「南開東地震」が切迫している
30年以内に70%の確率
では、文部科学省の地震調査委員会はどう見ているのか。
その報告を、検証しておきたい。
阪神大震災を契機に設置されたこの委員会は、全国を網羅した「今後3 0年以内に大地震が起こる確率」を公表した'。
(98-99ページ図表)。※省略
この図表を見れば'いかに日本列島全体が〝地震の巣〟であるかがよくわかる。
このなかで、「相模-ラフ沿いの地震活動の長期評価」は子細に見てお-必要がある。
M6・7-7・2程度と定義された「その他の南関東の地震」の今後30年以内の発生確率が、「70%」とされている。
いつ起きても不思議ではないといえる確率だからである。
その報告によると、歴史的に「相模-ラフ沿い」と「南関東の直下」で繰り返し発生してきた地震の発生領域を対象として、フィ-ピン海プレ-トと陸のプレートの境界付近で発生する「相模トラフ沿いのM8程度の地震」と'南関東においてプレートの沈み込みに伴い発生する、ひとまわり小さいM7程度の「その他の南関東の地震」に分けて、長期的な観点で地震発生の可能性などについて検討したという。
大正型関東地震は「200-400年」の間隔で起きるタイプで、次に起きるとすれば「M7・9程度」、「今後3 0年以内の発生確率ははぼ0-0・9%」としている。
その「大正型」の220年前に発生した元禄地震を別途「元禄型関東地震」とし、繰り返し発生する大正型関東地震が房総半島南から南東沖まで連動した(レアな)事例と位置づけている。
このタイプに関しては'地震が起きれば「M8・1程度」だが、「2300年程度」に一度しか起きない地震で、発生確率は「今後50年以内」としても「ほぼ0%」と評価した。
しかし'「その他の南関東の地震」となると、「過去の地震の震源域が特定できない」との理由から、「南関東の領域」という広い範囲を設定した。
その-えで、過去に起きた地震の記録としてほ'古文書等では地震のタイプを分析しきれないため記録が明白な、1885年から2004年までの119年間に発生した5回の地震をベースに、「今後」どうなるかを評価している。
対象にしたのは東京地震(1894年6月20日発生)、茨城県南部地震(1895年1月18日発生)、竜ヶ崎地震(1921年12月8日発生)、浦賀水道地震(1922年4月2 6日発生)、千葉県東方沖地震(1987年1 2月1 7日発生)である。
これらの地震の発生年を見る限り、1900年前後を境に頻頻と起きていたものが、しばらく静穏期をおいて、1987年からまたそのシ--ズに入ったかのようで不気味である。
委員会の報告では、この五つの平均発生頻度は23.8年に一度というものになり'それから推定すると、「今後30年以内の発生確率は70%程度」と、突出して高-なる。
ちなみに「今後1 0年以内」となると、「30%程度」とされる。
地震の規模もこの五つから割り出して「M6.7-7.2程度」であり'震源の深さは「30--80km」と推定されている。
同推進本部では、2005年3月23日の報告において、「確率論」に関する解釈を付け加えている。
「3 0年間というl定の期間をとったとき、30%と評価された地震より、50%と評価された地震のほうがより起こりやすいことをいっているだけである。現実にどちらの地震が先に発生するかを表現しているわけではない」
「今後30年以内に3%の発生確率であるということは、そこで想定している揺れが'平均すれば約年に1回発生するということを意味している。
(中略)
これら確率で示された数値をより具体的なイメージによって理解するため、他の事故や災害に遭遇する確率との比較を行っている。
(中略)
交通事故で死亡する30年確率は約0.2%、火事で雁災する30年確率は約2%、火事で死傷する確率は約0.2%である。
30年3%という数値は、他の事故や災害等に比べて決して低いとはいえない」
このデータは統計局の人口推計に基づき、警察自書や消防自書から算出しており、「30年3%」という水準は、「心疾患で死亡」や「空き巣ねらい(に遭う)」という確率とほぼ同じという。
となれば、「10年以内30%」や「30年以内70%」と表現される「南関東の地震」は、もうそこに迫っていると見たほうが正しいのではないか。
- 巨大地震と地震雲-2
- 大地震と地震雲-3
- 巨大地震と地震雲-4
- 巨大地震と地震雲-5
- • 巨大地震と地震雲-6
- 電波の特異な波形'乱れをキャッチ
- 警戒サインは' 10日前に出る
- 歴史が証明!地球はいま'地震続発の周期に入っている!
- 太陽の磁気エネルギーが地震を誘発する
- 周期望星による「持異日」
- 20m超の巨大TSUNAMIが'津波列島を呑み込む!
- 大惨劇尾経験してきた日本だがなぜこうまで無防備なのか!
- 日本にもあった「スマトラ島」の悲劇
- 「二つの大波」が人間生活を引き裂ぐ
- 北海道、東北沿岸に出された警戒情報
- 「津波ハザードマップ」もないおそまつさ
- 大寒波、インド洋太津波は前触れだ!
- 日本で観測されたオーロラの怪
- もうひとつの「目前の危機」が北半球を襲う
- 『意見列島』著者・石黒耀氏が…
- 東京崩壊から大恐慌時代へ
- 脆弱な地盤に高層ビルのツケ
- 中央防災会議が公表した「首都圏ここが危ない!」
- 「被害最大は夕方6時の東京湾北部地震」
- 避難者700万人'帰宅困難者650…
- 「長周期地雇動」が高層ビルを襲う石油タンクのスロツシング
- 「東京23区危険度マップ」建物崩壊・火災・避難危険
- 谷、崖'駅'地下街「危ない町」具体名 首都機能が 壊滅する
- 新宿・横浜・焼津・神戸に見る「危機管理マニュアル」
- あの悪夢の再来か!酷似している日本列島の異常
浅間山の噴煙から富士山フロントへ - 「双子型地震」に'緊張が走った 南海トラフに3大地震域
- 「40年に10回」スケジュールど…
- 丹波山地'和歌山市'京都市街に〝地震の巣″
- まだまだある巨大な震源域
- 8年前誌上で予知した専門家が'新たに警告
- スマトラ島沖地震からの「ドミノ現象」
- 駿河湾周辺に芽生えている'不気味な異変