第3話解説のラストです。

■Trial, Part 3(法廷【その3】)

Ryunosuke
A smoke grenade?
It, it sound like the sort of thing ninjas use!

ナルホド
はつえんだん‥‥
忍者で言うところの『煙玉』ですか!


忍者はそのままninja。海外でも忍者の知名度は高いので、「ninjaは日本のスパイのこと」のような説明もなく使われています。
そもそも、英語版「逆転裁判2」の時点で、「忍者ナンジャ」が「Jammin' Ninja」とローカライズされていたくらいですからね。
(ちなみに「トノサマン」は「Steel Samurai」)

Gina
I know wot you lot are thinkin'!
Grown-ups are all the same!
'This dirty little dipper,' you'll say, 'slipped up an' got
caught on the job.'
'She got 'erself backed into a corner, so she knifed the
gent!'
Go on! That's wot's in yer 'eads, ain't it?

ジーナ
アンタたち、オトナの考えることなんて
ゼーンブ、わかってるんだから!
『汚いスリの子がヘマをして、シゴトの
 “現場”を取り押さえられちゃった』
『つかまったスリの子は逆上して、
 その客をナイフで刺しちゃった』
どーせ、そんなトコよね!


Gina初登場。「スリ」は英語で「pickpocket」。
彼女は英語の方言、コックニー(Cockney speech)で話します。
コックニーはロンドンの労働者階級で話される英語の一種、ロンドンのイーストエンド発祥の方言です。
イーストエンドで暮らす孤児であるGinaにはぴったりなのでしょう‥‥ですが、英語の方言が苦手な私にとっては、McGildedのアイルランド英語で苦しんでいるところに、更にGinaのコックニーが襲いかかる! ってな状況でして。w
コックニー - Wikipedia
Cockney ― コックニーというイギリス英語の方言の意味、説明、発音ガイド、ライミング・スラングと例 - 英語 with Luke
上のGinaのセリフだと、
  • 単語中の[h]を発音しないので、「what」が「wot」、「herself」が「'erself」、「heads」が「'eads」になっている。
  • 「am not」「are not」「is not」「have not」「has not」の短縮形として「ain't」を使う。
  • 「you」「your」が「yer」になっている。
というあたりがコックニーです。
ただ、Ginaのコックニーはまだまだ序の口、解読しやすい方です。後々で登場するあの兄弟のコックニーはもっとすごい。

Gina
Alright, yeah...
It's just like the Irishman said...

ジーナ
うん。
このオジサンが言ったとおりよ。


法廷【その1】の解説でも書いた通り、McGildedはアイルランド英語で話し、たぶんアイルランド出身なのだろうと思いますが、ここでGinaは彼のことを「Irishman(アイルランド人)」と言っていますね。

Judge
Saints alive!

サイバンチョ
こ。これは‥‥


Judgeの感動詞シリーズがどんどん増えるよ!w
直訳すると「聖人が生きている」「生きている聖人」‥‥転じて「聖人が生きていてびっくり」ということかな。

Van Zieks
...If the sight of my iron-heeled Wellington offends...
pray, do forgive the discourtesy.

バンジークス
‥‥我が暴れん坊たる鋼鉄のカカトを
叩き落とす無礼。どうかお許し願いたい。


出ましたッ! バンジークス卿の初の「踵落とし」!
Wellingtonはウェリントンブーツのことです。
ウェリントン・ブーツ - Wikipedia

McGilded
Well, don't forget that yer supposed to be representin'
my best interests here, lad.

メグンダル
アナタ。ワタシの“代理人”として
そこに立っているのを、お忘れなく。


「lad」はアイルランド英語で「男の人」や「男子」のこと。
女性には「las」を使うそうです。

Gina
Both me 'ands got covered in blood.
It made me feel sick as a dog.

ジーナ
そのとき。アタシの両手に
血がついて‥‥気が遠くなったの。


sick as a dog:「とても気分が悪い」
なぜ「犬みたいに(as a dog)」という語を使うのかは、なんか諸説あるらしいので、気になる方は検索してみてください。
「'ands」は「hands」ですね。コックニーでは「h」を発音しない法則です。
ここまででおわかりかと思いますが、方言を使うキャラのセリフで、意味不明な「'」が付いている時は何かの文字が省略されているなと思えば、なんとなく解読できると思います。

Gina
Yeah! Would you Adam an' Eve it, eh?!
Wot a mug!

ジーナ
そう!
ヒドいオジサンよねー。


上の「Adam an' Eve」(Adam and Eve)が、コックニーの中でも一番ややこしい、押韻スラング(Cockney Rhyming Slang)です。
コックニーでしか通じない業界用語のようなもので、「Adam an' Eve」の意味は「believe」なんだそうです。
なんでそうなるんだよ! とツッコミたくなりますね。w
検索してみると、単に「発音が似ているから」という理由らしい。なんで!?最後のeveしか合ってなくね!?w
というツッコミはさておき、よって上の「Would you Adam an' Eve it, eh?!」は、「Would you believe it, eh?!」です。
これならGinaが「信じられないでしょ!?」って言っているんだな、とわかりますね。
業界用語の割には意味が広まっているので、こうしてゲーム中にも普通に登場するし、欧米の方はいちいち検索せずとも意味がわかるのでしょうけれど‥‥。
その他、押韻スラングについてはググってみてください。

最後の「Wot a mug!」は、コックニーではWhatがWotだから、「What a mug!」だということになります。
このmugはマグカップじゃなくて、イギリス英語のスラングで「馬鹿」とか「間抜け」とか「無知」のことになります。
だから「Wot a mug!」は「なんて馬鹿なヤツなんだろう!」といった意味合いです。
Ginaはここ以外でもそこそこ「mug」を使います。

Juror No. 3
...This is carnage! It's perfect!

3ゴウ
‥‥オレ好みの地獄絵図よなァ。


3ゴウ氏過激発言。
英語版は「こいつぁ修羅場だぜえ! カンペキだ!」
だそうで。w

馬車の断面図なんですけど、よく見たら、3DS/スマホ版から背景の文字が変更されていますね。
馬車を描く線が少しはっきりくっきりになったような気もします。
馬車については、よりわかりやすいようにという配慮だと思いますが‥‥文字を変える必要があったのかどうかは、私にはよくわかりません。文字自体は、ゲーム進行に何の関係もないし、そもそも何が書いてあるのかよくわかんないし。
雰囲気づくりか、英語がわかる方に違和感のないようにしたか、そんなところでしょうか。

↓iOS版スクリーンショット



↓PS4版スクリーンショット



この第3話終盤で初めて「証言! 証言!」コールが起きてボイスも入りますが、英語版だと「Tes-ti-fy! Tes-ti-fy!」です。
テスティーファイ! テスティーファイ!

Furst
Well, I broke wind. Loudly.
I, I shocked myself with it, as it happens.

レディファスト
オナラをしちゃったんです。
自分でも、ビックリするぐらいの。


break wind:おならをする(婉曲表現)
直訳だと「風を破る」。ここから「おならをする」につながるのは、なんとなくわかる気がする。w
逆転シリーズで法廷に出てくる証人たちは、ほとんどが証言台で辛い目にあったり恥ずかしい思いをすることになるけど、その中でも五本の指に入る恥ずかしい告白だと思うな。w しかも攻略上、必ず聞くことになる話だし。

McGilded
What are ye tryin' to pull, ye...ye rotten, feckless gouger!

メグンダル
‥‥どういうつもりだ‥‥
この、うす汚い若造やろうめがッ!


罵倒セリフシリーズ。覚えるのはいいけど使用は充分ご注意ください。
rotten:腐った、不愉快な、ひどい
feckless:無能な、無責任な
gouger:ペテン師

Van Zieks
Just one thing.
...A warning.
This is far from over.

バンジークス
‥‥貴公に、ひとつだけ。
忠告しておこう。
これで“終わった”などと
思わないことだ。


終わったどころか始まりだったという話。
私目線では難しい言い回しの多いVan Zieks卿ですが、ここは「This is far from over.(これで終わりではない。)」と、シンプルな言い回しです。

???
Ah! There you are!
Naughty, naughty, running off like that!
Ryunosuke
(Is this some kind of picnic? Who's this little girl now?)

???
あー、こんなトコロにいたよ!
あたしから逃げようったって
そうはいかないの。
ナルホド
(‥‥な。なんだ‥‥この子は)


アイリスがちょこっと登場。
Ryunosukeがアイリスを見て「ピクニックか何かかな?」とつぶやいてます。裁判所にピクニックって何すか。w

ということで‥‥第3話解説はここまで。
次回は第4話です。

次 第4話探偵【その1】(1)



英語版「大逆転裁判1&2 -成歩堂龍ノ介の冒險と覺悟-」解説

■大逆転裁判1

○Episode 1 The Adventure of the Great Departure(第1話 大いなる旅立ちの冒險)

1.法廷【その1】(1)
 法廷【その1】(2)
2.法廷【その2】
3.法廷【その3】

○Episode 2 The Adventure of the Unbreakable Speckled Band(第2話 友とまだらの紐の冒瞼)

1.探偵【その1】(1)
 探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】

○Episode 3 The Adventure of the The Runaway Room(第3話 疾走する密室の冒險)

1.探偵【その1】
2.法廷【その1】
3.法廷【その2】
4.法廷【その3】

○Episode 4 The Adventure of the Clouded Kokoro(第4話 吾輩と霧の夜の冒險)

1.探偵【その1】(1)
 探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.法廷【その1】
4.法廷【その2】

○Episode 5 The Adventure of the Unspeakable Story(第5話 語られない物語の冒險)

1.探偵【その1】(1)
 探偵【その1】(2)
2.探偵【その2】
3.探偵【その3】
4.探偵【その4】
5.法廷【その1】
6.法廷【その2】
7.法廷【その3】
8.法廷【その4】(1)
 法廷【その4】(2)

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英語版「大逆転裁判2」解説へ