1. どんだけあんねん、村上市のまつり
新潟には「新潟手帳」という手帳があります。
その手帳には新潟の季節イベントや観光情報がのっているので、単身赴任でやって来たよそ者には便利なのです。
この手帳で祭りを調べていたら、やたら村上市の祭りが多いんです。新潟県は神社が日本一多いので祭りも数もおそらく日本一でしょう。しかし、やたら村上市がでてくるので思わず「どんだけあんねん!」と一人突っ込みをしてしまいました。
新潟手帳から
①3/1~4/3 第19回城下町村上 町屋の人形さま巡り
②4/3 大須戸能定期能
③4/28~4/29 古館城跡桜花祭
④5/1~5/31 第4回城下町村上春の庭百景めぐり
⑤5/20 第31回お墓場茶会
⑥7/7 村上大祭
⑦7/6 岩船七夕まつり
⑧7/15 大須戸能薪能
⑨8/16~8/17 村上七夕まつり
⑩9/4 瀬波大祭
⑪9/8 はこ堅八幡宮大祭
⑫9/15~10/15 第18回城下町村上 町屋の屏風まつり
⑬9/20 塩谷大祭
⑭10/6~10/7 第17回宵の竹灯篭まつり
⑮10/19 岩船大祭
⑯11/11 第19回鮭魂祭
⑰12/1~12/20 第15回越後村上鮭塩引き街道
その他パンフレットから
①あらかわ夏まつり(獅子踊り・神楽舞) 7~8月
②あらかわ大祭8月
以上 意外と歴史の浅い祭りが多いのです。(第4回とか15回とか17回とか18回とか19回とか・・・)
この時代に新しい祭りを定着させてしまうという・・・このまち、凄い!
秋の夜に7000本もの竹にろうそくを灯し、太鼓の演奏で開幕します。
黒塀通りで琴や三味線・尺八などの和楽器やピアノ・フルートの演奏で幻想的な雰囲気を醸し出し、少し離れたところではバンドの演奏もあるなど、光と音のお祭りです。
まだまだメジャーなお祭りではないようで、人出も丁度いい塩梅でした。
商業的な匂いのする京都の花灯篭には規模でかなわないかもしれませんが、路地や町屋で行われている演奏会はほんとにいい雰囲気でした。古い町屋が多く残っている村上だからこそ、できるまつりなのかもしれません。
これの製作はたいへんなようで、多くの方々の汗の結晶だと思います。
村上市のような地方への移住は難しいと思われますが、このようなイベントがたくさんあれば比較的溶け込みやすいかもしれませんね。
2. 「みち」と「まつり」
意外と「みち」と「まつり」について書かれている文章をみることがありません。
というか見たことがありません。そんなのあたり前だから?でしょうか・・・
道路の専門雑誌「道路」のバックナンバーを探してみても「みち」と「まつり」について書かれた特集はありません。
よくよく探してみると、2011年8月号に「道路の楽しい使われ方」という特集がありました。
最初の記事は、「博多どんたく」です。明治通りを2日間合計で11時間も通行止めにして200万人もの人を集める国民的イベントです。
広い道路なくしてはできないイベントで、経済効果も抜群です。
有名な祭り、祇園・ねぶた・阿波おどり・山形花笠・よさこい・秋田灯篭・郡上おどり・盛岡さんさ踊り・岸和田だんじり・越中おわら風の盆など道路を使うことが多く、その都市のシンボルとなっています。その道路は祭りのためにつくったわけではないのに、やがて祭りが道路をつくりかえていくのかもしれません。また、マラソンや自転車ロードレースなどの道路を使ったイベントも祭りとして捉えることができ、そのイベントに合った道路改良や舗装が施工されることになり、道路が変わっていくのだと思います。
竹灯篭の幻想的な使われ方が、道路照明のあり方等の道路の変化や新しい価値やコミュニティを生み出すかもしれません。
いずれにしても人と人とがやさしい気持ちでふれあえるような道路になっていけばいいですね。
世の中はICTでイノベーションを・・・と騒がしく、私もそれら情報収集と業務化に邁進しているのですが、このような手づくり感のあるやさしい感覚の道路のあり方も考えていかなければなりません。ICTを上手に使うとともに、人にしかつくることのできない特別な感覚も大切にしたいと思いました。 夕暮れの村上市にて・・・