230回 木の実
2022年 8月兼題 「木の実(このみ)」「当季雑詠」出題者 素頓団栗類の総称。こぼれるように降ってくるさまを「木の実雨、木の実時雨」などと形容。たくさんの木の実が降る第2回ズーム句会です。愛犬を忍びて青き木の実踏む 泰山「愛犬と青の関係は?」 「青きに意味がある」★愛犬は死んでいるのだから「忍ぶ」は「偲ぶ、慕ぶ」がよいのでは。戦争を知らない子らも原爆忌 泰山「実はジイサンの私も戦争を知らないのです」「語り継がねば」★私たちは「戦争を知らない子どもたち」なのです。よいしょこしょ見上げる空に木の実あり 一桂「老人性に敬意」「老人は空を見るにも大変な作業です」★立ち上がる時などつい出てしまう「よいしょこしょ」。せつせつせ木の実はどっち又はずれ ゆめ「外れてもよいよいよい」「もともとくじ運が良くないんだ」行く雲に早や秋立ちし朝かな ゆめ「うっすらと秋の雲。立秋です」★残暑厳しい中、涼しさを感じる句に感謝。待てど来ぬ人の恨めしや木の実降る 素頓「待てど来ぬ人恨めしや・・・」「恨めしやではおばけですね や は要らない」★中八との指摘に「数えるの忘れていました。」と作者。森閑と暮れゆく里の木の実かな 素頓「木の実落ちそれが里山を育てます」「流れるようなリズムのよさ」山城の空堀に降る木の実かな 鳥閑「乾いた音が聞こえる」「良いところに降らせました」★○6と点もたくさん降り高得点句。お守りに社の木の実拾いけり 鳥閑「なによりのお守りです」「無料だから」木の実落つ終活遅遅て進まざる 摩天「気合いを入れて終活を」「そうなんだよね」★実は終活するのはまだまだ早いと思っている・・・木の実降る音を拾いつ裏参道 摩天「裏参道は木の実の天国です」「実を拾わずに音を拾う風流な人」★音だけじゃなかった、点もたくさん拾って◎2○2の高得点句に、木の実降る裏参道や暮れの古都 一兎「夕暮れか年末か紛らわしい」「下五は「古都薄暑」とか・・・」寺暮れて木の実時雨のをんな坂 一兎「夕暮れの男坂は危険が一杯」「見とれてすべらないようにね」★暮れ好きの作者、「をんな坂」表記好きの読者。木の実降る素粒子の降る飛騨の村 碧水「目には見えねど・・全てのものは分解すれば素粒子」「その正体はニュートリノだ」★素粒子って降るの?山寺にジャズの流れや木の実降る 碧水「木の実がドラムを叩きます」「寺の鐘の音ドドンパのリズム」★「や」が気になる、「流れて」でさらっと詠んではいかが。◎1○7と全員からの得点で文句なし最高得点句。獣射つ銃声遠く木の実落つ 鈴蘭「空気が揺れて木の実落つ」「遠い銃声の振動でパラパラと」宿題に追われる日々や蝉時雨 鈴蘭「早く仕上げろとうるさいこと限りなし」「家の中は宿題時雨」の素頓さま、コメント大賞!