顔面神経麻痺(ベル麻痺?)と過剰流涙(涙が止まらない)の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

●当院は「整体治療」と、「2年制整体学校」を運営しています。
●各疾患・症状に対しての研究-治療成果、患者さんとのエピソード、コラムなどを掲載しています。
●当院での治療(左下欄参照)、又は学院への入学希望の方は専用メールか06-6180-6880までお電話下さい。

顔面神経麻痺(ベル麻痺?)と過剰流涙(涙が止まらない)の整体治療
患者Sさん=59才-男性/会社役員の症例
 
 
 
 
 
 
① Sさんの病歴・・・
患者Sさんは、朝起きた時に顔面の右半分に違和感を覚えたそうです。ただ、その違和感は軽微だったので特に気にする事無く出勤されました。その日の日中は特に何事も無かったそうですが、夜くらいから少しずつ咳が出てきたそうです。やはりこの時もそのまま放置されていたそうです。ところが翌日の起床時、左の顔面全体がかなり下垂しているのに気付いたそうです。左眼から涙が大量に出て口が閉じにくく飲食物が口から漏れ、会話(構語)もほとんど出来ない状態で来院されました(例=「プ」の発語の際に息が口唇から漏れて不能状態)。その時は咳がひどくなっていて37.9度の発熱があったそうです。
 
 
 
② Sさんの診察
・左前額面(オデコ)の横シワもが消失していました。右前額面の横シワはありました。顔やその他の皮膚に発疹はありませんでした。左眼瞼結膜や眼球結膜に充血やたるみ・かゆみはありませんでした。しかし左涙液(なみだ)の分泌過剰がありました。
・その他の所見として、咳と発熱(来院時は38.0°あったそうです)、左聴覚過敏=自声強調(音が聞こえすぎる)、左流涙過剰、左鼻汁過剰(☚水様性)、全身倦怠感、軽度の味覚障害などの所見がありました。(☛初診の6日後から黄色っぽい喀痰がみられ、その数日後には喀痰も解消し熱も平熱に回復していたそうです。)
・難聴や耳鳴り、耳痛、耳漏、耳閉塞感、めまい、四肢の運動障害などは無いそうです。
・左顔面筋の随意運動はほとんど障害されていました(例=左の眼瞼下垂があり左眼裂は2-3mm程度しか開眼できない。右の眼裂は12mm)。しかし就寝時の閉眼はかろうじて可能で、不完全ながら眼を閉じて就寝することができるそうです。
・眼球-眼瞼結膜の発赤・充血、瞳孔の異常はありませんでした。涙腺の腫脹は確認できませんでした。
・顔面の触覚、痛覚などの神経学検査で異常は無く、眼神経、上顎神経、下顎神経の圧痛-放散痛も左右ともありませんでした。
・左右扁桃腺は軽度腫脹-発赤していました。カーテンサインはありませんでした。
・乳様突起に圧痛・叩打痛はありませんでした。しかし顔面麻痺6日後くらいから乳様突起とその後部、上部、前部(耳穴の前)などの左側頭骨部位に骨痛(安静時痛)がありました。
 
 
 
③ 治療目標と整体治療
   ⑴ 左の耳管から鼓膜張筋半官および顔面神経管付近の免疫機能を回復-促進し、顔面神経(中間神経)の障害を取り除き免疫機能の回復を図る
   ⑵ 上記⑴の部位の血液循環を回復-促進させ、顔面神経(中間神経)の神経再生を促進する
   ⑶ 深錐体神経(交感神経)の再生を促進させ大錐体神経(副交感神経)の緊張緩和する (☚初診4週間後より追加)

・顔面神経解放テクニック
・静脈還流促進テクニック
・顎動静脈促進テクニック
・翼口蓋神経節緩和テクニック
(☚初診4週間後より追加)
 
 
 
 
④ 経過と結果・・・
・初診1週間後、左顔面筋麻痺に変化はありませんでしたが、この一週間の間、左眼を閉眼して就寝することができていました。しかし構語はまだまだ不完全のままで、会話するのが難しい状態でした(☚特に「プ」の発音が不能)。

・初診2週間後、少しですが左顔面筋の随意運動が出来る様になり、左前額に薄い横シワが一本出来ていました。

・初診3週間後、左前額の横シワガ少し太くなり、左顔面筋の随意運動も次第に回復していました。左眼裂の幅は7mm程度まで回復していました(右眼裂は12mm)。

・初診4週間後、左前額の横シワガ太くなり1本増えて合計2本になっていました。左顔面筋の随意運動もかなり回復していました。構語は次第に回復してきましたが、「プ」の発語は少しだけ難しい状態でした。また、飲水による口唇からの水漏れもまだ少しだけありました。左眼裂は9mm程度まで回復し(右眼裂は12mm)、「眼の開け閉め=まばたき」がかなり回復していました。しかし、左の流涙過剰は相変わらずで、鼻汁の過剰分泌も相変わらずありましたので、新たに「⑶-大錐体神経の緊張緩和」の治療方針のもとに「翼口蓋神経節緩和テクニック」を追加-施術しました。

・初診5週間後、左前額の横シワは3-4本に増え、随意運動も70~80%程度に回復していました。普通にしていれば、ほぼ正常状態に見える程、左右の顔面が対照的に回復していました。左眼裂は10mm程度まで回復していました(右眼裂は12mm)。構語もほとんど普通に発語できるまで回復し、「プ」の発語も普通に聞き取れるくらいにまで回復していました。左の鼻汁過剰はほとんど解消していましたが、流涙過剰は半分程度の改善でした。

・初診6週間後、前額の横シワと眼裂は左右とも12mmで対称的になり、ほとんど回復していました。左顔面筋の随意運動もほぼ100%回復し、飲水による口唇からの水漏れもほとんど漏れなくなり、「プ」の発語を含めて完全に構語が出来る様になっていました。左の流涙もほとんど解消していました。

・初診7週間後、口笛が吹ける状態になっていましたので、治療終了としました。
 
 
 
 
⑤  今回の症例の概説、、、
・今回のSさんの症例は、いわゆる「ベル麻痺」と呼ばれている原因不明の顔面神経麻痺だと思われます。ただ、今回の件でSさんは病院を受診されていませんので、確定診断の為に専門医の受診を勧めた上で施術する事にしました。しかし当院でも過去にベル麻痺やハント症候群の様な顔面神経麻痺の整体治療例があるので、医師による確定診断はまだでしたが、Sさんの同意のもとに整体治療を進める事にしました。

・そこで今回のSさんの症例ですが、上記①-「病歴」から、風邪症候群と思われる感染症による炎症が顔面神経(中間神経)を障害-壊死、あるいは循環障害を生じさせて顔面筋が麻痺している可能性が高いのでは、と推定しました。
 
 
 

・その障害部位は「難聴、耳鳴り、耳痛、耳閉塞感」などの中耳炎的な所見が無い事から、風邪によるウイルス(細菌)が咽頭から経耳管的に上行し鼓室(中耳)の直前の「筋耳管管」付近で炎症を起こしているのではないか、と推定しました。それが鼓膜張筋半菅~顔面神経管へと伝播していき、左顔面神経(中間神経)を炎症-壊死させて、左顔面筋を麻痺させているのでは、と考えました。

・従って上記③-「治療目標」に掲げる様に、まず下記整体テクニックによって「耳管のウイルス排泄機能」を回復させて同部の炎症を解消促進させる事から始めました(☚耳管表皮細胞の線毛運動を回復させウイルスを排除する)。同時に「咽頭と筋耳管管-顔面神経管」の血液循環を回復させて同部の局所免疫機能の回復を図りました。
  ・静脈還流促進テクニック
  ・顎動静脈促進テクニック

・さらに、循環障害を回復させて顔面神経の再生を促進させる為に下記整体テクニックを施術しました。

  ・顔面神経解放テクニック
末梢神経は一度変性-壊死しても再生可能ですから、この処置を施せば顔面神経の再生が少しでも早まり、顔面麻痺の早期解消が見込まれる、と考えました。
 
 

・顔面神経麻痺では、時折医学的に説明のつきにくい神経症状が出る…と言われていますが、Sさんの症例においては、「左の流涙と鼻汁の過剰分泌」が、その様に言えるのかもしれません。

・一般的な顔面神経麻痺時の流涙過剰は、「眼瞼を閉じる事(まばたき)が出来なくなることにより、涙腺から分泌された涙液が鼻涙管に吸収されず、その涙液が溢れて過剰流涙として現れる」と言われています。しかしSさんの過剰流涙(鼻汁)は、そのまばたきが相当回復しているにもかかわらず、それだけで説明付きにくいほど長期かつ大量に流涙過剰になっていました。

・ですからSさんに関しては「まばたきができないこと」だけが原因しているのではなく、他に何らかの理由で「左涙腺や鼻腺に向かう副交感神経が刺激」されて、その結果流涙過剰、鼻汁過剰になっているのでは、と推定しました。なぜなら、涙腺や鼻腺は副交感神経の刺激で涙液や鼻汁が分泌されるからです。

・その「刺激されている副交感神経」の部位ですが、Sさんの所見と副交感神経の走行を考えると、それは
「大錐体神経(☚副交感神経=涙腺や鼻腺を刺激し涙や鼻汁を分泌させる作用がある)」付近
ではなかろうか、と推定しました。

・その可能性として、耳管半官経由の細菌-炎症が鼓膜張筋半菅-顔面神経管に波及して顔面神経麻痺や自声強調の原因になっている可能性については先述しましたが、同じく耳管半菅の近傍を走行している交感神経性の
「深錐体神経(☚交感神経=涙腺や鼻腺を抑制し涙や鼻汁の分泌を止める作用がある)」
にも炎症が波及し、同神経を変性-麻痺させた結果「深錐体神経=交感神経が抑制」され、その結果、「副交感神経性である大錐体神経の刺激が相対的に増強」し、流涙(鼻汁)過剰になったのでは、と考えました。

・従って、その推定に基づき変性-壊死したと思われる深錐体神経の再生を促し涙腺への刺激を減らす目的で
「翼口蓋神経節緩和テクニック」
を、施術したので、左の過剰流涙・鼻汁が改善していったのではないか、と考えます。
「翼口蓋神経節」は深錐体神経と大錐体神経は合流した翼突管神経が翼口蓋窩で形成する神経節ですので、「翼口蓋神経節緩和テクニック」が深錐体神経の再生に効果を発揮する、と考えました。
 

・上記仮説が正しいのかどうかを確認する術は、私たち整体師にはありません。しかし上記治療方針-整体テクニックの施術以後、急速に過剰鼻汁・過剰流涙が改善しているので、今回の風邪症候群が上記機序により「左翼口蓋神経節」の刺激の引き金になったのでは、と考えます。その先の医学的な確認は、今後の研究課題になると思います。

・ベル麻痺による顔面神経麻痺は早い例では発症から3週間前後くらいに回復が始まり、遅い例では半年以上経ってから回復が始まるなど、その予後がまちまちと言われています。また、不完全な顔面神経麻痺は特段の治療の必要はなく自然経過で治癒する、とも言われています。どちらにしても顔面麻痺の治癒まで数か月以上かかるケースが多い中で、今回のSさんの症例では、ほぼ完全麻痺の状態から発症後1週間目には回復が始まり、後遺症も無く都合7週間でほぼ全治ですので、理想的に治療が進んだのではないか、と考えています。
 
 
 
---------------------------------------------------------------------------

【頭痛・頭重感、集中力低下の治験例】
3年以上続く頭痛
脱力性てんかん
「頭のあちこちが痛みます」患者さんの整体治療
便秘、難聴、および頭がボーッとして集中力が出ない症状の整体治療
慢性頭痛の整体治療
頭痛、眼の周囲の違和感、及び立ち仕事中の意識喪失感(前失神?)と整体治療
整体コラム…自分で出来る「風邪の予防法・初期治療法」銭湯へ直行!!

 

【不眠症・めまいの治験例】
● 不眠症(途中覚醒-熟睡障害)の整体治療
不眠症(入眠困難)の整体治療
不眠症の整体治療
うつ病による不眠症(入眠困難、熟睡障害)と整体治療
眠たさと倦怠感の整体治療
うつ病で睡眠薬を処方されている不眠症患者さんの整体治療
めまい(立ちくらみ)と整体治療
めまいと整体治療
立ちくらみ=起立性低血圧によるめまいの整体治療
歩行時のふらつき(フワフワ感)と立ちくらみ(起立性低血圧?)の整体治療
日常的な身体のだるさ-倦怠感と睡魔(眠け)及び排卵後の頭痛とほてり感の整体治療
歩行時のふらつき(フワフワ感)と立ちくらみ(起立性低血圧?)の整体治療

その他の治験例

 

 

● 治療のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

付属治療室

JHSC整体治療室

●診療時間 【予約制】
 ・午前診…10時~13時
 ・午後診…15時~18時

●診療日
 ・月曜日~金曜日
 (水曜日=午前診のみ)
 ・第2土曜日、第4土曜日=午前診のみ

●休診日
 ・第1土曜日、第3土曜日、日曜日、祝日

●治療費
 ・初 診 7,500円
 ・2回目以降  5,000円
●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F

      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話 06-6180-6880 

メールでのご相談・治療予約はこちら



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

● 本学院-入学のお問い合わせは下記まで

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

2年制整体学校

ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院


次の二つのコースからどちらかを選んで入学して頂けます。

1 本科2年課程 (一般の方が入学するコース)
2 プロコース (鍼灸師、理学療法士などのプロの方が入学かるコース)

 

●住所 大阪市都島区善源寺町1-5-43 アイムワンビル2F
      地下鉄谷町線都島駅 4番出口徒歩2分
●電話  06-6180-6880
●メールでのご相談資料請求体験入学…受付中


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

患者さんが通院される主な地域
大阪市、淀川区、東淀川区、西淀川区、大淀区、福島区、中央区、北区、旭区、都島区、此花区、大正区、東成区、城東区、住吉区、住之江区、平野区、守口市、門真市、寝屋川市、交野市、枚方市、東大阪市、大東市、八尾市、四条畷市、藤井寺市、柏原市、吹田市、豊中市、摂津市、茨木市、高槻市、箕面市、池田市、川西市、尼崎市、西宮市、芦屋市、神戸市、堺市、岸和田市、和泉市、泉佐野市、奈良市、生駒市、京都市、
亀岡市,向日市、長岡京市、松山市、岐阜市、広島市、横浜市、東京都、和歌山市、名古屋市、北海道-札幌市、鹿児島市、島根県