花嫁修業3
真澄が暮らすホテルの部屋にマヤは何度も泊ったことがある何度もあるのに慣れない部屋に入るとすぐに真澄が抱きしめてキスをしてくることもわかっているのに顎を引いてしまう踵が壁に当たる壁に押し付けられるように真澄の胸に閉じ込められる愛してる何度も、何度も囁かれる優しい声上着の中、腕を背に回すと彼の唇が頬に触れ、耳に向かう「は、、はや、、、速水さん!」声を上げても、真澄はとまらないマヤが真澄の背中に回していた腕を前に戻して、少し押すとかえって強く求められる「もう!速水さんったら!」ぐっと力を込めて胸を両手で押すと笑いながら真澄はマヤを開放するルームサービスを頼んでやるといっても、遠慮してお腹がいっぱいだという風呂に一緒に入るかっといえば、「えっち!」と真っ赤になって噛みつかれる彼女に先に風呂に入ることを勧めてタブレットで仕事のスケジュールを確認しながら、グラスに氷と酒を入れる紫織さんとの婚約破棄まで、半年かかった半年で済んだ先が見えないなかで、マヤに期待を持たせることもできず連絡も取れなかった日々今は、食事に誘い、そのまま一緒に部屋に帰れるそう、帰れる紅天女の試演後、すぐに劇団月影に寮を用意した麗君やさやか君もそれぞれ、仕事が増えつつある共同生活もそろそろ終わりにしてそれぞれの部屋を用意するにはいいころだ速水の家に戻る気にもならず、ホテル暮らしを続けてきたのは独りならば、居を構える必要もないところだがマヤと一緒にいたい毎日会いたい例え、深夜に帰宅したとして眠るマヤの寝顔と息遣いの中、体を休めたいそんなことを考えているとバスルームからドライヤーの音がかすかに聞こえてくるバスルームの引き戸に手をかけノックもしない自分に苦笑しながら中に入れば鏡越しにマヤと目が合う「お先に」っとぶっきら棒に言って後頭部から風をあてて、髪で自分の顔を隠す彼女服を脱ぎながら鏡越しに彼女を見てもこちらを見ないようにしている何もかもが可愛いバスローブを着て、髪を乾かし部屋に戻ると、ソファーでくつろぐマヤがタブレットで何かを見ているミネラルウォーターのボトルを開けながら後ろから体を重ねると今日内見にいった間取りが目に入る「今ね、麗とラインで話してたんだけどこの部屋なら2人で暮らすのにいいんじゃないかって」「独り暮らしの部屋のはずだが?」「ねぇ速水さん、麗と2人暮らしでもいいよね」振り返るマヤに顎を引いて真澄は、マヤの隣に座り直す「ずっと麗と一緒に暮して来たし、これからだって!独り暮らしする理由がないから、、その、、麗と一緒がいいのだめ?」「独り暮らしが寂しいなら、俺のところで暮らせばいい」「え?」「今、部屋を探してる」マヤの瞳がかすかに揺れる「大丈夫、速水の屋敷の女中頭の芳野に新居の家事を任せる話はできてる掃除も洗濯も、食事の準備も心配ない、、ん?」まっすぐで心を奪われる瞳が吊り上がっているのに気づいて慌てて何か言おうとするが間に合わず「なによ、それ 私が家事ができないの前提じゃない!そりゃ、、、家事は、その、、苦手っていえば苦手だけどこの前も洗濯機まわしただけで、全部ピンクになっちゃ、、でも、、でも!」見る間にマヤの目に今にもこぼれそうなほど涙がたまる「だから、適材適所そう、適材低所だ、、、君に家事ができるとは思っていな、、、え?」女心など分からない真澄は、墓穴を掘る「うーーーーー」うなり声をあげて、見上げる目が怒ってる「もう寝ます、おやすみなさい」っと言い捨てて寝室に向かうマヤの後ろ姿を呆然と見つめ、喧嘩になって深夜に帰ると言い出した時のことを思い出し真澄は、怒っていても同じベットで寝ることができる関係になれたことに安心していた真澄は、酒を少し飲み、寝室に入ると広いベットの隅ですでに寝ているマヤを薄暗がりの中みつけ控えめなため息をついた