2022年 8月

兼題 「木の実(このみ)」「当季雑詠」
出題者 素頓



団栗類の総称。
こぼれるように降ってくるさまを「木の実雨、木の実時雨」などと形容。

たくさんの木の実が降る第2回ズーム句会です。

愛犬を忍びて青き木の実踏む 泰山
「愛犬と青の関係は?」
「青きに意味がある」
★愛犬は死んでいるのだから「忍ぶ」は「偲ぶ、慕ぶ」がよいのでは。

戦争を知らない子らも原爆忌 泰山
「実はジイサンの私も戦争を知らないのです」
「語り継がねば」
★私たちは「戦争を知らない子どもたち」なのです。

よいしょこしょ見上げる空に木の実あり 一桂
「老人性に敬意」
「老人は空を見るにも大変な作業です」
★立ち上がる時などつい出てしまう「よいしょこしょ」。

せつせつせ木の実はどっち又はずれ ゆめ
「外れてもよいよいよい」
「もともとくじ運が良くないんだ」

行く雲に早や秋立ちし朝かな ゆめ
「うっすらと秋の雲。立秋です」
★残暑厳しい中、涼しさを感じる句に感謝。

待てど来ぬ人の恨めしや木の実降る 素頓
「待てど来ぬ人恨めしや・・・」
「恨めしやではおばけですね や は要らない」
★中八との指摘に「数えるの忘れていました。」と作者。

森閑と暮れゆく里の木の実かな 素頓
「木の実落ちそれが里山を育てます」
「流れるようなリズムのよさ」

山城の空堀に降る木の実かな 鳥閑
「乾いた音が聞こえる」
「良いところに降らせました」
★○6と点もたくさん降り高得点句。

お守りに社の木の実拾いけり 鳥閑
「なによりのお守りです」
「無料だから」



木の実落つ終活遅遅て進まざる 摩天
「気合いを入れて終活を」
「そうなんだよね」
★実は終活するのはまだまだ早いと思っている・・・

木の実降る音を拾いつ裏参道 摩天
「裏参道は木の実の天国です」
「実を拾わずに音を拾う風流な人」
★音だけじゃなかった、点もたくさん拾って◎2○2の高得点句に、

木の実降る裏参道や暮れの古都 一兎
「夕暮れか年末か紛らわしい」
「下五は「古都薄暑」とか・・・」

寺暮れて木の実時雨のをんな坂 一兎
「夕暮れの男坂は危険が一杯」
「見とれてすべらないようにね」
★暮れ好きの作者、「をんな坂」表記好きの読者。

木の実降る素粒子の降る飛騨の村 碧水
「目には見えねど・・全てのものは分解すれば素粒子」
「その正体はニュートリノだ」
★素粒子って降るの?

山寺にジャズの流れや木の実降る 碧水
「木の実がドラムを叩きます」
「寺の鐘の音ドドンパのリズム」
★「や」が気になる、「流れて」でさらっと詠んではいかが。
◎1○7と全員からの得点で文句なし最高得点句。

獣射つ銃声遠く木の実落つ 鈴蘭
「空気が揺れて木の実落つ」
「遠い銃声の振動でパラパラと」

宿題に追われる日々や蝉時雨 鈴蘭
「早く仕上げろとうるさいこと限りなし」
「家の中は宿題時雨」の素頓さま、コメント大賞!