今夜は、いつもより真澄の帰りが遅い。
芳乃も部屋にいない。
寝室からリビングへ、隣の真澄の書斎を出れば廊下のはずだ。
初めて、部屋を独りで出ようとドアに手をかけると
外から鍵がしめられていた。
どういうこと?
何で外から鍵がかかってるの?
待って、、、窓
窓もあかない。
真澄が帰ってた。
廊下で誰かと話しながら近づいてくる音をきき、
マヤは慌てて寝室へ戻った。
いつも通り、真澄はただいまのキス
マヤをハグする。
「今日は何かあったの?」
「すまない、ちょっと仕事でトラブルがあってね、大したことではないんだが」
真澄のスマホが鳴る。
「すまん」チュッとキスをして
スマホに出ながら隣の部屋へ行く真澄の背中を見ながら、そっと扉へ向かう。
カチャリ、、開いた。
廊下、、、鏡はどこ?洗面所はどこ?
眩しい、廊下の照明なのにどうしてこんなに眩しいの?
マヤは眩しさから腕で光を避けて進む。
マヤはフラフラと廊下の窓に引き寄せられる。
外は暗く、廊下の照明で窓ガラスが鏡のようにマヤを映す。
頭部の包帯に手をかけた。
ハラハラと包帯が外れかけたところで
「何をしている」真澄の低い声がした。
次に気づくと、自分のベットにいた。
真澄が心配そうに手の甲を摩っている。
「マヤ、、気分は?」
「速水さん、、、私、、」
「廊下で貧血を起こしたんだ。
独りで部屋から出るな、
用が有れば呼び鈴を鳴らせばいい。
いいね、今日みたいに貧血で倒れて怪我でもしたら大変だ。
部屋から出るな、いいね」
「どうして、、鍵」
「すまなかった。
君に危険があってはと心配なんだ。
必要な物は何でも揃えてやる。
そう、俺の仕事も
もっと外出を減せるようになるから
君のそばで、必ず守ってやる。
誰からも、守ってみせる。
マヤ、、、愛してる
俺の宝物、、、」
キスをしようと近づく真澄にマヤが強く首を振る。
「私の顔の傷、どうなってるんですか?
どうして見せてくれないの?!」
「君が元気になったら手術をする。
なぁ、マヤ、、今、必要はない」
「相当酷いんですか、ねぇ!速水さん、教えて」
「知る必要はない。
マヤ、君が元気になったら、手術をしよう。」
マヤの手をとり、指先にキスをする
「そうじゃなくて!傷はどうなってるの?!」
「傷がどうであれ、危険があるうちは
外には出さない。
危険なんだ。
誰が君を連れ去るか、
誰が君を傷つけるかわからないうちは
外に出さない。
傷にことは考えなくていい」