巨大地震と地震雲画像_ 002


電波の特異な波形'乱れをキャッチ



地殻に起こる前兆活動



では、私の理論を簡単にご説明しましょう。


ご存じのように地上にはさまざまな電波(電磁波)が飛び交っています。


私たちの地震の直前予知手法は'さまざまな電波があるなかで、波長に特性のある比較的一般的な3種類の電波(ULF電磁波、VLF電磁波、VHF電磁波)だけを対象としています。


そして、これらの電波を常時観測し続け、平常時の電波状態との変化を捉えることによってへ地震がいつ頃、どの-らいの規模で、どのあたりに発生するかを発見しょうというものです。


よくこんな質問を受けます。


『電波に障害を及ぼすノイズの原因はいっぱいあるのだから、調べてもノイズだらけで、どれが地震によるノイズか区別もつかないだろう?』というものです。


でも、これはまったくの誤解です。


例えば、雷によるノイズというものがありますが、これは時間にすると1秒にも満たない乱れなのです。


太陽から飛んで-る電磁波の影響もあります。


Lかしこの場合は、1日24時間で乱れが生じる時間帯は昼間に限られているという具合で'いずれにしても単発的か、あるいは目変化、季節変化に伴った規則的に繰り返される現象に過ぎません。


ところが地震による乱れは、その前兆として早ければ10日前、遅-とも5日ほど前から、昼夜を問わずt ものすご-描-て、しかも長時間にわたってノイズを出すという強大なエネルギーによる特異現象なのです。


そこは日々きちんと観測し、電磁波の波形解析をしていれば発見できるものなのです。


ですから私の研究室では、先の3種類の電波に照準を合わせ、継続観測を続けているわけです。


次に、地震の直前予知に至るまでの仕組みについてご説明しましょう。


いちばん重要なポイントは'われわれが住む地球上には高度より上層に『電離層』という電気的には一種の絶縁体のよ-な層があり、地球のはぼ全体を覆っているという点にあります。


そして、地球上から発せられる電波はこの電離層に反射したり、電波の波長の種類や送信の電波角度よっては突き抜けて宇宙に飛び出して行ったり'逆に宇宙から飛んで-る電波も電離層を抜けて地上に到達します。


また、電離層の内面(地表に近い下端部)は普段へ特に夜間は'趣端に職えれば鏡面のように平らで'非常に静かだという特徴があります。


ところが、ひとたび地上のどこかで地震活動が活発化したり、大きな地震の発生が近づいたりすると、エ-アとしてほおそら-震央の上空と思われますが'かなり広範囲にわたって電離層の面に乱れが生じるのです。


この原因については諸説ありますが、マグニチュード6以上ほどもある大地

震が起きる10日ぐらい前になると、地殻になんらかの前兆活動が起きるのではないか。


それは、例えば圧力や温度変化等であり'それらが大気の分子や原子レベルに揺らぎを移すなどして大気振動を引き起こし、この波動が電離層と衝突するこじようらんとでプラズマの変動のような現象を誘導させることになり'結果的に電離層に擾乱が起きるのではないかというのが、私がもっとも有力と考える説です。


ともかく'こうした電離層に擾乱が起きると'電離層で反射したり電離層を通過したりする電波には'普段にはない特異な電波の乱れが出るものなのです。


それを発見するべ-'われわれは特定の3種類の電波を観測し、その電波解析とデータ確認をすることで地震を予知するとい-テーマに取り組んできました。


ただ残念なことにも現状の研究室程度の態勢ではとてもリアルタイムの観測予知はできません。


しかし' 手法はほぼ完成していますので、マンパヮーで取り組める環境さえ整えられれば、大地震の直前予知は可能 であることを確信しています」





    <緊急>週刊現代特別取材班編…

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