嘔吐や下痢になってアルブミンが下がって
しまうことがよくある。
質問の子も嘔吐下痢でアルブミンが
下がってしまってるようだ。
嘔吐下痢でアルブミンが下がるのは
腸が炎症を起こしていることが多い。
腸が炎症を起こす原因はいろいろある。
食事が合わないが合わなくて
炎症を起こして食事でよくなるのを
食事反応性腸症(FRE)
細菌が原因となって抗生物質で
よくなるのを
抗生物質反応性腸症(ARE)
免疫が原因となってステロイドや
免疫抑制剤でよくなるのを
ステロイド反応性腸症(SRE)
さらに
血液中のタンパク質が少なくなるのを
蛋白漏出性腸症(PLE)
腸のリンパ管が広がって血漿成分が
漏れて出てしまうのを
リンパ管拡張症
腸がリンパ球の癌に侵されるのを
リンパ腫
などがある。
これらのどれが原因でも炎症を起こして
アルブミンが下がることがある。
病気が1つとは限らなくて
食事反応性腸症と
蛋白漏出性腸症があるとか
複数の病気が複雑に絡んでる
ことも多い。
これを診断していくためには
内視鏡検査をして
腸の状態を肉眼的に見るのと
腸の組織検査をする必要があるのさ。
それも胃、十二指腸、回腸、結腸から
それぞれ10か所ずつぐらい
サンプルをたくさん取って病理検査する
ことが大事。
「なぜ」アルブミンが下がっているのか
この「なぜ」がとても重要なのさ。
「なぜ」によって治療も変わるし
対応も変わる。
1番注意しなくちゃいけないのが
リンパ腫。
これは腸の癌だから治療は
抗ガン治療になる。
最初は、ステロイドでもよくなるけど
所詮、癌だからステロイドが効かなく
なって、どんどん悪化していく。
最初っからステロイドが効かなきゃ
いいんだけど
リンパ腫は最初ステロイドが効いちゃう
アルブミンが下がってるから
蛋白漏出性腸症だろうと
内視鏡検査せずにステロイドを
使っちゃうと
1次的によくなったように見えるけど
その後、ステロイドが効かなくなった
ときにはリンパ腫が進行しちゃって
どうにもならなくなることもある。
アルブミンが下がっている時は
「なぜ」アルブミンが下がってるのかを
しっかり調べて
「なぜ」に対する治療をしていくことが
大事だし
統合医療するにしても「なぜ」に
よって何をやるのか変わってくるからね。
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男
腸に関する話
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