ギル・キーナン監督、マッケナ・グレイス、ポール・ラッド、キャリー・クーン、エミリー・アリン・リンド、フィン・ウルフハード、ジェームズ・エイキャスター、セレステ・オコナー、クメイル・ナンジアニ、ローガン・キム、パットン・オズワルド、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツ、ビル・マーレイほか出演の『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』。

 

太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。謎の男によって街角のオカルト鑑定店へ持ち込まれた、先祖代々伝わるという骨董品。ゴースト退治のプロである“ゴーストバスターズ”として活動するスペングラー家は、ゴースト研究所の調査チームと協力し、その正体が全てを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト<ガラッカ>を封印する“ゴーストオーブ”であることを突き止める。しかし、手下のゴーストたちの策略によってガラッカが封印から解き放たれてしまう。氷のパワーでニューヨーク中を襲うガラッカ。人々が海水浴を楽しむビーチにも、突如として巨大な氷柱が大量出現!悲鳴を上げながら逃げ惑う人々をよそにその勢いはとどまらず、ニューヨークの街は氷河期さながらの氷の世界に―。果たして、ガラッカの真の目的とは何なのか。謎の男とは一体何者なのか。そして、ゴーストバスターズはゴーストたちに奪われた夏を取り戻し、ニューヨーク、そして世界を救うことができるのか――。(公式サイトより引用)

 

ネタバレがありますのでご注意を。

 

日本では2022年に公開された『ゴーストバスターズ/アフターライフ』の続篇。シリーズ4作目(作品としては5本目)。字幕版。

 

 

前作はコロナ禍で公開が遅れたので、わずか2年の間隔をおいて最新作のお目見えに。

 

前作の感想には「これで完結でいいのに」と書いたけど、でも続篇があれば観る気満々だったので鑑賞。

 

まだ世間では春休み中だったこともあって圧倒的に日本語吹替版の上映が多くて、最寄りのシネコンでは字幕版が一日に1回みたいなフザケた状態だったんだけど、どうやら吹替版の最後についている日本版独自のMVが不評とのことだったので、意地でも字幕版で観ようと思った。

 

あえて名前は挙げませんが、あのパフォーマンスをしていたのは大人気グループだから(いまだにあの首振りダンスの真似ができん。首がつる^_^;)ご本人たちのせいじゃなくて、こういう仕事を彼女たちに振った人間たちのせい。

 

このブログではずっと前から「ハリウッド映画の日本版独自のエンディング曲とか演出がウザい」と訴えてますが、いっこうに改められないようで。ほんとにセンスの無さにうんざりする。やめてくれ、頼むから。

 

さて、観る気はあるものの、では面白そうかというと、予告篇を観ただけではそこまでそそられるものはなかった。少年時代に観た「ゴーストバスターズ」というブランドへの思い入れと、主演のマッケナ・グレイスの存在でかろうじて興味を惹かれた次第で。

 

でも、ちょっと前に『デューン2』を鑑賞後に、映画館の通路に設置してあるモニターに映ってたこの映画の予告を観ていた若い女性たちのグループが「これ観たいんだよねー」と言ってたので、あぁ、やっぱり若い人とか女性たちに人気があるのかな、と。

 

前作はいろいろ言われてたけど、それでもファンは結構いるようだし。先日、金曜ロードショーでやってましたね。

 

だから、80年代の一番最初の作品や2作目をリアルタイムで観ていない世代の人たち、TV放送や配信とかでも観たことない人たちにとっては、前作は最初の「ゴーストバスターズ」体験なわけで(2016年版も忘れないでやってくれw)、こうやって新たにシリーズは再生していくんだな。

 

そんなわけで、めちゃくちゃ期待していたのでもなく、まるで恒例行事のような感覚で観たのですが…うーんと、率直に言うと、ほんとに「普通」だった。

 

いや、ごめんなさい、好きな人には悪いけど、どちらかと言えば「そんなに面白くはない」方寄りかな(;^_^A

 

「なかったこと」にされてしまった2016年版のことを僕はかなり酷評してしまったんですが、「面白くなりそうなキャラや題材を扱っていながら、どうもそれがそんなに巧くいってない」という印象を持った、ってことでは今回の最新作も似たような感じがした。

 

ちなみに、前作『アフターライフ』はシリーズ第1作と第2作を監督したアイヴァン・ライトマン監督の息子のジェイソン・ライトマン監督が撮ったのが、今回はギル・キーナン監督に交代してジェイソン・ライトマンさんはキーナン監督と脚本を共同で書いている(製作も)。

 

なので、『アフターライフ』の直接的な続篇だしメインキャストも前作から続投しているんだけど、『アフターライフ』が亡き祖父との再会(娘)や初めての出会い(孫娘)を通してジュヴナイル物の側面があって─それは80年代に「ゴーストバスターズ」という映画を観たかつての少年少女たち、それから今、このシリーズに触れている若者たちとが重なる物語でもあって─親と子どもの世代を繋ぐ映画でもあったのに対して、本作品はそういう要素が希薄で、ほんとに「シリーズ中の1本」。

 

もちろん、主役は前作に引き続きマッケナ・グレイス演じるフィービーだし、彼女がゴーストの若い女性と出会うことで物語が進んでいくので、結果的には「自分の居場所をみつけられないままでいた主人公が成長していく物語」と言うこともできるんだけど、ちょっとそのへんがねぇ。ゴチャゴチャしていたな、と。

 

もっとサマーシーズンのフィービーとスペングラー家の家族のお話に絞って描いた方が、前作がそうだったようにグッとくることもできたんじゃないかなぁ。

 

 

 

 

前作は田舎町が舞台だったのが、今回は「大昔のある国の守護神が魔物と化してゴーストたちを操り、真夏のニューヨークに襲いかかる」というのは、ある意味原点回帰のような、最初の作品のテイストに戻ったとも思えるんだけど(2作目のヴィゴーっぽいし)、何しろこのシリーズには“ゴーストバスターズ”のオリジナル・メンバーたちもいるので、登場人物が多いんですよね。

 

年取っても元気なオリジナル・メンバー

 

ジュラシック・ワールド3』の時みたいな、だんだん誰が主人公なのかわかんなくなってくるような、とっ散らかった筋運びで。

 

それから、地味に納得いかないのが、今回の事件の発端を作ったのはクメイル・ナンジアニ演じるナディームで、この男が彼の亡き祖母が部屋の中に厳重に保管していたガラッカを封印した球体をダン・エイクロイド演じる、今はオカルト関係の店をやってるレイに売ったせいで、だからこれってちょうどマーヴェル映画と同じでスーパーヒーローが自分で原因を作っておいて、その結果暴れることになった悪役を倒してめでたしめでたし、みたいな「自作自演」の話になっちゃってるんだよね。

 

それはおかしいだろ、と。

 

そうじゃなくて、誰か他の者が解き放った魔物のボスをナディームが倒す、ということにしないと。

 

そして、自分が思いっきり働ける場所を得られずに意気消沈していたフィービーとナディームの物語がしっかりとクロスすることで、この物語は完成するんでしょ。

 

でもなぁ。微妙にそうなってはいなかったよーな。

 

フィービーの兄のトレヴァー(フィン・ウルフハード)と、彼が前作で出会ったラッキー(セレステ・オコナー)の物語にしても、なんかオマケ程度であまり描き込まれてなかったし、前作でフィービーと意気投合したポッドキャスト(ローガン・キム)なんて、ほとんどガヤみたいな扱いになっちゃってる。

 

登場人物が整理されていないんですよね。ある程度限られた人数で描くからこそ、『グーニーズ』みたいに記憶に残る映画になり得るんだと思うんだけど。

 

1作目でゴーストバスターズの宿敵ともいえる存在だったウィリアム・アザートン演じるペック(ビル・マーレイ演じるピーターに“玉無しペック”と呼ばれていた)がニューヨーク市長になって再登場して、そこはオールドファンにとってはサプライズになるはずなんだけど、かつての映画のように彼を一方的な悪役にしようとして失敗している。

 

『ダイ・ハード』と『ダイ・ハード2』でも似たような憎まれ役を演じていた若かった当時ならともかく、現在のウィリアム・アザートンさんが嫌なジジイを演じてもなんかお年寄りをイジメてるようにしか見えなくて。

 

 

 

 

いや、日本にだって現実の世界では思いっきりイジメてやりたいクソジジイどもはいっぱいいますけどね。政界とか。

 

もう、ハリウッドのエンタメ映画で昔みたいにわかりやすい勧善懲悪をやろうとしても無理なんじゃないかな。

 

密かにルイス役のリック・モラニスの再出演を期待していたんだけど、残念ながら実現はならず。前作ではシガニー・ウィーヴァーも顔出ししてたのにねぇ。モラニスさんは俳優の仕事はやめてはいないようだから、いつか、きっとね。

 

それにしても、前作の公開が遅れたせいもあるけれど、わずか2~3年でも子役の成長は早いよね。

 

前作ではまだあどけなさが残っていたフィービー役のマッケナ・グレイスは美少女を通り越してどんどん「美女化」が進んでるし、ポッドキャスト役のローガン・キムも声変わりしてイケメンになってきてるし。

 

前作ではフィービーの癖っ毛と眼鏡、そしてオーヴァーオール姿が似合っててとても可愛かったし、理系女子なフィービーのキャラってとても魅力的だと思うんだけど、そして今回だって似合ってはいるんだけれど、中の人の美貌がだいぶ目立ってきてそろそろ無理が出てきだしたかも^_^; いつまで彼女はあの格好をしてくれるんだろうか。

 

 

 

 

マッケナ・グレイスさんが出続けてくれる限り、このシリーズは観続けたいですけどね、僕は。

 

フィービーがどんどんたくましくなっていく一方で、兄貴のトレヴァーがだんだんモヤシっ子みたいにヒョロっとしてきて頼りなさげな雰囲気が増していくのがおかしいんですが。女の子版「あばれはっちゃく」みたいなw いや、フィービーはイイ子なんだけれども。

 

フィービーが出会う女性のゴースト、メロディ(エミリー・アリン・リンド)は1本だけ残った紙マッチを持っているんだけど、それがあとで小道具として伏線に使われるだろうことは予想できるから、最後のバトルの場面でも「やっぱりね」という感じだったし、ナディームなんて“ファイアマスター”とかほとんどマーヴェル・ヒーローみたいだし、なんてゆーか、もっと『グーニーズ』寄りでいてほしかったんだけど。なんでもアリになっちゃうと、どうでもよくなっちゃうから。

 

 

 

オリジナルの『ゴーストバスターズ』のコミカルな路線をやりたいのか(図書館のゴーストも出てきてましたが)、それとも女の子の成長譚の方をやりたいのか、どっちつかずな感じがしてしまって、どうもハジケないんだよなぁ。それとも、こういうチャンポンなのが若い人たちにはウケるんだろうか。

 

 

 

ジェイソン・ライトマンって、こういう純粋にエンタメ系の作品ってあまり向いてないのかも。ストーリーの流れとかテンポが、どうも悪いんだよな。軽快じゃないの。どんどん盛り上げていって最後にカタルシス、っていうふうになっていかない。だから途中で飽きてきてしまう。このシナリオはあまり出来がよくないと思う。お話の本筋に入るまでがやたらと長いのは前作と同じだけど、前作のジュヴナイル要素を削っちゃってるから、ただ退屈なだけだった。この人は、もっと人間ドラマ寄りの方が合ってないかな。

 

 

ミニマシュマロマンたちのキモ可愛さは相変わらずでしたが

 

図書館の司書役のパットン・オズワルドの出演は、共同脚本のジェイソン・ライトマン監督の『ヤング≒アダルト』繋がりでしょうか。彼も、あそこだけでしたよね、出番は。もったいないよね。

 

アメリカでは、日本で今月末に公開される『ゴジラxコング 新たなる帝国』に人気が追いつかなくて苦戦しているようなことを報じられていたけれど、前作ではニアミスしたのが(『ゴジラvsコング』は21年公開)、2016年版に続いてゴジラと同じ年の公開になって、そこんところは80年代からゴジラやゴーストバスターズを観てきた人間としては楽しい。

 

この映画は、前作の完成後に亡くなられたアイヴァン・ライトマン監督に捧げられています。

 

お父さんは、この続篇を天国でどんなふうに観たんだろうか。

 

そして、さらなる続篇はあるだろうか。

 

こうなったら、主役たちが年を取ってっても「北の国から」みたいにずっと続けてほしいね(^o^)

 

 

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