「40年に10回」スケジュールどおりに進んでいる


連鎖地震への卜リガ-
                                                           _
東京、東海、近畿と、日本の中枢部を狙い撃ちするかのような「巨大連鎖地震」。


今回の双子型地震が、東南海地震や南海地震のトリガ-(引き金) になる可能性は決して否定できないのだ。
                               
「地震考古学」 の第一人者で、産業技術総合研究所主任研究員の寒川旭氏もこう語る。


「遺跡で地震の痕跡を探る地震考古学の成果から見ても、南海トラフで次に起きる地震は、東海、東南海、南海の三つが連動する超巨大地震になるはずです。
宝永地震や安政江戸地震に匹敵する規模になるだろうと考えています0

この地域の巨大地震の周期は長くて150年も短-て90年のサイクルです。

最後の東南海・南海地震は1944年と1946年の『昭和東南海地震』と『昭和南海地震』ですが、ともに地震の規模が小さくて'完全にエネルギーを放出し切ったとは考えられないので、巨大地震までの周期は短-なる可能性が高い。

つまり、次の大地震は巨大かつ連動し、短い周期で起きることになると思います」



また、寒川氏によれば'南海地震や東南海地震のよ-なプレー-境界型の巨大地震が近づくと'内陸の直下型地震も活発化するという0


その意味では、阪神大震災'1995年、M7・3)も「頻発する内陸型地震」の範暗に入り、むしろ巨大地震の〝露払い〟とさえ見ることができる。


「来るべき巨大地震はスケジュールどおりに進んでいる」と警告するのは、京都大学防災研究所の河田恵昭所長だ。


「1946年の『昭和南海地震』からさかのぼって40年間を調べると、近畿地方を中心に、M6級の地震が10回程度起きています。

それを現在の状況に照らし合わせて、来るべき巨大地震までのシ--ズを考えると'阪神大震災を皮切りとして、鳥取県西部地震年、M7・3)、芸予地震(2001年、M6・7)と続き、年の紀伊半島沖での二つの地震。

これで5回目の地震が起きた計算になります」


「40年間にM6級の地震が約10回」とい-のが、来るべき超巨大地震へのひとつの目安とすれば'現在すでに5回の地震。

残りはあとわずかしかない。


「発生場所は鳥取、芸予地震のように、やはり中国地方の中心部あたりから、東は名古屋付近まで。


このエリアで起きる地震は警戒しなければなりません」(河田教授)

地震学者の問では、兵庫を中心とした近畿地方が地震活動期に入ったと見ることは定説だ。


阪神大震災から50年の間に、少な-とも5-6回の内陸型地震が発生すると考えられているのだ。


京都大学防災研究所・梅田康弘教授が話す。


「これまで阪神、鳥取、芸予、紀伊半島沖地震を入れても、まだ大型地震は4回しか起きていないことが気がかりです。
まだまだ発生する可能性はあります」


東京大学地震研究所・佃為成助教授も同様の見解だ。


「南海・東南海地震の前には必ず、内陸型の大地震が起こることは、過去の歴史が証明しています。

阪神大震災、鳥取県西部地震と、すでに二つの大きな地震を経験しましたが'まだまだ内陸型地震が起きる公算は非常に高いと考えられます」


〝露払い″にすぎないとされる阪神大震災ですら、甚大な被害を出した。


高速道路や山陽新幹線をはじめとする交通網は遮断され、ライフラインも寸断。


街中で火災が発生し、神戸は火の海に包まれた。


これが〝横綱〟級の東南海地震へ南海地震となれば'いったいどれほどの被害になるのか想像もつかない。


歴史的な巨大地震は、関東地方や東海地方のみならず、関西地方にも甚大な被害をもたらしてきた。


「プレート境界型の地震でもっとも怖いのは津波です。

『宝永地震』では'三重県尾鷲市で10m、高知県土佐市では16mというように、四国から紀伊半島、東海地方の沿岸には軒並み10m級の大津波が襲いかかりました。

大阪にも4mの津波が押し寄せて、死者2万人を出したという記録があります」

(東京大学地震研究所・郡司嘉宣助教授)


双子型地震の2度目の地震(M7・4は阪神大震災(M7・3)より大きかったが'幸いにして死者は出なかった。


しかし、いま近畿地方で危険な兆候が出ているのだ。


例えば、1946年の「昭和南海地震」を例にとれば、その約20年前から、近畿地方を中心に計8回のM 6以上の内陸型地震が起きた。


主なものでは、1927年に京都府北西部で起きた「北丹後地震」(M7・3、死者2925人)、1943年の「鳥取地震」(M7・2、死者1083人)などがある。


こうした内陸型の大地震が数年おきに繰り返されたあと、1944年にまず東海沖で「昭和東南海地震」(死者・行方不明者1223人)が発生。


1945年の「三河地震」(M6・8、死者2306人)を挟んで、1946年の「昭和南海地震」(死者1330人)につながっていった。


だが、「来るべき巨大地震」のスケールについて河田教授はこう語る。

「これまで東海、東南海へ南海地震が関与する地震の規模をマグニチュード8・7程度と想定していました。


しかし、2004年のスマトラ島沖地震の発生からして、『三つの地震のほぼ同時発生』と、規模は『想定の8・7以上』になる可能性も出てきました」決して油断などしてはいられないのだ。






    <緊急>週刊現代特別取材班編…

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  2. 大地震と地震雲-3
  3. 巨大地震と地震雲-4
  4. 巨大地震と地震雲-5
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