「東京23区危険度マップ」


建物崩壊・火災・避難危険

一方、東京都総務局では 2001年時点で、東京もし-はその周辺でM7.2の直下型地震が発一生した場合の被害を、死者約7000人、負傷者1 5万人と想定している。

しかし、この東京都の最大M7.2の直下型地震を想定しての対策についても、専門家から手厳しい疑問が寄せられている。

実際どれだけの被害が出るかほ,震源や地盤、人口密度などによっ


建物被害、人的被害(東京湾北部地震M7.3)

図:経済被害


地震雲n06_ 011-1


地震雲n06_ 011-2

中央防災会議が公表した、首都圏直下地震でもっとも大きな被害が想定される地震は、 「東京港北都地震」 (M7.3)である。

この表は、 建物・人的・経済被害をまとめたもの。

この地震では木造密集市萄地が多い地域で地震塊野際時多発し、大規模な延焼の危険があるという。

また、湾岸地区での液状化による被害も荒巻宅,経済被害では、首都の経済中枢機能が大打撃を被り莫大な損失をもたらすとされる。

だが、現実の被害はもっと甚大だとする専門家は数多い.


さて、被害の様相は大き-変わって-るからだ。

「しかも、東京都の想定では、津波や地下水など水による被害は『特異現象』として除外されたうえ、高層ビル群のビル風による影響も加味されていません。

火災が発生した場合、ビル風の強風に煽られて'計り知れない惨事を引き起こしかねないにもかかわらずです」


(前出・村上虞直氏)

M7.3の阪神大震災では、死者が人以上に及んだ。

もともと地盤が弱い-えに交通網が錯綜し、人口密集度も高い東京だ。


1995年の阪神大震災とは比較にならないほど被害が大きいことは想像できる。

東京都の被害想定に津波やビル風などが考慮されていないことを考えあわせれば、犠牲者が1 0万人以上にのぼることも十分ありえる。

また、東京都では'地震に関する危険度測定調査を5年ごとに行っている。

都内5000以上の地区を対象に火災、建物倒壊、避難、さらにこれらを総合した総合危険度を5段階で判定している。

最近の調査は2002年に公表された。

週刊現代編集部は、東京都都市計画局が作成した「地震に関する地域危険度測定調査報告書」のデータをもとに、「東京2 3区危険度マップ」としてビジュアル化(185ページの図)を試みた。

ここに紹介する。

危険度は「建物倒壊危険度」「火災危険度」「避難危険度」の三つの側面から検証し、合算したものを「総合危険度」として表示した0

「建物倒壊危険度」は地盤の弱さと建物の種輝や築年数によって判定した。

もっとも危険度が高いのが墨田区、台東区と荒川区が続く。

古い家屋の多い下町が危ないことがわかる。

「火災危険度」は電気やガスの使用状況などと延焼の危険性を測定したものだ。

品川区がもっとも危険と判定され'北区、荒川区が続く0

地震による被害者の大半は、火災が原因であることはよ-知られているだけに、要注意だ。

「避難危険度」は避難場所に到達するまでに要する時間と避難できる人の数を評価したものだ。

台東区も 品川区、大田区などが危険と判定された。

ターミナル駅などの人口密集地城があるにもかかわらず、遭難場所が少な-、避難場所が遠いことが理由だ。

総合的には台東区、荒川区、品川区などが、要注意の危険な地域という判定結果だ。

しかし、この危険度マップはあ-までもデータをもとにわかりやす-処理したもの。

ランク表示されていない地域でも、決して油断はできない。

東京には、安全な場所などほ存在しないのだ。



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