影はなし、ここは仙石原か・・。

帝釈天鐘のよいんや夕芒  碧水
よいん、を仮名にしたのは?漢字だけでは重くなるから?
*漢字の余韻が良いんや。

入口のまず萩を見て植物園  鈴蘭
「萩をまず見て」は如何でしょう、季語の印象が強くなるような・・・
*入口の萩をまず見て植物園、にして整いました!

母偲び桔梗愛でいる父在りし  鈴蘭
昔の記憶ですね。お父様も亡くなっていると読みます
*母は桔梗が好きだったというだけのこと




☆コメント賞☆
女郎花のみ残りたる植物園 泰山
美人薄命というが (コメント賞 摩天さま)
女郎のしぶとさ (コメント賞 素頓さま)

四畳半路地の桔梗に誘われ 碧水
「路地の桔梗」の正体は何者 (コメント賞 鈴蘭)


洞爺湖