ジャスティン・リン監督、ヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲス、ルーク・エヴァンス、ガル・ガドット、サン・カン、ジーナ・カラーノ出演の『ワイルド・スピード EURO MISSION』。
かつては自動車の窃盗団だったドミニク“ドム”・トレット(ヴィン・ディーゼル)は、いまでは恋人のエレナ(エルサ・パタキー)と、またドムとはすでに固いきずなでむすばれた仲間であるブライアン(ポール・ウォーカー)は、妻でドムの妹のミア(ジョーダナ・ブリュースター)と幼い息子のジャックとともにそれぞれ悠々自適な生活を送っていた。そんなドムのもとにFBIのホブス(ドウェイン・ジョンソン)が姿をあらわす。元英国特殊部隊のオーウェン・ショウ(ルーク・エヴァンス)率いる国際犯罪組織によってモスクワでうばわれた機密をとりもどす手助けをしてほしいというのだが、ホブスが手渡した写真には、死んだはずのドムのかつての恋人レティ(ミシェル・ロドリゲス)が写っていた。
前作『MEGA MAX』につづいて劇場で鑑賞。
先日地上波TVでやってたシリーズ3作目で今回の『EURO MISSION』の後日談にあたる『TOKYO DRIFT』も「ながら観」しました。
すでに10年以上も前からつづく「ワイルド・スピード」シリーズだけど、僕がこのシリーズを劇場で観るのはこれが2本目で、それ以外は『TOKYO DRIFT』同様、TVでなんとなく目にしたことがある程度。
なので、じつはミシェル・ロドリゲスがメンバーとして活躍してた無印の1作目と4作目『MAX』についてはよくおぼえていません(トンネルのなかを走ってたのはどれだったっけ)。
まぁ、それでもなんとなく登場人物たちのつながりは理解できるし、要は派手なカーアクションが売り物のシリーズなんだから、そのへんを楽しめば問題ないってことで。
現在はシリーズの顔としてヴィン・ディーゼルが堂々主演をつとめているけれど、もともと最初の主役はポール・ウォーカー演じるブライアンだった。
スキンヘッドの“ヴィンヴィン兄貴”は本来主役のライヴァル、あるいは相棒的キャラクターで、じっさい2作目と3作目に彼は出演していないのだが(3作目のラストにすこしだけ顔を出してた)、ちょうど「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで当初はサブキャラだったはずの海賊ジャック・スパロウ船長(ジョニーデップ)がいつのまにか主役になってしまったように、4作目以降ヴィン・ディーゼルが返り咲いたことで、ドミニクを主役にしたシリーズ物として定着した模様。
ちなみに東京を舞台にした3作目はヴィン・ディーゼルとポール・ウォーカーのどちらも主役でない番外篇的な作品で、その後メンバーに加わるサン・カン演じるハンが初登場している。
以下、「ワイルド・スピード」シリーズ、そしてマット・デイモン主演の「ジェイソン・ボーン」シリーズのネタバレをふくみますので、あらかじめご了承ください。
最初におことわりしたように、僕はこのシリーズをずっと観つづけてきたのでも熱烈なファンというわけでもないので登場キャラクターたちに強い思い入れはないし、またこのシリーズの売りでもある車関係にもまったく興味がありません(アメ車と日本車の違いすらもわからない)。
ほかのアクション映画同様に、単純にスカッとする派手なカーアクションや肉弾戦が観たくて劇場に足を運びました。
だから最初の頃の車好きの走り屋たちを描いたカーレースの世界が好きだった人たちが、シリーズが次第に「単なるアクション物」になってしまったことに対して感じているらしい不満、というのもよく理解していない。
アクション映画における車って僕にとっては豪快に横転したり爆発するもんでしかないので、観てて気持ちよけりゃいいと思ってます。
ところで、僕はふだん自分が観た映画についてその内容や演出などにあれこれ文句言ったりしてますが、前作もそうだったけど、このシリーズがやっかいなのはそういう真面目にストーリーとかテーマだのといったことについて語る気がしない、とゆーか、特にその必要性を感じないことです。
感想を書くのにとてもてこずる(;^_^A
とりあえず、夏の暑い時期に涼みながら大きなスクリーンで観るにはうってつけの映画だと思いますよ。なかなか爽快です。
なので、こういうジャンルが好きで、どうなんだろ?と思ってるかたはごらんになってみてはいかがでしょうか。
その日はここしばらくつづいている猛暑日で、しかも映画の開始時間までギリギリだったので最寄りの駅からシネコンまで走らなければなりませんでした。
なんとか間に合ってお手洗いで用を足して、飲み物を購入。
この映画の上映時間が130分ということは前もって知っていたけれど、そのあいだいっさい水分補給なしというのはツラかったので、Lサイズのアイスティーを買いました。
それがのちに僕を危機におとしいれることになるのだが。
オープニングはシリーズのこれまでのハイライトがバ~ッと流れる。
これはずっと観つづけてきた人にはたまらんだろうなぁ。
僕のように前作ぐらいしかまともに観てなくても、主人公たちの活躍の歴史がうかがえてちょっとグッとくる。
ドムとその仲間たちはいまではそれぞれがみな金持ちになっていて、世界じゅうに散らばって優雅な暮らしを満喫している。
そんなドムのもとに、前作から登場したFBIの特別捜査官ホブスがやってくる。
モビルスーツみたいな勇ましい役名のヴィン・ディーゼルと「はじめ人間ギャートルズ」に出てくるマンモスの肉みたいなぶっとい腕のロック様の対面。
前作ではハゲ同士でボコりあってたこのふたりは、今回は最初から協力しあう。
ホブスの要請でドムは仲間たちを招集する。
この、成功しててもなにかあったらかならず全員集合、というところが頼もしい。
主役を完全にドムにもっていかれてしまったブライアン、どうやら前作からイイ仲になってるらしいハンとジゼル、テズら、いまやおなじみのメンバー。
前作ではけっこう出番もあったミアやエレナは今回は待機組。
劇中、コメディリリーフを振られたタイリース・ギブソン演じるローマンが必死でボケをかましつづけるのがいじらしい。
過去にあきらかに劇中で死んだはずの登場人物が「じつは生きていた」という“どんでん返し”が前作のラストでチラッと出てきて、今回はその真相が描かれる。
この映画のキモはそこなのだが、さっきも書いたように僕は4作目『MAX』で描かれたらしいミシェル・ロドリゲス演じるレティの死についてよくおぼえていないので、「あぁ、そうなんだ」ぐらいにしか思わないけど、なかにはこの生還劇に憤慨しているかたもいらっしゃるようで。
レティは間一髪生き延びたが記憶をうしなって、今回の敵オーウェン・ショウの部下になっていた。
このあたりのいきさつはショウの口から直接ドムに説明される。
「彼女を埋葬した」と言うドムに、ショウは「顔を確認したのか?」とたずねる。
正直、かなり苦しい説明だと思った。
もう、ミシェル・ロドリゲスを復帰させるために映画の作り手が必死なんである。
かつてシリーズから一時離脱していたヴィン・ディーゼルをまた引きもどしたように、今回も「そーゆーことなんだよ!」とゴリ押ししてまでミシェルねえさんに帰ってきてほしいなにがしかの理由があったのだろうか。
なにしろドムには前作で出会って現在はともに暮らしている恋人エレナがいるわけで、そこに死んだはずの元カノがもどってきたら物語としてもいろいろと後処理が面倒なのではないか。
僕は以前、「ジェイソン・ボーン」シリーズで、1作目で主人公が出会ったフランカ・ポテンテ演じるヒロインが2作目ではやばやと殺されてしまう展開に呆然とした記憶がある。
1作目でボーン(マット・デイモン)は彼女の命を守るために奮戦したのだが、それがまったくの無駄になってしまったわけだ。
アクション映画で主人公に恋人や妻がいると、しばしば足手まといになる。
だから手っ取り早く殺してしまう。
あるいはその「死」が主人公が戦う動機に使われたりもする。
このように、物語の都合で主要な登場人物をあっちゃり排除する作劇が僕はとても嫌いです。
ものすごく安易だと感じるので。
それじゃ1作目のハラハラやラストにふたりが無事再会したあの安堵感はなんだったんだよ!と怒りさえ感じる。
「ボーン」シリーズ自体は嫌いじゃないし3作とも劇場で観たけど、あのヒロインのあつかいには最後まで疑問が残った。
どうしてもヒロインを死なせるんであれば、1作目のラストでもよかったわけでしょう。
もしそうだったら、愛する者があらわれてもあっというまにその命がうばわれてしまう、さすらいのヒーローのむなしさが描けていたと思う。
でも、2作目冒頭でのヒロインの死はそうではなくて、あきらかに主人公を自由に動かすための「やっかい払い」だった。
彼女が作劇上ジャマなのであれば別れたことにでもすればよかったはずで、なにも殺さなくてもいいじゃないかと。
アクション映画ではしばしば主要登場人物が命を落とすし、それはジャンル的にも致し方ないんだけど、そこにはそれなりの配慮が必要なんではないか。
今回、ほとんど反則技に近い方法で再登場を果たしたミシェル・ロドリゲスと入れ替わりで、別のレギュラーメンバーのひとりが姿を消すことになる。
“彼女”を退場させてまでレティをカムバックさせたことにどんな理由があるのか(時系列的には続篇となる3作目に“彼女”が登場しないから、ということなのかもしれないが)、あるいはテコ入れの一環なのかどうかは知らないけど、「ボーン」シリーズとおなじく、ストーリー展開のためのコマの一つとしてキャラクターが使われた、という印象をもった。
しかも、死んだとおもわれていたキャラクターがこうして堂々と復活したということは、つまり今後もおなじようなことがおこなわれても不思議ではない。
今回シリーズから去ることになったキャラクターは決定的な死の瞬間が描かれているわけではないし、なにしろ高速で走行する車から車へジャンプして飛び移れたり、そこから振り落とされてもかすり傷ひとつ負わないようなキャラたちが大乱舞する映画なので、この『EURO MISSION』で死んだことになってる人が今後の作品でまたしても「じつは生きてました」と再登場しても、もはや驚かない。
空中キャッチシーンでは、後ろで観てた女性がおもわず「わーお」とつぶやいてました。
アクション映画であぶないのは、登場人物の「生き死に」が観客にとって心底どーでもよくなってしまうことだ。
これはシリーズ物などでは特に致命的な事態で、その存続が危うくなってくる。
「ダイ・ハード」シリーズの5作目の予告を観たとき、すでに「ぜったい死なないダイ・ハーダー」になっていたジョン・マクレーンことブルース・ウィリスにはもはやなにひとつそそられるものがなくて、合成まるわかりの爆発シーンにも興ざめして、4作目まではすべて劇場で鑑賞していたのに今回はついに観に行かなかった。
それにくらべると、この『ワイルド・スピード』の最新作は予告篇の段階で観る気がうせることはなかったし、前作がそうだったようにアクションには見るべきところがじゅうぶんありました。
前作が好きな人には楽しめるんではないかと。
ただし、上映時間130分は長すぎた。
そのせいで僕はなんと、映画のエンディングを見逃してしまったのだ!!
いや、さっきも言ったように映画そのものはダレることはなかったです。
しかし、アイスティーを飲んだせいで後半に急に猛烈な尿意におそわれ、それはもうガマンすればなんとかもちこたえられるというレヴェルをはるかに越えていた。
ほんとにその場で大失禁をやらかす一歩手前までいったのです。
あんなに客席で身もだえしたのはひさしぶり。
たしかに暑いなか走って劇場にむかったのも上映中に冷たい飲み物を飲んだことも僕の責任なんですが、でも真夏のこの時期なんだししょーがないでしょ!
最近160分とか180分近い映画も観たけど、尿意で苦しめられることはなかった。
もう、運がなかったというしかない。
映画の鑑賞中に中座するのはイヤだし、僕はいつも最後のエンドクレジットだって全部観て明かりがつくまで座席に座ってる人間ですが、クライマックスがすぎてドムをはじめ主要キャラたちがバーベキューをしている場面になって、そろそろ終わるかな、エンドクレジットはぜんぶ観られないだろうから映画の本篇が終わったら席を立とう、と思ってたんだけどなかなかエンディングテーマが流れなくてまだダラダラしゃべってる。
ほんと膀胱が限界だったのでやむなくトイレにダッシュしたんです。
そんで溜まりに溜まったおしっこがなかなか止まらず切れが悪いのも早々に切り上げていそいでとってかえしたら、無情にもスクリーンにはスタッフロールが流れていた。
呆然としたけど、もしかしたらそのあとまたなにかオマケがあるかも、とわずかな希望を胸に出口付近でずっと立ったまま観ていました。
帰りはじめる人たちにぶつかられそうになって恥ずかしい思いをしながらも、でももしオマケ映像があったらこの人たちが見逃したものを俺は観られたんだからまだ救い、とか思いながら観つづけたんだけど、けっきょくなにもなくて映画は終了。
映画自体は面白かったしそれなりに満足感もあったのに、文字どおりものすごい残尿感をかかえたままシネコンをあとにしたのでした。
しかも、なんと僕が見逃したエンディングに次回作につながる“ある人物”が登場していたことがあとでわかったのだ。
…ちっきしょー!!!
もし映画があと10分短かったら、僕はそのエンディングを見逃すことはなかった。
幼稚園児だったら号泣モンだぞ。
バカヤロー!!!(ノДT)
完全に自業自得のやつあたりなんですが、でも言わせてもらうけど、この映画には130分かけなきゃいけない内容なんかなかったでないの。
観終わったあとにふと思い浮かんだのが、シュワちゃん主演の『ラストスタンド』でした。
あの映画はシュワルツェネッガー主演復帰第1作なんだけど、上映時間は107分。
かけた予算はおそらくこの『ユーロ・ミッション』の方がはるかに多いだろうし、日本での公開規模もくらべものにならないけど、率直に言って1本の映画としての「完成度」は『ラストスタンド』の方が高かったと思います。
そしてアクション映画としての満足度も、個人的には『ラストスタンド』の方が上だった。
言うまでもないけど、映画の満足度というのはかけた予算や上映時間の長さじゃないのだ。
それでもこの映画には、ロンドンの町でカーレースしたり(途中まで舞台がロンドンだということに気づかなかったが…)自動車がバンバン通る道路でほんとに戦車を暴走させたり、滑走路に巨大な輸送機(あれがCG製だとは気づかなかったなぁ)を墜落させたりと「絵」として迫力満点の場面がいくつも出てくるので(夜間で映像が観づらい場面が多いが)、映画館の大スクリーンで観る意義はおおいにあるし、何度も言ってるように面白かったです。
3作目でじっさいの撮影が困難な渋谷でのカーレースをセット撮影と実景の合成でみごとに迫力ある場面にしてみせたように、観客に「チャチい」とおもわせずにカッコイイ場面を映像化してみせるジャスティン・リン監督の手腕は賞賛したい。
そのうえで、今後はぜひ登場キャラクターたちをもっとていねいにあつかってほしいと思います。
観客の立場からいえば、これまで自分たちが思い入れをこめて観てきたキャラたちが新作でいとも簡単に殺されたり反対に生き返ったりしたら、さすがに真剣に反応したり応援するのがバカバカしくなってくる。
いまこの「ワイルド・スピード」シリーズは、その微妙なバランスをかろうじて保っている状態だと思うんですよ。
この映画の見どころの一つが、昨年には主演映画『エージェント・マロリー』が公開されたジーナ・カラーノの出演。
彼女はロック様演じるホブスの部下を演じる。
敵側にまわったミシェル・ロドリゲスとジーナ・カラーノのシバき合いは僕にとってはご馳走でしたね。
プライヴェートでも暴力沙汰をおこしたりまるで額に「凶悪」という字が書かれてるようなイカツいご面相のミシェルねえさんと、『マロリー』では男どもをボッコボコにしてたホンモノの格闘家であるジーナの肉弾戦はもっと観ていたかったぐらい。
前作の感想で「続篇を観るかどうかはわからない」と書いたけど、これを観ようと思ったのはジーナ・カラーノが出てるから、ってのがあった。
とにかく劇中の彼女の余裕の笑みがステキなんだよなー。
ふつうにパンチやキックもらったらひ弱な僕はほんとに死んでしまいそうなので、ちょっと加減した関節技をうけてみたいなぁ。
…冗談ですが^_^;
映画を観る前は僕はてっきりジーナは敵の一味の一人だと思ってたんだけどFBI捜査官だったので、ではこれからこのシリーズのレギュラーになるのかな、とおおいに期待したところ、まぁそこにはオチがあったのでした。
ホブスとジーナ演じるライリーは、彼らの計画がショウに筒抜けであったことから軍やFBI内部に内通者がいるのではないか、とうたがう。
僕はそれがレティで、だからこそショウは彼女を部下として使っていたんだろうと予想したんだけど、そうではなかった。
映画の終盤、クライマックスの直前にスパイの正体が判明する。
裏切り者はライリーであった。
まぁ、ありがちっちゃありがちではあるんだけれど、僕はちょっとガッカリしたんですよね。
だってこの映画でのジーナ・カラーノはとてもキャラが立ってて魅力的だったんで、今回一度きりで消えてしまうのはじつにもったいなかったから。
ジーナ・カラーノには死んでほしくなかった。
まぁ、彼女も輸送機から飛ばされただけだから、「じつは生きていた」ってことにしてもどってきてくれたら嬉しいけど。
ストーリー的にいっても、ライリーがじつはショウの仲間だった、というオチにはムリがあるんじゃないかと。
なぜならライリーがホブスを裏切ってショウの味方につくメリットが見当たらないからだ。
有能な捜査官なんだし、ホブスとともにこれからもFBIで働けばいいじゃないか。
ライリーはドムの仲間ジゼル(ガル・ガドット)とふたりで情報をもっている男にショウのアジトを白状させるが、その直後にレティとショウの手下たちにおそわれる。
ここでライリーはレティと追っかけっこの末シバき合うんだけど、彼女たちがどちらもショウの味方ならそれは無意味な戦いだし(俺的には見どころですが)、レティがライリーの正体を知らないのも作戦遂行の妨げにしかならないだろう。
ショウは組織のメンバーを「部品の一部」としてあつかうような人間で、死んだ者に対しては「ミスしたからだ」といっさい同情しない。
だからライリーも、そしてレティもまた同様に彼にとっては「部品の一部」にすぎないはずなのだが、なぜショウがレティを仲間に引き入れたのかよくわからないのだ。
彼女が組織のためになにか重要なミッションをおびていたわけでもない。
ショウがレティに惚れてたから、という感じでもない。なぜなら彼はそのあと戦車で暴走してレティをいとも簡単に犠牲にしようとするのだから。
しかもショウは、今回ドムたちが動きだすまでレティが過去にドムと深い関係にあったことを知らなかったようだ。
これは用意周到なはずの犯罪組織のボスとしてはずいぶんとうかつだし、おかしな話ではないだろうか。
それにショウにはもう一人、金髪のロシア人っぽい女性が部下にいるんだし。
おまけにライリーの裏切りどんでん返しのせいで、なんかあの金髪のおねえさんのキャラがかすんじゃった気がする。
ショウの手下のなかにメチャクチャ強いアジア系の男がいて一人でローマンとハンをノシてしまうんだけど、なんか見たことある顔の俳優さんだな、と思ったら、昨年観たインドネシア映画『ザ・レイド』でジャカ巡査部長を演じてたジョー・タスリムだった。
すげぇ強かったけど、気づいたらいなくなってたな。いつやられたんだっけ。
ショウを演じるルーク・エヴァンスは、ちょうどオーランド・ブルームをさらにアダルトにしたような顔立ちのイケメン俳優(そしてゲイ)で日本でもおねえさまがたに人気が高い人だし、この映画でもなかなかのカリスマ性を感じさせるキャラクターだった。
警察も軍もかなわないような悪役のボスとしてふさわしいキャスティングだったと思います。
また、本作では『MAX』の敵ブラガ(ジョン・オーティス)を裏であやつっていたのも彼だったことがあきらかになる。
しかし、これまで疑問を呈してきたように彼がいったいなにを目論んでいて、そのためにどのような計画を立てていたのかじつのところよくわからないし、後半では唖然とするぐらいにその存在感が薄れていってしまう。
よく考えてみると「組織」といっても登場するのは数人だし、とても軍とやりあってかなうような「巨大犯罪組織」には見えない。
『マッドマックス2』に出てくるような改造レーシングカーでの暴走は観ていて気持ちよかったけど。
ちなみにゲイであることをカミングアウトしているルーク・エヴァンスは映画のなかで別にそれを強調するような演出がされているわけではないが、まったく別の場面でホブスとドムの仲間のテズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)が高級車を買いに行った先で、クネクネしたいかにも「おねぇ系」のしぐさをする中年男性のカーディーラーとのやりとりがある。
この男はふたりを貧乏人あつかいして「お引き取りを」と告げるが、高級車を何台も買った彼らにぐうの音も出なくなって、「おまえの着てるシャツと時計も売ってくれ」「そのズボンも」と言われるとおり裸にひん剥かれてぶざまに退場する。
ぜんぜんおかしくない場面だけど、なんだろう、ゲイをコケにしたつもりだろうか。
僕はゲイではないけれど、いまどきこのようなステレオタイプにもほどがある演出で人の性的指向、あるいはハゲデブチビブスなどの身体的特徴をあげつらって笑うセンスって、作り手の程度の低さをさらすだけだからやめた方がいいと思うんだけどな。
ヴィン・ディーゼルもまた、かつてゲイ疑惑をもたれたけど否定している。
女性と交際もしてるようなので事実ゲイではないのかもしれないし、有名人ってのは浮いた話を聞かないとみんな似たようなうたがいをもたれるんだろう(キアヌ・リーヴスとかも)。
よけいなお世話だと思うが。
でも、ヴィンヴィン兄貴はたしかに“そっち系”の人に見えなくもない。
ツルッパゲで筋肉モリモリで声もセクシーだしさ。ウホッ。
彼が映画のなかでどんなに女性とイチャついてても、なんか生々しさがないのだ。
エロ坊主に見えないんである。
だからほんとは女性に興味がないのでは?とおもわれたというのは、なんかわかる気はする。
この映画のなかでルーク・エヴァンス演じるオーウェン・ショウがまるで女性に興味がないように見えるみたいに。
映画の感想から逸脱しまくってますが、この映画でも僕の座ってる席の近くでひとりで鑑賞してる綺麗な女性がいて、きっとルーク・エヴァンスのファンなんだろうな、って思いましたよ。
映画にはそういう楽しみ方もありますから。
アクション映画をひとりで観にきてる綺麗な女性にはそそられるなぁ(〃∇〃)
どうでもいい話がつづいてますが、僕はこの映画でレティは簡単にドムのもとにもどってこない方がよかったんじゃないかな、って思ったんですよね。
記憶をうしなったからとはいえ、レティはショウの下で働いていたわけで、そのつぐないはしなきゃおかしいでしょう。
むしろ、これからも彼女はドムの敵なのか味方なのかわからないような存在になったら、わざわざ「生き返らせた」価値があるだけの、より魅力的なキャラクターに昇華できたんじゃないか。
ま、僕は映画の終わりを見逃しちゃったんで、もしかしたらそういう結末だったのかもしれませんが。
しかし、エンディングに登場したというブルース・ウィリスではない方のあの“ハゲの人”を観られなかったのはマジでくやしい!!
役名からすると、次回作の敵は彼のようだし。
かといって、そのためにもう一度映画館で観るのも癪なんだよなぁ。
それにしても、なんで最近のハリウッドのアクション映画はハゲばっか出てくんだ。
ヴィン・ディーゼルにロック様にブルース・ウィリスにジェイソ…ちっきしょー!!!
※ポール・ウォーカーさんのご冥福をお祈りいたします。
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