2022年11月

兼題 「冬支度」 「当季雑詠」
出題者 鈴蘭


(札幌市 中島公園)

長く厳しい冬に対しての備えを「冬支度(冬用意、冬構え)」という。
冬支度はお済でしょうか。

冬支度庭師の継ぎしおおやしま  泰山
「深い意味がありそうだが凡人には分からず」
「「おおやしま」とは日本国の古称らしいが・・」
*「おおやしま」を「おおやまし」と読み違えなきように。

さんざめく木立はもはや冬支度  泰山
「因果関係はどうでしょうか?」
「木立の冬支度とはどういうことなのだろうか」

冬支度まづは心の窓を拭く  一桂
「これは良い心がけです」
「万人のお手本です」
*「冬支度まづは心の窓磨く」ではいかが。とはいうものの堂々◎2〇2の高得点句。

壁沿いに薪積み上げて冬構え  ゆめ
「薪ストーブは贅沢だ」
「薪ストーブか暖炉か・・・お金持ちですね」
*軽井沢の別荘に暖炉があると言っていた人がいたような・・

サイレンの音遠く聞く夜寒かな  ゆめ
「季語が活きている」
「もの悲しく」

老庭師今年限りと冬支度  素頓
「引退します。後継者はいません」
「長い間お疲れ様でした」
*上五と下五を入れ替えて「冬支度今年限りと老庭師」ではいかが。

遠きより長男夫婦冬支度  素頓
「スープが冷める距離」の鳥閑さまにコメント賞。
「ほのぼのとした親子愛」

終活をおざなりにして冬支度  鳥閑
「うーん、どっちが大事か」
「冬支度を優先」

長き夜の尽きることなき与太話  鳥閑
「与太者の集まりか」の素頓さまにコメント賞。
「久しぶりの再会」
*「与太話尽きることなき夜長かな」という案も好き好きだからと却下!?


(札幌市 中島公園)

冬支度終わらず旅の話など  摩天
「旅の話などしてるから終わらないのです」
「一息いれて再開」

小春の五島水鏡の十字架  摩天
「冒険してみました。7-6-4 です」
「ナイストライ!」
*作者お気に入りの一句!764の冒険は成功しました。

礼金なし保証人なし冬支度  一兎
「この時期に転居とは・・何かおありですか」
「暖かいアパートに引っ越したい」
*大家か店子か訳あり物件か

空を突くメタセコイヤの冬支度  一兎
「上5は単にメタセコイアの属性」
「メタセコイアの並木が赤く染まり冬の到来を告げる」

首ぐるん強ばる身体冬支度  碧水
「そうです、ストレッチから」
「首も回りません」のゆめさまにコメント賞。

寄席通ふ一日もありて冬支度  碧水
「忙中閑あり、笑いは暖房効果もあります。」
「右團治師匠の高座は欠かせませんからね」
*寄席通ふを寄席に行くに変えて「寄席に行く一日もありて冬支度」でいかが。

職人の技公園の冬支度  鈴蘭
「冬囲い、雪囲い、色々とあるようです」
「腕の見せ所です」

冬支度ササラ電車の試運転  鈴蘭
「いよいよササラ電車の出番です」
「鈴蘭さんの句でしょうか 11月下旬から試運転」
*◎2〇4の最高得点句は厳寒見舞いかしら?温かい気持ちで冬を越せそうです。


(札幌市 北海道大学構内)