4-8. もうひとつの点線国道 雪の八十里越①
1. 冬の八十里越夏でも困難な八十里越。冬に越えることができるのだろうか?来年の冬の実現?に向けて調査に入りました。八十里越の歴史については今回は省略します、これまでの記事でご確認を。番屋乗越まで行ければいいのですが、テレマークで行けるところまで行って適当なところでUターンというお気軽なスタイルで山に入りました。山に入るといっても、除雪されていないので長い長い林道歩きになります。現在の国道は北側を通っていますが、旧道の吉ケ平からのアプローチとなります。先に、スノーシューで2人が入っているようです。趣味ではなく業者の人っぽいです。雪崩れの跡が見られるようになってきました。この時間帯、ザラメ雪ですがやや冷え込んでいるので、雪崩れる可能性は低いと思われますが、地形的にかなりヤバいところです。斜面に気を配りながら前へ。2. 撤退 さらに進んでいくと、こんな感じ・・・・・スキーを脱いでつぼ足(スキーブーツ)で進みましたが、もし雪がずりおちたら・・・下は深い谷やし、クラックも怖いし、小さな雪崩れ跡もあるし・・・どう考えてもヤバい、今回の装備では自信が持てない。スノーシューだったら進んだかな?自信が持てないときは、清く撤退です。命を懸けてまで続けるようなコトでもないので・・・次回は時期(雪の状態)と装備をしっかりと検討して再チャレンジですね。スノーシューの2人はこのまま進んでいるようです。ここからドローンを飛ばして状況を確認してみます。上空(真上)からみるとますます前に進みたくなくなります。けっこうヤバい・・・上部の方はかなりグライドしています。この下を歩いてきたのですが、下からではこの様子はわかりません。人が雪崩に巻き込まれる確率は極めて低いのですが、雪崩れるその時間その場所が偶然一致した時に巻き込まれるわけです。そうならないためにも勉強と経験を積まなくては・・・3. 大規模な雪崩進行方向にドローンを飛ばすと、下の川を塞ぐほどの大きな雪崩跡が・・・かなり勢い良く雪崩れた感じで、こんなのに巻き込まれたらまず命はありません。こわっ!新潟で発生する全層雪崩は、グライド速度が1cm/1日なら危険なし、1cm/1時間なら注意が必要、1cm/1分なら危険という報告があります。個人的には、積雪内部にすべり面がある表層雪崩より、危険度の判断がしにくいと思っています。雪崩教本などでは何の前兆現象もなく発生する表層雪崩は予測しづらく、スキースノボーダーが巻き込まれる雪崩はほとんどが表層雪崩であると書かれています。確かにその通りだと思いますが、数日間の気象状態と地形で判断して、あとは直感で何かを感じるだけで表層雪崩のリスクを回避できるのではないかと思います。全層雪崩も同じようなことですが、積雪が安定しているだけになんとなく気持ち悪いということが、判断に影響を与えるのかもしれません。とにかく、勉強と経験を積んで慎重に行動することが大切です。クルマを止めた方向を見てみます。危険なところに居たということが、ドローンの画像でわかりました・・・・・地上では感じない、不思議な風景です・・・・・4. 大谷ダム旧道の北側にある現在の国道289号は、大谷ダムで除雪が終わっています。この大谷ダム、高さ75.5mのロックフィルダムで、治水と上水道の役割を担っている多目的ダムです。平成16年7月の新潟・福島豪雨はまだ記憶に新しい。、新潟県内を過去最悪の集中豪雨が襲い五十嵐川・刈谷田川が氾濫し三条市等流域の14,300戸が浸水するなど大きな災害となりました。この時、大谷ダムは役にたったのか?本日(3/10)、平成24年度から進めてきた五十嵐川災害復旧助成事業の竣工式典が三条市下田体育館で実施されていました。最後の画像は、ダム側から八十里越旧道方向の写真です。今後、雪の八十里越どう攻めていくかじっくりと考えていきましょう。本日はこれにて終了。