17. 「川で遊ぶ!」ということ・・・
1. 2018年8月 広島県にて2018年8月13日広島県三次市にて、今年(6年目)も広島県の子ども達とめっちゃ楽しい川遊びをしてきました。時間を忘れて夢中に遊ぶ!笑顔がはじけて止まらない!川って本当に素晴らしい!しかし・・・この夏は、西日本豪雨により広島県(南部)は多大な被害を受けました。幸い三次市に大きな被害はなかったようですが、そのような状況で川遊びなどやっていいのか?という思いもあったのですが、いつものようにカヤック3台+SUP2台を積んで三次にやってきました。川を知る(川の怖さも含む)には、まずは川で遊ぶこと!そこから全てが始まるのです。だから今年もやって来ました!2. 水害は激甚化している?今年は、新潟に居たので実感はないのですが、今年の豪雨には本当に驚きました。私が(姫路在住)12歳のとき(昭和51年)の17号台風以来の衝撃でした。この時のことは今でも覚えています。台風と前線の影響でまるまる1週間ほど大雨が降り続いたのです、本当に怖かった・・・被害は瀬戸内地方を中心に死者169人、住宅の全半壊流出11,193戸、床上・床下浸水442,317戸と、私が覚えている水害ではもっとも大きなものでした。私が生まれて以降の水害による死者数では、昭和41年の豪雨318人、昭和42年の豪雨371人、昭和47年の豪雨442人、昭和57年の豪雨345人(長崎大水害)と大きな災害がありましたが、17号台風の災害はそれ以上の衝撃がありました。そして、今回の雨の降り方は更にそれ以上だと感じました。本当に、水害は激甚化しているのでしょうか?気象年鑑の気象災害年表を見る限り、水害に関しては平成の30年間は平穏であったと認識しています。インフラ整備がまだまだ脆弱だった戦後の昭和20~34年の15年間の被害とは大違いでなのです。単に死者数だけ見ていくと、S20年枕崎台風死者3756人、S22年カスリーン台風死者1,930人、S28年西日本豪雨死者1,013人、S28年南紀豪雨1,124人、S29年洞爺丸台風死者1,761人、S32年諫早豪雨死者992人、S33年狩野川台風死者1,269人、S34年伊勢湾台風死者5,098人、その後は多くても死者300~400人規模で、平成になると死者100人を超すような被害はなくなりました。伊勢湾台風の教訓が現在の防災(S36年に「災害対策基本法」が成立)に活きているのです。H27年、鬼怒川が氾濫した平成27年9月関東・東北豪雨は、まだ記憶に新しいですが、死者14人、住宅の全半壊流失7,510戸、住宅の床上床下浸水15,654戸と、S51年の17号台風の死者169人、住宅の全半壊流出11,193戸、床上・床下浸水442,317戸などと比較すると、水害が激甚化しているとは言えないのではないでしょうか?戦後15年と比較してインフラ整備が進んだ現在(それでもまだまだですが・・・)、水害が激甚化しているのではなく、激しい気象の変化に社会が対応できていないだけだと思います。西日本豪雨の教訓は、平成の次の時代にきっと活かされるはずです。3. 水害対策はどうなっていくのか?治水は「国家安定の礎」といわれ、有名な「信玄堤」をはじめ戦国時代から盛んに行われていましたが、本格的な河川改修が始まったのは明治時代からです。「明治改修」と呼ばれる日本近代国家の礎となった治水整備事業は、日本の河川と経済社会を根本的に変えました。海と山に囲まれた島国「日本」。特に経済活動において諸外国と比較して、その不利な状況はいかんともしがたいものでした。しかし、「明治改修」によって、河川の氾濫地帯で経済活動ができるようになったのです。当然そこには人が住むようになり、大きな都市ができあがってしまったのです。そこが河川の氾濫地帯であるということを忘れて・・・?川の汚染MAXの私が生まれた昭和39年には、「治水」だけではなく「利水」という考え方が取りいれられ、平成9年にはようやく「治水+利水+環境」になり、それから20年、「多自然川づくり」が盛り上がってきたところに・・・最近の大規模水害連発最近の極端な気象状況と、国土交通省の直轄河川の堤防整備率が7割程度(中小河川や支流はもっと危ない)ということを考えると、日本中の川がいつ氾濫しても不思議ではないといえるのではないでしょうか?我々日本人は土砂災害と川の氾濫地帯で生活しているということをもっと真剣に考えなくてはいけません。水害による死者が多かった昔はみな、水害への意識が高かったはずです。気候が変わった今、土木技術によって守られているという意識を変えて、「水防災意識社会の再構築」に取組む必要がありそうです。災害は必ず発生する!4. 子どもを川で遊ばせよう!おそらく「水防災意識社会の再構築」には時間がかかるでしょう・・・大人は自分が被害に遭わないかぎり、意識は変わらないような気がします。だったら、日焼けや虫刺されなど気にせずに、子どもたちにもっと水に触れさせよう、川へ連れて行こうよ!そして、川にもっと関心を持ってもらおうよ!ライフジャケットをつけて、危険な場所を教えてあげるだけで、子どもたちは自分たちで遊び始めます。我々大人は、危険がないか見張るだけでOK。シュノーケルやマスクだけでなくカヤックやSUPがあれば遊びの幅も広がります。そして、様子をみながら時々、遊び上手な大人が介入すると更に遊びの幅が広がっていきます。あとは楽しい写真ご覧ください。カヤックを真面目に漕ぐものもヨシ!岩から飛びこむのもヨシ!泳いで競争するのもヨシ!SUPの上でこかしあいするのもヨシ!SUPから飛び込むのもヨシ!水の上でただただ漂うだけもヨシ!SUPの上で相撲するのもヨシ!大人がしっかりと行司をしてあげると、盛り上がります!SUP大相撲、今年一番の人気メニューになりました。こいつらは絶対、川では溺れない!そして川に関心をもってくれるだろう・・・5. 川の勉強会(武庫川がっこう)三次の前日(8月12日)は、宝塚の武庫川で川の勉強会+カヤック・SUPの体験会でした。普段、誰も川に近づくことがない都会の川で、親子20数人を3班に分けて、カヤックとSUPを体験してもらいました。私と妻が所有(20年以上まえから捨てずに)している、3人乗りカヤック1台、2人乗りカヤック1台、ホワイトウォーターカヤック3台、ファルトボート(折りたたみ式カヤック)1台、ツーリング用インフレータブルSUP1台、波乗り用SUP1台、ウィンドサーフィン改良SUP1台の合計9台で体験していただきました。5~6年前に開催していた「こども川博士養成講座」に参加していてくれた、子どもたちが大きくなってこのイベントを手伝ってくれました。なんか感慨深いですね~ 時間と体力が許す限り続けていきたいと強く思いました・・・午後は、タマネギカレーを食べてから、武庫川がっこう代表による武庫川の勉強会です。子どもたちは真剣に聞いてくれていました。川を実際に体験したあとなので、頭にもはいりますよね。まずは体験、解説は後で・・・体験学習の基本です。6. 新しい川あそび「パックラフト」台風20号がそれた8/25(土)の朝4:30新潟。しょぼい波(私には丁度いい感じ)でロングボードサーフィンを2時間やってから、群馬県の水上(利根川の諏訪峡)に移動しパックラフトをやらせていただきました。重量が2~3kgでシュラフ程度に折りたためる目からウロコの川旅道具なのです。いつもバックカントリースキースノーボードでお世話になっている「○○小屋」の○ッチーさんに連れて行っていただきました。結婚して子どもができてから20年、危険につき引退していたホワイトウォーター(シーカヤックやSUPのブルーウォーターに移行)。今までやった遊びの中で最も危険だと思っていたので、もうやらないと思っていたのですが、突然「パックラフトええやん!」と思い立ち、水上にやってきました。カヤック経験者とはいえ、20年ぶりのホワイトウォーターでパックラフトに乗るのも見るのも初めてなので少し不安も・・・名前にラフトとつくものの、乗り味はカヤックに近い。そして安定性は抜群で軽いから、電車に乗って、山を歩いて、川を下る、そんな山川旅にぴったりだと感じました。最後は、お決まりの岩からの飛び込み。けっこう高くてちょこっとビビリましたが、好きなんだわ~切り立った峡谷と温泉街のビルの中を下るいう、なんとも不思議な光景なんです。雪解け時は、相当な激流となるそうです。ここはラフティング・リバーSUPなど、ガイド会社による川のアクティビティが盛んで、すごい賑わいです。但し、ほとんどの人が1回の体験だけで終わってしまい、本気で川で遊ぶ人は極々少数派で(私のように)高齢です。今時の若い人はこんな遊びしませんよね・・・○ッチーさんと、どうしたら若い人がこんな遊びを楽しんでくれるんだろうね~なんて語り合いました。 ドボク屋は、ホンモノの自然の中でサーフィン、カヤック、バックカントリースキースノーボード、登山などなど。その中でも道路屋はクルマ・バイク・自転車・ランニング・まち歩き・タクシー乗らずにバスに乗る、そんなライフスタイルで、Goodなインフラを造っていけたらいいですよね!