マヤは、右目と口元だけが少し見えるものの、頭部は包帯で覆われていた。
うっすらと開いた目
問いかけに、瞬きで答える。
「愛してる」
意識が戻ったマヤが初めて聞いた言葉だった。
全てを捨てても聞きたかった言葉
命を引き換えにしても守りたかった真澄の言葉
眠っている時間が多いが
脳の損傷もなく、少しずつ、少しずつ
マヤは回復していった。
「速水さん、ご飯たべて」
「速水さん、ちゃんと眠って」
マヤが言うと真澄は食事を摂るようになり
眠るようになった。
当初、真澄はベット脇の椅子から
マヤのベットに突っ伏して寝ていた
マヤの体からカテーテルが抜かれた夜、
マヤが遠慮がちにいう。
「速水さん、、、あの
ベット広いし、あたし、、ちっちゃいから
横、、、ここ、、」
「ここに?入れてくれるのか?」
とても嬉しそうな真澄にマヤは頷いた。
その夜から、朝まで病室に鍵をかけ一緒に眠るようになった。ただ、隣で眠る。
薬で一日の殆どを眠るマヤ
眠るマヤにそっとキスをする
これ以上は何も望まない
「速水さん、お風呂はいった?」
「ん、、、、臭いか?」と真澄が慌てた時には
事故以来初めてマヤが少し笑ったように見えた。
「速水さん、お仕事は?」
マヤが眠っている間にメールで仕事をする。
大都芸能の仕事は水城に任せ、大都芸能の親会社である株式会社大都で投資の仕事をメインにした。
元々、ビジネスの才覚がある真澄の手腕で業績は過去最高となった。
同じ部屋にいる
手に触れると温かい
子供の頃、英介がおもちゃを買ってくれた。
それで遊んでいると速水の遠縁子供達が嫉妬して無茶苦茶に壊された
大切なものは、守らなければ
守れないものなど要らない
弱みになるようなものは要らない
しかし、真澄はマヤに出会った
何からも守りたい、、、マヤを愛してしまった
それが弱みになるなら、誰にもそれが弱みとわからないように隠さなければ
誰もマヤを傷つけないように
マヤを奪われらいように
隠さなければ