$映★画太郎の MOVIE CRADLE


J・J・エイブラムス監督、クリス・パインザカリー・クイントベネディクト・カンバーバッチカール・アーバンゾーイ・サルダナサイモン・ペグピーター・ウェラー出演の『スター・トレック イントゥ・ダークネス』。

2009年公開のリブート版『スター・トレック』の続篇。



2259年、ジェームズ・T・カーク(クリス・パイン)は未開の惑星において宇宙艦隊のルールを破ったとしてエンタープライズ号の艦長を降格となる。おなじ頃、ロンドンではジョン・ハリソン中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)によるテロが発生。そして艦隊本部もねらわれる。カークはふたたびエンタープライズに乗り、宇宙に逃亡したハリソンを追う。


ジーン・ロッデンベリーによって生みだされ、1966年からTVで、また79年からは劇場作品としてもつづいてきたシリーズをリセットして、オリジナル版(The Original Series)のリメイクのような形ではじまった2009年版から4年。

以前『ライフ・オブ・パイ』をIMAXで観たときにこの『イントゥ・ダークネス』の一部を特別上映してて、カークやマッコイたちが未開の惑星の原住民たちに追っかけられて崖から海に飛び降りたり、スポックが溶岩のなかで危機におちいっていたり、ベネディクト・カンバーバッチが「では、はじめようか」と言ったりしてたけど、正直いうとたいしてそそられませんでした。

3Dも「なんちゃって」っぽくてあまり立体感もなかったし。

でも公開が近づくとすでに海外や試写で観た人たちには評判は悪くないようで、特にカンバーバッチのファンのおねえさんたちが「缶バッチ、ステキー!!ヘ(゚∀゚*)ノ」とかまびすしいことこのうえない。

ベネディクト・カンバーバッチは、僕はBSでやってた「シャーロック」ではじめてその存在を知って、その後映画ではスピルバーグの『戦火の馬』のイギリス軍将校や『裏切りのサーカス』のMI6職員などで見ていたけど、「面白い顔の俳優」ぐらいにしか思ってなかったのが、なんだかちまたでは大人気のようで。

たしかに彼の低い声はとてもセクシーですが。

映画の公開前の来日時には着物姿も披露してましたね。

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ところで、おなじエイブラムス監督が撮った前作なんだけど、僕は劇場公開以来観なおしていないのでストーリーを完全に忘れてて、新作の前におさらいしておこうと近所のレンタル店に行ったらなんと置いてなかった。

しかもこれまでの旧シリーズも1本もないのだ。

つまりその店にはスタトレが存在していなかった。

…マジか!?と愕然とした。

せめて2009年公開版ぐらいは置いておこうよ(>_<)

今回の2作目がDVDになったときに前作が見当たらなかったら、ほかのお客さんだって「なんで?」って思うでしょ。

TS○TAYA○○店さん、いまからでも遅くないから仕入れたらどうですか?

しかたないので映画を観たついでに寄ったタワレコやほかの店で探してみたら、2009年公開版はあったけど、ほんとに観たかった古いシリーズの方は単品では売ってなくてBOXのみしか置いておらず、3万近い金額。

そんなのホイホイと買えるほど裕福じゃないんで、断念。

しかし、DVDでスタトレを気軽に観られないなんて異常事態だな。

これまではどこのレンタル店にもふつうに置いてあったのに。

レンタルなら100円で借りられるのになんでわざわざ買わなきゃいけないんだ、別にめずらしい作品でもないのに、と思ったら腹が立ってきた。

そんなわけで4年前の前作すらまともに復習もしないまま、最新作を先行上映の2D字幕版で鑑賞。


で、観終わったあとの率直な感想。

F・U・T・S・U。ふつう。

すげぇ面白かったぁー!!ヘ(゚∀゚*)ノと特別アガるわけでもなく、かといって超つまんなかった!!ヽ(`Д´)ノというわけでもなく。

まぁ、3DやIMAXとかで観たら、より臨場感があってもっと楽しめたかもしれないけど。

逆にいえば、「スタートレック」という作品に過剰な思い入れがない人たちには「ふつうに」楽しめる、ということかも。

「缶バッチが、缶バッチが」とうわ言のように言ってるおねえさんたちがいっぱいいるので、さぞカンバーバッチ無双みたいな場面が目白押しなんだろう、と思ってたんだけど、そしてたしかにカンバッチさんは銃で敵を殺しまくったり宇宙を飛んだり地球にもどってスポック君と追っかけっこしたりしてはいるんだけど、想像してたほどの悪役ぶりを発揮してたわけでもなく。

よく考えると、彼が演じたハリソンさん(仮名)ってけっこう気の毒な人だったりするし。

でも、バッチ(略しすぎ)のファンの人たちにとってはそれでもご馳走だったのかな。

パシフィック・リム』における世の“腐った”おねえさんたちの祭り状態を見るにつけ、僕なんかが想像してた以上にBL的な需要というのはあるみたいで、この『イントゥ・ダークネス』ではもうあからさまにカークとスポックが「そういうふうに」描かれている。

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エンタープライズにあらたに女性の技師を乗せることにしたカーク船長に、副長のスポックは「わたしを差し置いて?」って感じでプンスカするのだ。

残念ながら僕はそちらの方面への関心がきわめて薄いので、できれば主要キャストにはもっと女性がいてくれたらなー、と思いましたが(まるでとってつけたように女性クルーが下着姿を見せるシーンがあって苦笑)。


さて、ここからしばらく旧「スタートレック」シリーズについて書いていくので、過去のシリーズに興味がなくて『イントゥ・ダークネス』の感想だけ読みたいかたはどうぞ飛ばしてください。

「スタートレックって一度も観たことない」というかたや、旧シリーズのお薦め作品を探してるかたの参考にでもなれば。


…宇宙、それは最後のフロンティア。

日本タイトル「宇宙大作戦」こと「STAR TREK」の最初のTVシリーズを初めて観たのは20年ほど前に大阪に住んでた頃の再放送(一時間の番組を毎週30分に分けて放映してた)でだったんですが、その時点で映画版はすでに何本か観ていました。

ちょうどジャン=リュック・ピカード艦長(「X-MEN」シリーズのプロフェッサーX役でおなじみパトリック・ステュワート)が活躍する「新スタートレックThe Next Generation)」が日本で放映されてた頃。

これとスピンオフ作品の「ディープ・スペース・ナイン(DS9)」はよく観てました(その後のシリーズは残念ながら未見)。

だからオリジナルである最初のシリーズ(TOS)のカーク船長やミスター・スポックをはじめエンタープライズ号のメインクルーたちもおなじみといった感じで、熱狂的なスタトレ・ファン“トレッキー(またはトレッカー)”ではないけれど、90年代から2000年代にかけてはTVと映画館でシリーズにふれてきました。

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「宇宙大作戦」と「新スタートレック」

「宇宙大作戦」のあのテーマ曲は、福留さんが挑戦者たちに「ニュ~ヨークへ行きたいか~!!」と呼びかけていた「アメリカ横断ウルトラクイズ」で使われてたけど、当時は知らずに聴いていた。

アメリカ横断ウルトラクイズ・ヴァージョン


個人的には、この「新スタートレック」のテーマが一番なじみ深いです。



映画版で好きなのは、リカルド・モンタルバンがカークの宿敵を演じた2作目『カーンの逆襲』とその続篇『ミスター・スポックを探せ!』。

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『カーンの逆襲』でカーンを演じたリカルド・モンタルバン。『スパイキッズ』のおじいちゃんです。

3作目では敵のクリンゴン人を『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の“ドク”ことクリストファー・ロイドが演じてました(『バック~』ではマイケル・J・フォックスが防護服着て「わたしはヴァルカン星から来たダース・ベイダーだ」と言って中指と薬指を離すサインをしてる)。

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そういえばJ・J・エイブラムス監督による前作では、主要キャストよりも知名度があるウィノナ・ライダーが「なんでこの人が?」というような役で出てたんでちょっとビックリしたおぼえが。


旧シリーズのなかで一番のお気に入りは、TOSオリジナルメンバーが揃って登場する最後の作品、6作目の『未知の世界』。

『スタートレックVI 未知の世界』(1991) 監督:ニコラス・メイヤー 出演:ウィリアム・シャトナー レナード・ニモイ デフォレスト・ケリー ジェームズ・ドゥーハン ジョージ・タケイ ウォルター・コーニッグ ニッシェル・ニコルス キム・キャトラル クリストファー・プラマー



TOS放映当時は惑星連邦の宿敵だったクリンゴン帝国、そのモデルであったソヴィエト連邦が崩壊した時期に作られて、感慨深く観ました。

ジェームズ・T・カークのTが「タイベリアス」の略だと知ったのもこの作品。

「スタートレック」では、登場する星やそこに住む民族の文化に現実の世界の国々のイメージが重ねられていたりして政治劇としての面白さもあり、ほんとかどうか知らないけど、たとえばスポックの出身地ヴァルカン星のモデルは中国とか、そうするとヴァルカン人によく似た好戦的なロミュラン人(着物みたいな服を着てたりする)は日本人、あるいは北朝鮮あたりをイメージしたのだろうか?などと想像を巡らせるのも一興。

少なくともファンにとってはカークもスポックも実在した歴史上の人物みたいな存在で、カーク船長の死もすでに過去の映画で描かれている。

「宇宙暦」は日本製某ロボットアニメの「宇宙世紀」に(その前にあの“宇宙戦艦”もありますな)、いい歳していまだに登場人物の台詞を唱えて悦に入ってる人々(俺もだが)がたくさんいたり、キャラ萌えヤオイ要素もふくめて影響大。

だからキャストが一新された新生『スター・トレック』にオリジナル版で○○○○を演じた俳優がおなじ役で登場したりするのは、スタートレックの「歴史」を知ってる観客には嬉しいサプライズだったりするわけで。

今回のJ・J・エイブラムス監督による新生「スター・トレック」シリーズはそれだけで単独のSFアクション映画としてじゅうぶん愉しめるとはいえ、やはりいままで作られた作品に少しでも触れておいた方が、物語の要となるカークとスポックの友情などがわかってより深い感動が味わえるんではないかと思います。

特に上記の劇場版2・3・6作目、そして次世代クルーとカークが出会う7作目の『ジェネレーションズ』あたりを観ておくとリブート版にもよりハマれるんじゃないでしょうか。

別にこれらを観なきゃあたらしいシリーズの世界観やストーリーが理解できないわけじゃないし、「そんなヒマ無ぇよ!」と言われれば無理には勧めませんが。

まぁよけいなおせっかいなんで、気が向いたらどうぞ。

ただし、せめて2009年の前作は未見ならば観ておいた方がよいかと。




でないと、今回は中盤で説明もなく「この人誰?」という人物が唐突に登場するので。

いや、前作を観てても唐突だったけど。

アレ?前作のみのサプライズじゃなくてレギュラー出演なのか?と。

さて、すでにだいぶネタバレしちゃってますが、以降はさらにストーリーの核心部分についての記述がありますので、未見のかたはご注意ください。



この作品の予告を観たとき、「わたしは帰ってきた」という台詞をカンバーバッチが言ってたような気がして、なんか聞き覚えのあるフレーズだなぁと思った。

なんとなく、さっき好きな作品としてタイトルを挙げた『カーンの逆襲』が思い浮かんだので。

で、実際に観てみるとやはりこの『イントゥ・ダークネス』は『カーンの逆襲』のリメイク的な作品だった。

カンバーバッチが演じる男が名乗っていたジョン・ハリソンは偽名で、ほんとうの名はカーン。

彼は300年前に遺伝子操作によって生みだされた“優生人類”であった。

カーンがロンドンでテロ行為をおこない、そして艦隊本部を襲撃してカークの恩人ともいえる人物を殺害した理由、それは「復讐」だった。

こうしてカーンを追ったカークとエンタープライズのクルーたちは、宇宙艦隊内の陰謀によって抹殺されそうになる。


提督役でピーター“ロボコップ”ウェラーが出演。

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しわだらけのおじいちゃんになっててちょっとビックリ。

たしかに20数年も経てば人は老いるけどな。


『カーンの逆襲』からはカーンをはじめ登場人物の名やさまざまなアイディアが引用されてはいるものの、作品の内容自体はまったくの別物になっている。

ここ数年、ハリウッドではバットマンやスパイダーマン、スーパーマンなどがリブートされているけど、この新生「スタトレ」もその1本といえる。

だからこれまでのシリーズのお約束に縛られずに済むので、新規の観客を呼びこむにはいいかもしれない。

僕自身は最初はとても抵抗感があったんだけど、最近は別ヴァージョンとして楽しめるようになってきました。

もっとも、リブートされた作品で満足できているものはそんなになくて、たとえば『アメイジング・スパイダーマン』はけっこうクソミソにケナしてしまってます(続篇が公開をひかえていますが)。

それは以前のシリーズとくらべてどうこう、というのもあるけれど、単純に1本の娯楽作品として疑問点がいっぱいあったから。

で、新生「スタトレ」の前作はふつうに楽しめた記憶があるんだけど、でも内容をほとんどおぼえていないということは、つまりさほどインパクトがあったわけでもない、ということなのではないか。

なんか地表にむかって飛び降りるシーンがカッコよかったとか、その程度の印象で。

僕はJ・J・エイブラムスの監督作品は『Mi:III』からずっと劇場で観ていて、特に『スーパーエイト』はけっこう好きだったりもするんだけど、一方でまだ「これぞ」という決定的な1本に出会っていない。

この『イントゥ・ダークネス』がその1本になりえたかというと、そうではない、というしかない。

『スーパーエイト』にもシナリオに「?」という部分がかなりあったように、この最新作にもどうも不可解なところが多い。

まず、宣伝などでは「人類の愛」がどうこうみたいなこと言ってるけど、そんなの劇中で言ってたっけ。

どこに「愛」などという要素があったんだろう。

また、カンバーバッチが悪役を演じる、というのは公開前から知られていて、これまたいろんなところに「世紀の悪役」みたいに書かれてたけど、僕には彼が演じたカーンがそれほどスゴい悪役には見えなかったんだよね。

僕が映画を観に行ったシネコンのフリーペーパーには「地球の破壊の危機」とか書いてあったけど、カーンがやってたことってテロや宇宙への逃亡程度のことで、たしかに通常の人間よりも腕力や知力は優れているようだけど、人類の存続を脅かすまでの危険人物としては少なくとも映画のなかでは描かれていない。

最後に捕らえられたカーンは殺されることなくふたたび人工冬眠に入る。

では、今後、あるいは次回作で彼が復活してついに人類を滅亡へと追いやろうと画策するのだろうか。

ともかくですね、みなさんが「缶バッチの悪役ぶりにしびれる」とのたまうほどの大悪党には見えなかったんですよ、まったく!!

たしかにバッチさんの低い声は聴いてるだけでいろんなところが潤んできそうですが、具体的に彼がなにをやらかそうとしてたのかよくわかんないのだ。

自分をハメた艦隊の提督を殺して宇宙船を町に墜落させた。それ以外になにやったっけ?

また、カーンはなぜ惑星連邦とは敵対関係にあるクリンゴン帝国の母星である惑星クロノスにいたのか。

しかも彼はクリンゴンと手を組んでいたわけではなく、クリンゴンの兵士たちを次々と撃ち殺して彼らの戦闘機バード・オブ・プレイまでをも撃墜してカーク一行を救う。

そもそもカーンは人質に取られた仲間たちを殺されたと思いこんでいたが、彼らは生きていた。

とんだ勘違い。

そして今度は光子魚雷のなかに入れられた仲間たちをカークたちから取りもどそうとしたら、ホンモノの魚雷を撃ちこまれて宇宙船大破って…アホじゃないですか?

どこが優生人類なんだ、と。


だから、考えれば考えるほど、ストーリー自体はどーだってよくて、とにかく缶バッチさんがしゃべったり動いたりしてくれたらそれでいいのだ。

だったらバッチにあの低音ヴォイスでもっとしゃべらせてもよかったのでは?

これだけ大人気のカンバーバッチにカリスマ性バッチリの大悪人を演じさせる、というのが今回のねらいだったんだろうから、もっともっとカークたちと言葉による応酬を見せてほしかった。

たしかに宇宙船から宇宙船に飛び移るシーンではなんだか頼りがいのある人みたいになってたし、地球にもどってからのスポックとの殴り合いは、まるでベッドでくんずほぐれつしてるようでもあった(ウホッ)。

だけど、だけど、やっぱりフィクションのなかの“悪役”ってもっと豪快で狡猾で雄弁であってほしいと思うのは僕だけだろうか。


あと、冒頭でインド人夫婦の娘の病気を治してやるかわりに父親に自爆テロを実行させる、というくだりも、あれ必要だったのか?と。

なんでわざわざあんな陰惨な場面にしたのか。

オリジナル版のカーンのフルネームはカーン・ノニエン・シンというインドっぽい名前で、設定でもアジアか中東出身ということになっているらしい(演じていたモンタルバンはインド人には見えなかったが)ので、なにかそこと関連付けたのかもしれないけど意味がよくわからなかった。

僕はてっきりインド人の少女とカーンにはなにか深いつながりがあるんだと思ってたんだけど、病気の少女の話はその後の展開にはまったくからんでこない(“カーンの血液”がクライマックスへの伏線になっているのはわかるんだが)。

そしてあとはひたすらカーンとカークたちの追っかけっこだけがつづく。

お話としてはおそろしく面白味がない。


冒頭といえば、あの未開の惑星からの脱出行も本筋とは関係がない。

溶岩にかこまれたスポックの命をカークが救うか見捨てるか、という場面だが、それが終盤でのカークがみずからの命を犠牲にしてワープコアを修復する場面に呼応しているようで、まるでしていない。

冒頭の場面は自己犠牲とは関係がないし。原住民にバレるかどうか、というだけの話で。

なんかそれっぽい場面を入れてはいるんだけど、お話がぜんぜんつながってないんですよ。

インド人の父親が娘の命と引きかえにテロをおこなったり、宇宙船の船長が仲間たちを救うためにみずから被曝したりするのを「愛のため」みたいに言われてもちょっと納得しがたい。

被曝のくだりは『カーンの逆襲』でのスポックの役割をカークにかえただけだし。


何度も言うけど、お話なんてどーでもよくて缶バッチをカッコよく描きたいだけなんだったら、もっとほかの方法があったのではないか。

もう観てるうちに彼がなにに対して復讐しようとしてるのかもよくわかんなくなって、正直どうでもよくなってきてしまった。

懐古厨ですいませんが、これなら『カーンの逆襲』を観てよ。

それか僕が大好きな『未知の世界』の方が、上映時間はもっとタイトでお話も二転三転してよっぽど面白いから。

最新作はVFXとか3D技術とか、そういうのはそりゃスゴいのかもしれないけど、ヒドく拙いストーリーだったな、と思いました。

それと、『アメイジング・スパイダーマン』がそうだったように、1本の映画のなかで話が完結せずに「次につづく」ってのをやるのは卑怯だと思う。

J・J・エイブラムスはまさにその権化みたいな人だけど。

130分以上ある映画見せて「さらにつづく」って、バカにすんのもいいかげんにしろよ、と。

ほんと最近そんなんばっかですよね、『ワイルド・スピード』もそうだったけど。

だからなるべく大きなスクリーンで観れば、『ワイルド・スピード』みたいに楽しめるんじゃないですかね。

そしてカークとスポックが仲違いしたりヨリをもどしたりするのを観て萌えると。


なんか悪口みたいな感想になってしまったので「え、つまんなかったの?」って思われるかもしれませんが、いや、最初に言ったように「ふつう」でしたよ^_^;

それ以上でも以下でもない、といった感じでした。

またひとつ祭りが終わった。


J・Jさんの映画を僕は嫌いなわけじゃないけど、なんとなくもろ手をあげて絶賛することができないんだよね。

いつもどこかに不満が残ってしまう。

だからスターウォーズの新作も正直不安なんですよ。

映画の途中に字幕入れたり延々殴り合いさせたりするんじゃないか、とか。

この人には“クリーチャー”に対するこだわりもまったくないようだし。

それにこれはクリストファー・ノーランザック・スナイダーなどにもいえるんだけど、J・J・エイブラムスの作品にはユーモアが欠けてると思う。

なんかいつも殺伐としてるんだよなぁ。

うーん、と、サイモン・ペグ演じるスコッティとカークのやりとりとかは可笑しかったけどね。

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カークの「あの前髪をむしりたい」という台詞には笑ったけど、ああいうトボケたやりとりがカークとスポックやクルーたちのあいだでもっと必要だったんじゃないかなぁ。

スタートレックって「大人のファンタジー」というか、どんなにシリアスな内容であってもどこか余裕があって、それが大河ドラマとしての安定感にもなっていたんだから。

僕が最近のSF超大作におぼえる違和感というのは、もしかしたらそのへんに起因しているのかもしれない。

まぁシリアスだっていいんですが。

でももうちょっとお話を丁寧に作ってくれるとありがたいです。



ギャラクシー★クエスト』(1999) 監督:ディーン・パリソット スタトレのパロディ的映画。リブート版よりもテイストは本家に近いぐらい。そして面子が本家より豪華。けっこう人気が高い1本でもある。シガニー姐さんがカワイイ。スネイプ先生もかぶりものして出ています。ネヴァー・ギヴアップ、ネヴァー・サレンダー!



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