慶応高校ディベート部の思い出(肯定・否定から思考する)
パパは,平成3年か4年ころに,横浜市で行われた弁論大会に大学の友だちに誘われて出場したことがある 当時,大学の司法試験サークルに入って,勉強をさわりはじめて,法的思考が全然わからないとこぼしていたら,突如,弁論大会に出てみたら何か掴めるかもよ~と勧誘を受けたんだ 審査員に若い日のデーブスペクターや,花岡という苗字のおじいさんがいたことは何となく覚えているんだけど, このときの弁論テーマは,【選挙権を18歳まで引き下げるか否か】 というものだった(実際には平成27年の公職選挙法改正にて引き下がったから,改正20年前からトピックだったわけ)! 今なら,いくらでも弁論してやるわ~と思うけど,まだ20歳ころのパパは何となく, 選挙は民主主義のための制度 広く選挙権を若者に認めた方が若者の声を反映できる反面,未成熟な意思で不適切な政治判断となってはまずいという 程度の肯定・否定要素くらいしか抑えずに大会に出場した(笑) 第一立論で自らの主張をしあって,反対質問・反論を順次行って, 最後にまとめの主張をするみたいな流れで主張の優劣を審査員がするというもの パパは初戦,自らの主張を述べたあと,相手方の反対質問に対して殆どまともな受け答えができず,相手への問題提起も反論もできず,主張を繰り返すだけで完膚なきまでにやられてしまった ただただやられたこと。悔しかったことを思い出す‼️ 議論って,論理ってなんなんだ 全くもって面白くない・・・・ だけど,負けず嫌いのパパは,決勝戦まで残り,傍聴することにした【社会人チーム対慶応高校ディベート部】 目から鱗だったんだ まずは,社会人チームが選挙年齢は引き下げられるべきとの立場から,立論をはじめた。 詳細は覚えていないけど, ①民主主義は広く意見を聴取する必要がある ②そのために,民法を改正して成人年齢を18歳にする ③中学・高校での公民教育において政治学を充実させる みたいな立論だった 当時のパパはさすが社会人チームだと素直に感服していた 選挙権年齢を問われているのに,民法まで連動させた上,学校教育にも言及する,ここまで広い視野を持たなくてはならないのかと素直に関心をしていたのだけど, 慶応高校の出番になって印象が一新された‼️ 慶応高校の反撃は,広く意見を聴取するならなぜ小学生・中学生には認めないのだろうか?? やはり,政治的意見を述べるためには一定の見識が必要なのではないか⁉️ また,中学・高校ではもっと他に学ぶべきことがあるのではないか。 政治意見を持つことも大事かもしれないけど,政治意見を形成する大前提の学習が英語・数学・国語・理科・社会であって,学習をして見識を広めないと社会に出られないのでその準備が必要だと訴えた そして,社会人チームが民法の成人年齢を下げることをセットにした立論をした点にもかみついた‼️ なぜ民法の成人年齢を引き下げることが必要なのか? 民法は単独で取引ができるかどうかのルールを決めるものであって, ギャンブルや酒・たばこが許される年齢に関する法律などと同じで,個々の法律ごとに許される年齢が決められるべきであるから,民法は選挙とは関係がないと切り込んだんだ・・・ パパはまだ当時民法をはじめ法律をかじり始めたばかりだったけれども,全く慶応高校の発想はなかったし,なるほど〜と感心したよ すごい思考力だと思うと同時に,事前に徹底的に思考しきってシミュレートしきっていたのも秀逸だと感じた‼️ 本職の弁護士真っ青の凄い反駁だった‼ 社会人チームも抵抗していたが,民法を連動させてしまったところを反駁されたことが決勝戦までなかったし,まさかの反論視点だったようで, こう言った。 『みなさん,この高校生たちを見てください。』 『この思考力。選挙権を与えた方が日本がよくなると思いませんか?(笑)』 まあ,諦めたわけですね😅 しかし,手を抜かない,慶応高校弁論部‼️ 『特定の高校生が選挙権行使をできるだけの成熟さを持っているかどうかという次元の話と制度として高校生(18歳)であっても選挙権を認めるべきかは全く異なる次元の議論です。議論の立て方を誤ったと言わざるを得ません』。 もう,パパは慶応高校あっぱれ‼ 会場から全力で拍手をした👏 しかし,耳を疑ったのは,審査員コメント。 審査委員長が「高校生にしては頑張った。社会人の壁は厚かったけど,また精進して頑張って欲しい」 まじか?? これが大人の世界なのか? 20分後の結果発表は, 4対1で慶応高校の勝利。 そうだよな~。そして,あそこまで言ってしまったら5対0とは発表できんもんね そう。 社会学的論点についての思考技術は,完全に肯定視点と否定視点を分け切ること。 そして,アクティブラーニングでは自らの価値観を一回捨てて議論する練習も思考を深める手法なんだと思っているけど,パパにそのことを教えてくれたのは,パパの父と慶応高校ディベート部だった 論理的思考って世の中でよく言われるけど,論理も分野ごとに違うけど,視点をもって思考・表現する練習というのは自らを広げると思うよ(^^)/ 相手の視点に立つときに,一度自分の価値観を離れて耳を傾けて考えてみること,そのうえで自分の考えとどの部分で違っていてどこに疑問を感じ,どこの価値比較でその人と違っているのかを分析するのだと思う。 論理的思考力は技術である というのは半分は正解であると思うのは以上が根拠。 そして,技術を高めたあとは,ひたすら知識・経験を積み重ねたり議論を重ねることでさらに思考力は増すのだと思っているよ パパは国語の先に見据えたい能力はこれです!