「真澄様!」

体を掴まれ、床に叩きつけられるが体に痛みはない。
「何をなさってるんですか!
あなたがこんなことをして、
マヤ様が喜ぶとでもお思いですか!」

聖に頬を殴られても痛みを感じない。
鉄の味が口に広がる。

手の甲で口端を拭い
また、、、ふらりと立ち上がり
フェンスに手を伸ばす。

「おやめください、お願いです!
マヤ様をお一人にするおつもりですか!」


「するものか!
マヤをひとりになどしない
一緒に!!マヤと一緒に逝くんだ!
離せ!
離してくれ!」

騒ぎにスタッフが駆けつけ、暴れる真澄は拘束され

強制的に肩に注射を打たれて、力が抜けるまで抑え込まれた。



真澄が目覚ますと病室のベットだった。
頭痛がする、手首が痛い。

徐々に意識がはっきりすると
少し離れたベットにマヤがいた。

動こうとして、自分がベットに拘束されていることを知る

看護師が色々と質問をしてくる。
医師が代わり、また同じ質問をする。

ベットに腰掛け、医師越しに少し離れたベットの上のマヤを見ていた。

「マ、、、ヤ」

医師が更に質問してきたが、構わず真澄はマヤの元へ向かう。真澄を抑えようとした医師の動きが止まった。

マヤが瞬きをし、苦しそうにしたのだ。
意識が戻った瞬間だった。

マヤの額に自分の額を寄せ、涙を流す真澄を誰も止めなかった。





速水邸の廊下を進む。
「会長、遅くなりました。水城でございます」

「それで、マヤの容態は?」

「意識も戻り、安定しております
とはいえ、脳に損傷を負っておりますので
1日の大半、眠っていますが、医師によれば
回復は順調のようです。」

「真澄は?」

「マヤさんのそばを離れません」

「そうか」

「脳の損傷については、運動機能に障害が残る恐れがありますが、それもどの程度かは、、」

「真澄の仕事については、わしが代わりに決裁をする。
他は、水城君、君の助けが必要だ
真澄を助けてやってほしい。」

「畏まりました」

水城が去ってから、英介はある部下に電話をした。
「いいか、秘密裏に動け。」