2021年9月

兼題 「秋の雨」 「当季雑詠」

出題者  摩天

   

出題者摩天さんより兼題の補足説明として「「秋の雨」を広義に解釈して、季語としては別ですが例えば「台風」
「野分」や「秋出水」でも可とします。「雨」だけでも秋の季語が入って
いればOKです。悲惨な災害をもたらす雨が多い中、楽しい秋の雨も是非。
いろいろな秋の雨を降らせてください。」とのことです。
秋の雨、雨日和、日照雨、催涙雨、洗車雨、秋時雨、霧時雨、雨の月、白驟雨など秋は雨の宝石箱や~~~

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雨あめアメ三日続きて秋となる   泰山
創意工夫の溢れる作者
上五が見事に感情を表しています
「雨のバージョンは日本語の多様さを試してみました。」

鱗雲祭り後の虚しさよ   泰山
祭には鱧でしょう
祭りの後、で○
「祭りの後の、ですね。」

秋の雨本屋訪れる人高年   一桂
そのうえ立ち読みでお帰りです。リズムが余りよくない句と思いますが、構想が面白いです。
高年より高齢
「この句のイメージは高年なのです。時々本屋に行きますが、すれ違う人が、高年の方が多いというイメージです。低年齢ではないので高年という感じでしょうか。」

秋の雨ひねもすひとり籠りをり   ゆめ
「ひねもすコクリコクリかな」
ひるね(昼寝)もす
「鈴蘭さん・・「ひねもす」に「昼寝もす」はよく考えました。コメント賞」

聴こえるは雨音ばかり長き夜   ゆめ
よく聞けば幸せの音もあるそうです
眠り薬だ

  

東海道雨にけぶりて広重忌   素頓
広重の「大はしあたけの夕立」の句。
大磯虎が雨・・鈴蘭にコメント浮世絵賞
「広重忌 9月6日。「秋の雨」から広重の浮世絵を思い、季語の広重忌を使ったのは流石博識の素頓さんです」
 ということで、◎2〇3の最高得点句です!!

学童の通ふ畦道秋茜   素頓
遠くにお山が見えます。
いいですね、この景色

我慢して聞く長話秋黴雨  鳥閑
ボランティア、傾聴ですね
上五が惜しい。秋黴雨いつまで続く長話・・では如何でしょうか
「「秋黴雨いつまで続く長話」は中々良いと・・・」
*秋黴雨(あきついり)

順番の違ふ旅立ち秋の雨   鳥閑
そりゃあないよ、死に神様
「追悼の句、「天高し加賀の偉才は龍となる」

日照雨(そばえ)落つ狭庭に淡き秋の虹   摩天
狭庭(さにわ)辞書にはないようですが 俳句では使われている様
綺麗な言葉が並びました
「日照雨(そばえ)とは元々「戯える(そばえる)」ふざけて降る雨のこと、と知りました。
狭庭(さにわ)も知らなかった。良く勉強していますね。」

秋出水神の怒りの凄まじき   摩天
神様がお怒りです。どうやってお鎮まり戴いたら良いのでしょう。
仏は怒らないのだ。三毒の一つ「瞋(じん)」。耐えるのです。
「西洋の神様は怒ります。日本でもすこしはそうですが、それよりもむしろ自然の恵みとして、諦め耐えることが多いです。」

   

群れ鳥の稲刈り機追ふ雨上がり   一兎
いと騒がしきなり
移動式稲刈り機ですね
「コンバインの音、鳥の囀り、多分かなり煩いと思いました。」

疫病猖獗雀蛤となる   一兎
難しい季語を見事に使いこなしました。努力賞ですね
「雀大海(うみ)に入り蛤となる、が副題。夏井いつき「絶滅寸前季語辞典」」
*(疫病猖獗雀蛤(えきびょうしょうけつすずめはまぐり)

秋雨に煙る峠の道祖神   碧水
油断すると遭難します
「ご本人と泰山さん以外から得点が入り〇7の最高得点句、そして泰山さんには無印良品賞。」

陽を受けて旨さを磨く葡萄棚   碧水
「旨さを磨く」は苦心の作か、それとも会心作か
旨いのは葡萄です
「「旨いのは葡萄です」確かに・・・葡萄棚ではありません。」ゆめさん冷静コメント賞」

秋雨や故障の続くATM   鈴蘭
食欲旺盛のATM、好物は通帳とキャッシュカード
シーッ、関係者が居りますぞ
「「耳が痛い」と関係者さん」

台風の予想進路に叔母の街   鈴蘭
又会いたいのよ、無事でね
昔、目の中に入れても痛くない、と云われた・・鳥閑さんにコメント大賞
「俳句は散文ではなく韻文で」(ZOOM句会より)