2022年6月

兼題 「父の日」 「当季雑詠」

出題者 摩天



父の日の認知度は母の日より低いようですが、6月の第三日曜日が父の日です。
今年は6月19日でした。
父に感謝したり、父として感謝されたり、プレゼントをもらったり忘れたふりをされたりの「父の日」句会になりました。
「飲み会のような句会、句会のような飲み会」の石の会、
今月はオンライン句会とリアル飲み会の二部構成です。
画像は父の日句会の2次会、リアル飲み会時のをご提供いただきました。


父の日の供えは焼酎スルメイカ   泰山
私はビールがいいな
*亡夫を偲び好物のお供え物。

父の日や重きを生きて父は逝く   泰山
そして軽く逝ったんですね
*明治生まれの御父上を偲んで。

父の日の花にいかがかラベンダー   一桂
加齢臭を消します。
*ラベンダーの花言葉は「沈黙」「私に答えてください」「期待」「不信感」「疑惑」と感謝にはほど遠く意味深。
でも、芳香剤としてお役に立ちそう!

父の日の墓前にバラの供花のあり   ゆめ
訳ありのある女性が来たらしい
痛い目にあっていたんですね
*父の日の供花に白いバラを、と詠んでも、読み手の解釈は・・・

父の日やなにごともなく過ぎにけり   ゆめ
過度の期待は禁物
*今一番求められている「日常」を父の日に。

父の日やおのれの無様謝りて   素頓
謝らないでください。頑固で良いのです。
謝らなくても。プーチン流で行きましょう
*謝らないことにしょう!

父の日や今更に知る彼の苦楽   素頓
戦争を知らない私達。父の世代にはかないません。
*年齢を重ねたからこそ知った思い。



理は感謝情は反発父の日来   鳥閑
複雑な思い。考えさせる一句
*心うらはら・・

秀吉の栄華の名残桜の実   鳥閑
あんなにも女性をはべらして。
*「醍醐の花見」で有名な醍醐寺へ行ってみたくなりました。
行くなら今でしょう!

「父の日」の例句侘しき季寄せかな   摩天
「乳の日なら賑やかだぜ」
*父の日は存在感が薄いとか句材がないということも「父より乳」で解消!?

せせらぎの小径辿れば著莪の花   摩天
しゃがんで見つめておりました
*きれいな景が見えます。

父の日や忸怩の漢字忘れをり   一兎
忸怩たる思いも忘れ
*父の日や忸怩たる思い・・と一句のはず。あれ?ジクジってどう書くの。

麦秋の大平原を戦車隊   一兎
プーチン、いい加減にしろ!!
*元句「麦秋や大平原を行く戦車」よりずっといい!



父の日に空咳ごほん一つして   碧水
えっへん、と返したらぶっ飛ばされた
*◎3〇3の最高得点句。父の日の最高のプレゼントになりました。

聞こえないことも幸せ眠草   碧水
だけど不便だよ
*聞こえないふりを上手にしよう!

父の日に贈るエプロンほくそ笑む   鈴蘭
台所を明け渡す
*今日から家事はお任せします。

忘れそうそんな日です父の日は   鈴蘭
中六が惜しい。そんな日なのよ、では?
*中六だったこと忘れてください。



=コメント大賞=
「父の日」の例句侘しき季寄せかな 摩天
「乳の日なら賑やかだぜ」の素頓さま

=コメント賞=
父の日の花にいかがかラベンダー 一桂
「加齢臭を消します。」の泰山さま

岬に立つ灯台白し花みかん ゆめ
「灯台は大概「岬に立ってる」夏井」の一兎さま

父の日や孫と揃ひのシャツ届く 摩天
「父の日や精神年齢まだ二十歳」の鈴蘭

一輪もなくて霞むや父の日よ 碧水
「父の日にせめて一輪かすみ草」の鈴蘭

父の日にはらから集い墓参かな ゆめ
「はらちがい子はこっそりと墓参り」の鈴蘭
*はらから:同じ母から生まれたきょうだい。