ジャスティン・リン監督、ヴィン・ディーゼル主演の『ワイルド・スピード MEGA MAX』。
IMAXにて鑑賞。
「ワイルド・スピード」シリーズの第5弾で、2009年公開の『ワイルド・スピード MAX』の続篇。
凄腕ドライバーで高級車両の強奪犯ドミニク(ヴィン・ディーゼル)は、今では仲間の元FBI捜査官ブライアン(ポール・ウォーカー)、妹のミアらとともにブラジルであらたな“仕事”をはじめるが、いっしょに組んだ窃盗団に麻薬捜査官殺害の汚名を着せられる。ドミニクは仲間をあつめて、彼をハメた裏社会のボス、レイエスから1億ドルを奪う計画を立てるのだった。
ネタバレは…ないと思いますが。
『ワイルド・スピード』シリーズはこれまでまったく観たことがなくて、先日TVでやってた前作をチラ見した程度。
だからシリーズに対する愛着もなければ、キャラクターの人物関係もよく知らない。
どうやらこのシリーズのファンのなかには車好きの人もけっこういるみたいだけど、そちらの方面にもまったく興味はなく。
なんとなく予告篇を観て普通に面白そうだったので。
ただ、僕が観たとこではIMAXでしかやってなくて2000円での鑑賞。う~む。
で、IMAXの上映会場に入ると前をふたり連れの老婦人が歩いてて、どうやらこの映画を観る模様。
おばあちゃんたち、『ワイルド・スピード』観るの?…別にいいけど
どうやらIMAX初体験らしくて「『モテキ』をこっちでやればいいのにねぇ。混んでたから観づらかった」とかいってる。
…『モテキ』も観たの!?
いや、いいけどさ。すげぇな、しかし。
シルバー料金だから観まくってるのかな。
そのへんの若者よりぜったいたくさん観てるはず。
海老様の『一命』もぜったい観てるだろうなぁ。僕のオカンも興味もってたぐらいだから。切腹シーンとかあるみたいですけど大丈夫でしょうか
さて『MEGA MAX』。すでに「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」での1コーナー「ザ・シネマハスラー」でも取り上げられててポッドキャストで聴いたけど、オチがどうこうって映画でもないし。
結論としては、まぁ、普通に楽しめました。
冒頭とクライマックスのアクション・シーンは特にIMAXで観ると迫力満点だったし。
それ以外のシーンで一瞬だけオチかけたけど。
そのせいで見逃したのかもしれないけど、ドミニクの仲間たちはどうやってパトカーを調達したんだっけ。
そのあたり、細かいとこツッコむとキリがないんだろうけど。
“ザ・ロック”ことドウェイン・ジョンソンもすでに俳優業が板についてて台詞廻しもよどみなく(シュワちゃんよりもよっぽど巧いんじゃないか)、ドミニクたちを追う頼もしい連邦捜査官ホブスを演じている。
彼とヴィン・ディーゼルのハゲ同士の豪快な殴り合いもなかなか見ごたえがある。
…う~んと、それぐらいかな、感想は
宇多丸さんのハスリング(批評)のなかで「ドミニクの昔の仲間ヴィンスはいつ敵に撃たれたのか」というのがあって、「2回目に観たとき、車に乗るときに画面の隅っこで、Oh!とか撃たれてた」といってたから注意して観ていたらたしかにそのとおりだった。ちょっと笑ってしまった。
見切れてるとこでひっそりと撃たれてるのって哀しいな
ストーリーの粗をさがしたってしかたないタイプの映画だし、迫力あって気持ちよかったんならそれでいいんじゃないの?って(なんかいつも以上に投げやりですが)。
いや、だからシリーズをずっと観つづけてる人ならもっといろいろ語れもするんだろうけど。
ヴィン・ディーゼルの主演映画を観るのは『リディック』以来なんでもう7年ぶりぐらいなんだけど、その前に『トリプルX』を観てたことを思いっきり忘れていた。
でも思い返せば『トリプルX』はそこそこ面白かった気がする。
面白かったんだけどおぼえてないんですよね、中身を。
今回の『MEGA MAX』もそういう映画。
アクション以外のとこがどんなだったか、すでに忘れかけてるし。
ドミニクが金庫ごと金を強奪しようとする裏社会のボス、レイエスを演じているのは『デスペラード』や「24」シリーズなど、南米の悪役ならこの人、みたいな俳優ホアキン・デ・アルメイダ。
警察を買収してリオデジャネイロを裏で牛耳るレイエスは、「失うものがない者はいくら力で抑え込もうとしても反抗する。だから失いたくないモノを与えて手なずける」と話す。
これはなかなか的を射た台詞だ。
普通、悪役というのは力づくで主人公たちをねじ伏せようとする。
だから失敗する。
そのことがわかっているのなら、このレイエスは別の手で主人公たちを誘惑してくるだろう。
…と思っていたら、ほかのアクション映画と同様に、普通に押しの一手でやってました!
アホかい!
そこは作り手は、たとえば(ありがちだけど)身重のミアを人質にするとか、金はやるからチップ返せとか、もっと慎重にドミニクたちと交渉させるべきだろう。
ただバカみたいに車であとを追って、その最期もあっけなさ過ぎ。
ドミニクに手を汚させないのもなんだかなぁ。
警察に押し入ってお目当てのブツを奪うのもあまりに簡単過ぎる。
宇多丸さんもいってたように、途中でチップ関係なくなっちゃうし。
…だからツッコミ入れちゃダメなんだよね。
それはわかってるけど、それでもやっぱり大満足というわけにはいかなくて、途中で眠気をもよおすのもしかたなかったかな、と。
次回作への「引き」についても、これのすぐあとに観た『キャプテン・アメリカ』もそうだったけど、1本の映画単体でとりあえずちゃんと物語を締めてほしいな。
なんか、だらだらと「まだつづきます」的な場面を入れるの勘弁してくれないだろうか。
映画に関してはわりと付き合いのいい僕でも、こう立て続けにやられるとさすがに「もういいよ」と思ってしまう。
たしかに極力現場で撮っているという車がらみのアクションはカッコ良かったですよ。
金庫をガンガンぶつけまくっての爆走は爽快だったし。
女の人たちがみんなキレイだったのも♪
ミア役のジョーダナ・ブリュースターは、『スーパーマン』のヒロイン役マーゴット・キダーをさらにキレイにしたような顔だちで、前作『MAX』観て美人だなぁ、って思った。
東洋系のお兄さん(3に出てるそうだけど観てないから知らない)とイイ雰囲気になるジゼル役のガル・ガドットは、ときどきナタリー・ポートマンみたいな顔に見えるなぁと思っていたら、ポートマンとおなじくイスラエル出身なんだそうで。まぁ顔が似てるのは偶然だが。
今回初登場の金髪の「美しすぎる警察官」エレナ役のエルサ・パタキーは、ちょっと若いころのキム・キャトラルを思わせるし。
ヴィンヴィン兄貴の笑顔もチャーミングだった。
…こんな感じでよろしいですかね
この映画は、ネットのレヴューではほかの映画にくらべて星の数の平均が比較的高めだったんで選んだということもあったんだけど、ポップコーン映画としては平均的な作品だったということでしょうか。
映画館の大スクリーンで観てよかったと思いますよ。IMAXだし。DVDやTV放映だったら先日の『MAX』とおなじく集中して観ていられなかったかも。
それでも、すでに決まっているという続篇を観るかどうかは決めかねてますが(※けっきょく観ました)。
おばあちゃんたちはまた観に来るのかな
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