探偵【その1】解説の続きです。
■Investigation, Part 1(探偵【その1】)
Susato
Ah-ha! Yes! That must be the Crystal Tower, being built
for the Great Exhibition that's to open in six months' time.
スサト
半年後に開かれる『万国博覧会』に
向けて建造中の《水晶塔》でございます。
そういえば第2話の時点で名前が出ていたのに、紹介を忘れていました。
「水晶塔」はそのまま「the Crystal Tower」です。
史実ではロンドンにて1851年に開催された第1回万国博覧会の会場、水晶宮(The Crystal Palace)がモチーフと思われます。
水晶宮 - Wikipedia
・(巡査の)鉄兜:bobby's helmet
寿沙都さんの憧れのヘルメットは「bobby's helmet」。
bobbyで巡査の意味があります。
bobbyの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
ということで、今後、ロンドンの警察官・巡査という意味で「bobby」はよく出てきます。
第5話で警官と会話をするシーンがちょいちょいありますが、日本語版での名前欄が「ケイカン」なのに対して、英語版だと名前欄が「Bobby」です。人名みたいに見えますが違います。
また、copからの俗語「copper」もそこそこ出てきます。

証拠品「現場の地図」こと「Local Map」は、当然ながらそれぞれの通りの名前が英語に変更。
あ、上のスクショ、法廷パートの説明の時のやつですね。本屋の名前も載ってますが気にしないでください。
通りの名前の由来ですが、ブライヤー、メシャム、キャラバッシュはパイプの素材です。
パイプ (たばこ) - Wikipedia
長編第2作「The Sign of Four(四つの署名)」にて、
という描写があります。
Gregson
If you ask anyone at the Yard, it's a misadventure to be
included in any Herlock Sholmes take at all!
グレグソン
そう! 我々にとって、むしろそいつは
『シャーロック・ホームズの暴言』だ!
英語版だと「ヤードの誰に聞いても、Herlock Sholmesの作品に出演するのは不運(misadventure)なのだ!」
「adventure(冒険)」と「misadventure(不運)」をひっかけたダジャレ。
Susato
To think that the King of Bohemia came to this very room
to ask Mr Sholmes to take on his case...
Ryunosuke
The, the King of Bo-where-ja?
Susato
King Wilhelm Gottsreich Sigismond von Ormstein,
of course!
スサト
この部屋に、かのボヘミア国王さまも
事件の依頼に来たのでございますね‥‥
ナルホド
ぼ。ぼへみあこくおう‥‥?
スサト
ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ジギス
モント・オルムシュタイン陛下です!
ボヘミア国王の話は、原作ホームズの短編集第1作「The Adventures of Sherlock Holmes (シャーロック・ホームズの冒険)」に収録された短編「A Scandal in Bohemia(ボヘミアの醜聞)」からのネタ。
「ボヘミアの醜聞」に登場するボヘミア国王の名前が、原作では「Wilhelm Gottsreich Sigismond von Ormstein」というのですが、日本語版ではフルネーム「ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ジギスモンド・フォン・オルムシュタイン」だとセリフウィンドウに収まらなかったので、「フォン」をカットしています(電撃Nintendo2017年10月号の開発スタッフインタビューでカットした件について触れています)。
英語版では「von」入りのフルネームですね。
英語版のRyunosukeは「ボヘミア(Bohemia)」がわからず、「Bo-where-ja?(ボ‥‥どこですって?)」みたいなボケをかましてます。
???
Oh! You know Hurley, do you?
Ryunosuke
(...'Hurley'? Mr Sholmes' to you, surely?)
???
えー! おねえちゃんたち、
知り合いなの? ホームズくんと。
ナルホド
(‥‥“ホームズくん”‥‥?)
アイリスとの再会。
ここでアイリスことIrisは、Herlock Sholmesのことを「Hurley」(日本語的発音だと「ハーレイ」かな)という愛称で呼んでいることがわかります。
日本語版の「ホームズくん」の雰囲気を、愛称で表現したということでしょうね。
英語版における、Irisの愛称呼びはホームズに対してだけではないんです。
出会う人(動物も)ほぼ全て、何らかの愛称で呼ばれることになります。
龍ノ介と寿沙都はどうなったか、といいますと‥‥
Iris
Lovely! Susie and Runo...
Got it!
アイリス
すさとちゃんと‥‥
なるほどくん。わかった!
龍ノ介→Runo
寿沙都→Susie
「りゅうのすけ」→「りゅーの」→「Runo」はわかる。
しかし「すさと」から「Susie(スージー)」は‥‥SusatoとSusie‥‥綴りはまあまあ似ているとは思いますけど、かなり印象が変わった気がしますね。あくまでも日本人の感覚としては。w
なお、日本語版では誰でも「さま」付けの寿沙都さんですが、英語版でのSusatoはIrisを「Iris」とそのまま呼びます。Ryunosukeも「Iris」と呼びます。
余談。関係があるかどうかはわかりませんが、「ブリタニア列王史」(イギリスのあるグレートブリテン島に関する偽史書)の中の伝説上の王様に、Runoという名前があったらしい。
ブリタニア列王史 - Wikipedia
Iris
Oh, Ginny? Yes, she's a professional pickpocket.
アイリス
あー。ジーナちゃんね。
あの子、スリの子なの。
そしてGinaはGinny(ジニー)に。
Susato
Those are the letters 'V.R.', standing for 'Victoria Regina'.
It's Latin for Queen Victoria.
スサト
これは、女王陛下の“頭文字”‥‥
『V.R.』なのでございます。
日本語版だと、英国女王の名前が出たことはなかったのですが、英語版だとはっきり「Victoria Regina(ヴィクトリア女王)」と言っていますね。
Iris
But the police were waiting for him at the railway station
to take him directly to the crime scene.
アイリス
倫敦駅で、刑事さんたちが待っていて。
そのまま、現場に連れて行かれたの。
日本語版に登場する「ロンドン駅」は実在しません。ありそうでない駅です。
英語版ではどの駅なのか、名前は出ていませんね。
Iris
Yes, Mr Nuts...ooh-may?
Hurley said he was going to the man's lodgings.
アイリス
その、“ソーセキさん”?
『ヤツの下宿に行く』って言ってたの。
「なつめ」の部分が「ナッツ‥‥メイ?」になってます。
Iris
...give Gregsy this from me, would you?
アイリス
グレグソンくんにねー。
これ、渡してくれる?
もちろんグレグソンにも愛称があって、「Gregsy(グレグシー)」です。
Susato
A mystery shoe, a curious hammer, some mysterious
dancing men, a bust of Napoleon...
スサト
謎の革靴に、謎の木槌に、謎の踊る人形に、
皇帝の石膏像‥‥
ホームズの部屋は「調べる」で調べると、原作ホームズネタが散りばめられているのは御存知の通り。
上もホームズネタですね。
詳しくは手前味噌ながら、色々ネタ/原作「シャーロック・ホームズ」シリーズからのネタ 第4話をどうぞ。宣伝でした。
Iris
Ah, that's my blachboard where I note down ideas.
Ryunosuke
'Black Peter'...?
(What does that mean?)
アイリス
あー。それはね。あたしの
“思いつき”を書く黒板なの。
ナルホド
『ブラック・ピーター』‥‥か。
(なんのことだろう)
「勲章」のために調べまくった人も多いであろう黒板。
黒板に書かれたメモはほぼ、原作ホームズネタで占められています。
英語版も日本語版と同じネタですね。
ブラック・ピーターは短編集第5作「The Return of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの帰還)」に収録された「The Adventure of Black Peter(ブラック・ピーター)」から取られていますが、アイリスが言う「黒猫のピーターが‥‥」という話と、原作ホームズとは全然別モノ。
・アイリスのカード:Iris's Postcard
カードの文章が日本語版と英語版で違います。
英語版:
Tell the gentleman in black whatever he wants to know.
I trust that won't be a problem?
Iris Wilson
(意訳)
黒服の紳士が知りたいことは、何でも話してあげてね。
問題ないよね?
アイリス・ウィルソン

日本語版:
So, you'll answer anything the guy in the dark jacket asks, right?
Iris Watson
(意訳)
黒っぽいジャケットを着た男の人の質問には何でも答えてくれるよね?
アイリス・ワトソン

名前が変更になったのは当然として‥‥文章の変更の理由については、私にはわからん。
the guyよりthe gentlemanの方がイギリスっぽいとか、そういうことなのかな‥‥?
※追記
コメント欄にてコメントいただきました、ありがとうございます。
ということで、探偵【その1】はここまで。
次 探偵【その2】
英語版「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」解説
■大逆転裁判1
○Episode 1 The Adventure of the Great Departure(第1話 大いなる旅立ちの冒險)
1.法廷【その1】(1)
法廷【その1】(2)
2.法廷【その2】
3.法廷【その3】
○Episode 2 The Adventure of the Unbreakable Speckled Band(第2話 友とまだらの紐の冒瞼)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】
○Episode 3 The Adventure of the The Runaway Room(第3話 疾走する密室の冒險)
1.探偵【その1】
2.法廷【その1】
3.法廷【その2】
4.法廷【その3】
○Episode 4 The Adventure of the Clouded Kokoro(第4話 吾輩と霧の夜の冒險)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.法廷【その1】
4.法廷【その2】
○Episode 5 The Adventure of the Unspeakable Story(第5話 語られない物語の冒險)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】
4.探偵【その4】
5.法廷【その1】
6.法廷【その2】
7.法廷【その3】
8.法廷【その4】(1)
法廷【その4】(2)
Escapades(番外編 ランドストマガジン)解説へ
英語版「大逆転裁判2」解説へ
■Investigation, Part 1(探偵【その1】)
Susato
Ah-ha! Yes! That must be the Crystal Tower, being built
for the Great Exhibition that's to open in six months' time.
スサト
半年後に開かれる『万国博覧会』に
向けて建造中の《水晶塔》でございます。
そういえば第2話の時点で名前が出ていたのに、紹介を忘れていました。
「水晶塔」はそのまま「the Crystal Tower」です。
史実ではロンドンにて1851年に開催された第1回万国博覧会の会場、水晶宮(The Crystal Palace)がモチーフと思われます。
水晶宮 - Wikipedia
・(巡査の)鉄兜:bobby's helmet
寿沙都さんの憧れのヘルメットは「bobby's helmet」。
bobbyで巡査の意味があります。
bobbyの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
>BobはRobertの愛称でロンドン警察を設立したRobert Peelにちなむのだそうです。
ということで、今後、ロンドンの警察官・巡査という意味で「bobby」はよく出てきます。
第5話で警官と会話をするシーンがちょいちょいありますが、日本語版での名前欄が「ケイカン」なのに対して、英語版だと名前欄が「Bobby」です。人名みたいに見えますが違います。
また、copからの俗語「copper」もそこそこ出てきます。

証拠品「現場の地図」こと「Local Map」は、当然ながらそれぞれの通りの名前が英語に変更。
あ、上のスクショ、法廷パートの説明の時のやつですね。本屋の名前も載ってますが気にしないでください。
- ブライヤーロード:Brier Road
- メシャムロード:Meerschaum Street
- キャラバッシュロード:Calabash Road
- Street:道路の両側に店や家が並ぶ、道路と歩道が平行した、公共の整備された道路
- Road:一般的に「street」より長く広い道路
通りの名前の由来ですが、ブライヤー、メシャム、キャラバッシュはパイプの素材です。
- ブライヤー(brier)‥‥エイジュの根
- メシャム(meerschaum)‥‥粘土鉱物
- キャラバッシュ(calabash)‥‥瓢箪
パイプ (たばこ) - Wikipedia
>架空の人物としてはシャーロック・ホームズがキャラバッシュのベント型パイプを咥えている図が有名だが、これは元々舞台俳優のウィリアム・ジレットや英国放送協会(BBC)制作のテレビドラマシリーズの影響によるもので、原作にはキャラバッシュ・パイプは登場しない。原作でのホームズは、「陶製のパイプ」(クレイ・パイプ)、「ブライヤー・パイプ」を愛用しつつ、紙巻き煙草も賞賛しながら「お替り」するなど、別にパイプに拘っている訳ではない描写も登場する。だそうです。実際、原作では、ブライヤー、メシャム、キャラバッシュのうち、ブライヤーしか登場しません。
長編第2作「The Sign of Four(四つの署名)」にて、
“My practice has extended recently to the Continent,” said Holmes, after a while, filling up his old brier-root pipe.
しばらくして、ホームズは古いブライヤーパイプを咥えながら、「最近、私の仕事は大陸にまで広がっているんだ」と言った。
しばらくして、ホームズは古いブライヤーパイプを咥えながら、「最近、私の仕事は大陸にまで広がっているんだ」と言った。
という描写があります。
Gregson
If you ask anyone at the Yard, it's a misadventure to be
included in any Herlock Sholmes take at all!
グレグソン
そう! 我々にとって、むしろそいつは
『シャーロック・ホームズの暴言』だ!
英語版だと「ヤードの誰に聞いても、Herlock Sholmesの作品に出演するのは不運(misadventure)なのだ!」
「adventure(冒険)」と「misadventure(不運)」をひっかけたダジャレ。
Susato
To think that the King of Bohemia came to this very room
to ask Mr Sholmes to take on his case...
Ryunosuke
The, the King of Bo-where-ja?
Susato
King Wilhelm Gottsreich Sigismond von Ormstein,
of course!
スサト
この部屋に、かのボヘミア国王さまも
事件の依頼に来たのでございますね‥‥
ナルホド
ぼ。ぼへみあこくおう‥‥?
スサト
ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ジギス
モント・オルムシュタイン陛下です!
ボヘミア国王の話は、原作ホームズの短編集第1作「The Adventures of Sherlock Holmes (シャーロック・ホームズの冒険)」に収録された短編「A Scandal in Bohemia(ボヘミアの醜聞)」からのネタ。
「ボヘミアの醜聞」に登場するボヘミア国王の名前が、原作では「Wilhelm Gottsreich Sigismond von Ormstein」というのですが、日本語版ではフルネーム「ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・ジギスモンド・フォン・オルムシュタイン」だとセリフウィンドウに収まらなかったので、「フォン」をカットしています(電撃Nintendo2017年10月号の開発スタッフインタビューでカットした件について触れています)。
英語版では「von」入りのフルネームですね。
英語版のRyunosukeは「ボヘミア(Bohemia)」がわからず、「Bo-where-ja?(ボ‥‥どこですって?)」みたいなボケをかましてます。
???
Oh! You know Hurley, do you?
Ryunosuke
(...'Hurley'? Mr Sholmes' to you, surely?)
???
えー! おねえちゃんたち、
知り合いなの? ホームズくんと。
ナルホド
(‥‥“ホームズくん”‥‥?)
アイリスとの再会。
ここでアイリスことIrisは、Herlock Sholmesのことを「Hurley」(日本語的発音だと「ハーレイ」かな)という愛称で呼んでいることがわかります。
日本語版の「ホームズくん」の雰囲気を、愛称で表現したということでしょうね。
英語版における、Irisの愛称呼びはホームズに対してだけではないんです。
出会う人(動物も)ほぼ全て、何らかの愛称で呼ばれることになります。
龍ノ介と寿沙都はどうなったか、といいますと‥‥
Iris
Lovely! Susie and Runo...
Got it!
アイリス
すさとちゃんと‥‥
なるほどくん。わかった!
龍ノ介→Runo
寿沙都→Susie
「りゅうのすけ」→「りゅーの」→「Runo」はわかる。
しかし「すさと」から「Susie(スージー)」は‥‥SusatoとSusie‥‥綴りはまあまあ似ているとは思いますけど、かなり印象が変わった気がしますね。あくまでも日本人の感覚としては。w
なお、日本語版では誰でも「さま」付けの寿沙都さんですが、英語版でのSusatoはIrisを「Iris」とそのまま呼びます。Ryunosukeも「Iris」と呼びます。
余談。関係があるかどうかはわかりませんが、「ブリタニア列王史」(イギリスのあるグレートブリテン島に関する偽史書)の中の伝説上の王様に、Runoという名前があったらしい。
ブリタニア列王史 - Wikipedia
Iris
Oh, Ginny? Yes, she's a professional pickpocket.
アイリス
あー。ジーナちゃんね。
あの子、スリの子なの。
そしてGinaはGinny(ジニー)に。
Susato
Those are the letters 'V.R.', standing for 'Victoria Regina'.
It's Latin for Queen Victoria.
スサト
これは、女王陛下の“頭文字”‥‥
『V.R.』なのでございます。
日本語版だと、英国女王の名前が出たことはなかったのですが、英語版だとはっきり「Victoria Regina(ヴィクトリア女王)」と言っていますね。
Iris
But the police were waiting for him at the railway station
to take him directly to the crime scene.
アイリス
倫敦駅で、刑事さんたちが待っていて。
そのまま、現場に連れて行かれたの。
日本語版に登場する「ロンドン駅」は実在しません。ありそうでない駅です。
英語版ではどの駅なのか、名前は出ていませんね。
Iris
Yes, Mr Nuts...ooh-may?
Hurley said he was going to the man's lodgings.
アイリス
その、“ソーセキさん”?
『ヤツの下宿に行く』って言ってたの。
「なつめ」の部分が「ナッツ‥‥メイ?」になってます。
Iris
...give Gregsy this from me, would you?
アイリス
グレグソンくんにねー。
これ、渡してくれる?
もちろんグレグソンにも愛称があって、「Gregsy(グレグシー)」です。
Susato
A mystery shoe, a curious hammer, some mysterious
dancing men, a bust of Napoleon...
スサト
謎の革靴に、謎の木槌に、謎の踊る人形に、
皇帝の石膏像‥‥
ホームズの部屋は「調べる」で調べると、原作ホームズネタが散りばめられているのは御存知の通り。
上もホームズネタですね。
詳しくは手前味噌ながら、色々ネタ/原作「シャーロック・ホームズ」シリーズからのネタ 第4話をどうぞ。宣伝でした。
Iris
Ah, that's my blachboard where I note down ideas.
Ryunosuke
'Black Peter'...?
(What does that mean?)
アイリス
あー。それはね。あたしの
“思いつき”を書く黒板なの。
ナルホド
『ブラック・ピーター』‥‥か。
(なんのことだろう)
「勲章」のために調べまくった人も多いであろう黒板。
黒板に書かれたメモはほぼ、原作ホームズネタで占められています。
英語版も日本語版と同じネタですね。
ブラック・ピーターは短編集第5作「The Return of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの帰還)」に収録された「The Adventure of Black Peter(ブラック・ピーター)」から取られていますが、アイリスが言う「黒猫のピーターが‥‥」という話と、原作ホームズとは全然別モノ。
・アイリスのカード:Iris's Postcard
カードの文章が日本語版と英語版で違います。
英語版:
Tell the gentleman in black whatever he wants to know.
I trust that won't be a problem?
Iris Wilson
(意訳)
黒服の紳士が知りたいことは、何でも話してあげてね。
問題ないよね?
アイリス・ウィルソン

日本語版:
So, you'll answer anything the guy in the dark jacket asks, right?
Iris Watson
(意訳)
黒っぽいジャケットを着た男の人の質問には何でも答えてくれるよね?
アイリス・ワトソン

名前が変更になったのは当然として‥‥文章の変更の理由については、私にはわからん。
the guyよりthe gentlemanの方がイギリスっぽいとか、そういうことなのかな‥‥?
※追記
コメント欄にてコメントいただきました、ありがとうございます。
>アイリスのカードの文章が変更された理由は、日本語版の文章が英語話者に要請に聞こえないんだと思います。
>「So, … right?」などという文はだいたいもう知っている情報を確認するための質問なんです。
>
>英語版の文章の方がフォーマルな言葉を使う理由はあまり分かりません… 書いたメッセージだから、フォーマルな言葉の方が自然だっていうわけかもしれない?
ということで、探偵【その1】はここまで。
次 探偵【その2】
英語版「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」解説
■大逆転裁判1
○Episode 1 The Adventure of the Great Departure(第1話 大いなる旅立ちの冒險)
1.法廷【その1】(1)
法廷【その1】(2)
2.法廷【その2】
3.法廷【その3】
○Episode 2 The Adventure of the Unbreakable Speckled Band(第2話 友とまだらの紐の冒瞼)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】
○Episode 3 The Adventure of the The Runaway Room(第3話 疾走する密室の冒險)
1.探偵【その1】
2.法廷【その1】
3.法廷【その2】
4.法廷【その3】
○Episode 4 The Adventure of the Clouded Kokoro(第4話 吾輩と霧の夜の冒險)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.法廷【その1】
4.法廷【その2】
○Episode 5 The Adventure of the Unspeakable Story(第5話 語られない物語の冒險)
1.探偵【その1】(1)
探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】
4.探偵【その4】
5.法廷【その1】
6.法廷【その2】
7.法廷【その3】
8.法廷【その4】(1)
法廷【その4】(2)
Escapades(番外編 ランドストマガジン)解説へ
英語版「大逆転裁判2」解説へ