巨大地震と地震雲画像_ 002


日本にもあった「スマトラ島」の悲劇


22000人が義牲に


その後、スマトラ島沖大地震による大津波が、「殺人津波」と化した状況が徐々に明らかになった。


例えば、局地的には10m近い津波に襲われたスリランカ。


震源域から1600kmも離れているが、第一波は時速700~800血という猛スピードで、わずか2時間足らずで襲来したのだった。


巨大津波を生んだ要因は、地震の規模がM9・3と巨大だったこと。


震源が10km程度と非常に浅かったこと。


インド洋の水深が4000mと深かったこと(一般的に、津波は発生箇所の水深が深いほど速くなる)などによる相乗効果だった。


このため1㎡あたりの衝撃が、実に18tという「殺人津波」に発展してしまったのだ。


1月3日からスリランカで実地調査にあたった、東北大学災害制御研究センター長・今村文彦教授(工学部)は、被害を大きくした原因は二つあると指摘した。」


「ひとつは、津波の周期が20~40分と非常に長かったこと。第一波が引いて安心していた人々が、場所によっては最大波だった第二波に呑まれたケースがかなりあったようです。津波が何回来たのか、正確な計測はなされていませんが、小さいものも含めれば、ほぼ一日中続いたと考えられます。

もうひとつの要因は、津波の流速が速かったこと。

水位が膝下程度でも、非常に流れが速かったため、足元をすくわれて波に呑まれてしまったのです」


さらに特筆すべきは、震源に向き合うスリランカ南東部の地域がまともに津波の影響を受けたのはもちろん、反対側の南西部にまで津波が回り込んだことだ。


この現象は1993年7月の北海道南西沖地震(M7・8)で奥尻島を襲った津波でも観測されたが、津波が島に沿って回転した分、さらに流速が速まった可能性が高い。


1900年以降、観測史上4番目に大きな地震だったため、地球規模での影響も大きかった。


地震発生から2週間経っても、地球規模で縦揺れが続いていたことが、オーストラリア国立大学の調査で確認された。


揺れ幅は、地震直後にはなんと20~30cmにもなっていた。

このスマトラ島沖地震は、巨大地震の典型であるプレート境界型地震だった。約30万人もの命を奪った


「殺人津波」を生んだスマトラ島沖大地震の断層の長さは、実に南北560kmに及んだ。西側のインド・オーストラリアプレートが東側のユーラシアプレートの下に沈み込むうちに、ひずみが蓄積され、ユーラシアプレートの西端が一気に跳ね上がったのだ。


京都大学防災研究所の梅田康弘教授が話す。


「同じことが、日本でも起きる可能性が十分にあります。スマトラ島沖地震は日本でもっとも懸念されている東海地震、東南海地震、南海地震と同タイプだから
です」


日本の巨大地震は「南海トラフ」と呼ばれる海溝で発生する。この地域はフィリピン海プレートが、陸のユーラシアプレートの下に沈み込んでいる場所で、100~200年の一定の周期で大地震が起きているからだ。

いうまでもなく、「地震大国」と形容される日本列島は、長年にわたり大地震による被害を被ってきた。


1498年の明応東海地震(M8・2~8・4)、1707年の宝永地震(M8・6)、1854年の安政東海・南海地震(M8・4)、1944年の昭和東南海地震(M7・9)、1946年の昭和南海地震(M8・0) といった具合だ。


なかでも、宝永地震は津波の被害が特段に大きかったことで知られている。


「静岡県では、浜名湖まで津波が押し寄せ、近くにあった新居の関所が流されてしまいました。東海地方から紀伊半島、四国にかけての沿岸では軒並み、10m近い津波に襲われました」(東京大学地震研究所・郡司嘉宣助教授)


この宝永地震をはじめ、巨大地震による津波は大きな犠牲者も出してきた。

日本海溝・千島海溝周辺地震であった明治の三陸地震津波(1896年) では約2万2000人、昭和の三陸沖地震(1933年) では約2900人が犠牲となった。1960年5月に起きたチリ大地震(M9・5)では、約1日かけて太平洋を横断した津波が日本に襲いかかり、岩手県の三陸地方を中心に142人の犠牲者を出した。

1983年5月の日本海中部地震では、104人の犠牲者の大半が津波による死者だった。

記憶に新しいところでは、北海道・奥尻島を襲った津波がある。

1993年の北海道南西沖地震で、奥尻島を襲った津波によって、実に島民の4分の1 (202人)が犠牲となり、沿岸部の青苗地区などでは集落がすべて呑み込まれた。


「この地区には、約12mの津波が、地震発生からわずか3分で襲来しています。水位がもっとも高いところでは、なんと30mに達しました」(郡司氏)


    <緊急>週刊現代特別取材班編…

  1. 巨大地震と地震雲-2
  2. 大地震と地震雲-3
  3. 巨大地震と地震雲-4
  4. 巨大地震と地震雲-5
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