お見えになっていらっしゃいます/敬語連結 | ほどよい敬語~「コミュニ敬語」でいこう

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プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

「お見えになっていらっしゃいます」

「お客様がお見えになられました」二重敬語であると、以下の記事で書きました。
http://ameblo.jp/comkeigo/entry-10095428101.html

「お見えになる」ですでに敬語なので、「なられました」と新たに敬語を付け加えなくてもよいということでした。

「お見えになっていらっしゃいます」はどうでしょうか。

結論から言えば二重敬語ではありません。

分解してみると分かりやすくなります。
「来る」の尊敬語=お見えになる
「いる」の尊敬語=いらっしゃいます

つまり、「お見えになられた」が、「来る」の尊敬語である「お見えになる」にさらに敬語表現を付け加えているのに対し、「お見えになっていらしゃいます」は「来る」「いる」をそれぞれ敬語にしているので、重複してはいないのです。
「お見えになって・いらっしゃいます」に分けられるのです。

こういう用法を「敬語連結」と呼びます。

こうして分けて考えてみるといいでしょう。

ややこしいので、他にも事例をあげておきます。
下記の×は二重敬語の表現です。

×「お見えになられました」
「お見えになっていらっしゃいます」

×「お話しになられました」
「お話しになっていらっしゃいます」

×「お越しになられました」
「お越しになっていらっしゃいます」

間違いではありませんが、あわてて話すと舌を咬みそうでもあります。
無理に言う必要もありませんので、現実的には「社長、◯◯様がお見えでいらっしゃいます」などとシンプルに言うほうがよい気もします。

──────ポイント

☆「お~になっていらっしゃいます」の表現は二重敬語ではなく、二つの動詞をそれぞれ敬語表現にしたもので、文法的には間違いではありません。
ただし、実際の場面では「お見えでいらっしゃいます」「お越しでいらっしゃいます」「◯◯様がお越しです」などシンプルに言ってもよいでしょう。



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