コメント欄での議論がヒートアップするのは喜ばしいですが、みなさんに気持ち良くお使いいただきたいので、マナーを守ってコメントしてくださいませm(_ _ )m
マナーを逸脱した悪質なコメントをした方は即アクセス禁止です。
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11959254074.html
さて、本題に入る前に、最新のGDP統計をまとめてみました。
2015年4-6月期GDP二次速報
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/pdf/main_1.pdf
実質GDP 前期比(季節調整済):-0.3%(年率換算-1.2%)
実質GDP 前年同期比:+0.8%
名目GDP 前期比(季節調整済):+0.1%(年率換算+0.2%)
名目GDP 前年同期比:+2.3%
実質雇用者報酬 前期比(季節調整済):-0.2%
実質雇用者報酬 前年同期比:+0.7%
名目雇用者報酬 前期比(季節調整済):+0.2%
名目雇用者報酬 前年同期比:+0.8%
GDPデフレーター 前期比(季節調整済):+0.3%
GDPデフレーター 前年同期比:+1.5%
前年同期比だと昨年の増税直後の2014年4-6月期との比較になるので、その分は割り引いて見るべきでしょうが、前期比だと概ね横ばいか、実質だとやや下がっているという感じですね。
そして、7月以降のデータでは
消費支出2カ月連続で減少 CPIプラス、25カ月で止まる
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150829/mca1508290500012-n1.htm
8月の街角景気、現状判断2カ月ぶり悪化 先行きは3カ月連続低下
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL08HIF_Y5A900C1000000/
なんてのも出ていますので、7-9月期もあんまり期待はできなさそうです。(まぁ、初めから期待はしておりませんが。)
なんといっても一番尾を引いているのは消費税増税ですよね( ̄▽ ̄;)
そもそも、消費税なんて税制は存在自体が不要なわけですが…。
そして、
「その消費税増税をあと2%も俺は残している…その意味が分かるな?(by安倍)」
どうやら、安倍政権は国民にトドメをさすつもりのようですorz。
そう言えば、この前の総選挙の時点で増税の再延期はないと豪語していましたし、最近でも「予定通り引き上げる」と宣言しておりましたね(;^_^A
とまぁ、前置きはこれくらいにしておくとして、
今回は、人気ブログランキング1位の経済評論家である三橋貴明氏のキャッチフレーズでもある「経済成長こそすべての解」というものを題材に記事を書いてみました。
まぁ、三橋氏はインパクトのあるフレーズをという意味でこの言葉を使っているかもしれませんが、今回はあえてマジレスに挑戦してみます。ちなみに経済成長は三橋氏によるとGDP成長のことを指します。
というわけで、「経済成長こそすべての解」を分かりやすく書くと
GDP成長さえさせれば、すべての社会問題が解決する
となります。
これが本当に正しいかどうかを確かめるにはどうすればよいでしょうか?
GDP成長によって解決されない問題の存在を示せばよいわけです。
一番メジャーなものはこれでしょう。
アメリカではリーマンショック時に一過性に経済成長が停滞しましたが、それを除けば毎年2~3%のGDP成長率をキープしており、順調に経済成長しているわけですが、上図の「オキュパイ・ウォール・ストリート」のようなデモが行われるほど格差がかなり問題となっております。
2010年代のアメリカでは上位1%の層が富の約40%、上位10%の層が富の約70%を占めるのに対して、下位50%の層が占める富の割合はたったの2%でございます。
格差の拡大は政情の不安定化を招きますし、大きな社会問題となります。何より貧困自体が問題となります。(日本でも徐々に貧困率が上昇してきているようです。)
ダグラス・カス氏はスクリューフレーションという概念を提唱しましたが、このスクリューフレーションという現象を簡単に説明するとGDPも伸びて、企業収益も上がって、物価もどんどん上昇するが、労働者の賃金は下がっていくような現象ということですね。
このようにたとえGDPが成長したとしても中間層以下の貧困化が起こるケースは十分にあるわけですし、実際に安倍政権は消費税増税・法人税減税・各種賃金抑制政策といったスクリューフレーションを促進させるような政策を進めております。仮にこのような政策とセットに公共投資の拡大を行った場合にはGDP成長&中間層以下の貧困化のW達成も夢ではありません。
一応、おさらい↓
骨太方針2015…→日本骨折
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12048766025.html
まぁ、GDP成長すらできなさそうな雰囲気だったりしますね(;^_^A
さて、続いての問題はTPPやら英語化やら移民やらの問題です。これらも政府が現在せっせと推進している政策ですね。
もちろん、これらもGDP成長と同時にやることが可能です。しかも、日本で生産して日本で消費するのは外資や移民の方々で、日本人は総じて貧困に苦しむ可能性もあります。
ヨーロッパで起こっているような移民問題もいざ入ってきてしまえばGDP成長では解決できませんし、英語化なんてされたら日本人は奴隷化です。
英語化は愚民化 特設サイト
http://shinsho.shueisha.co.jp/se/
そんでもって、アメリカ式の医療制度が採用されると日本では一般人は病院にかかることすら困難となってしまったりしそうです。
堤未果「沈みゆく大国 アメリカ」特設サイト
http://shinsho.shueisha.co.jp/tsutsumi/
まぁ、保険料を政府に払ってもGDPにはなりませんから、民間の保険会社に加入してGDPに貢献した方が国のためかもですね(棒)( ̄▽ ̄)
というわけで、GDP成長では解決できない問題があるという事例を紹介してきました。
つまり、GDP成長だけではなく、スクリューフレーションを防ぎ、日本の文化や風土を守る政策を併せてやる必要があるわけですね。
次にGDP成長はいかなる場合も望ましいかどうかについて検討しましょう。
政府は経済成長の牽引役として「女性の社会進出」を大々的に打ち立てております。これは主婦層を労働の場に引っ張り出し、そして育児や家事はメイドにやらせることでGDPを拡大させようということが狙いでしょうか。
現在は家計の苦しさから共働き世帯が増えてきてはおりますが、子育て世代などの母親はパートやアルバイトをしながら家事・育児をしている家庭が多いのではないでしょうか。
さて、政府は将来的には扶養控除の廃止などを狙っている可能性もございますが、GDP成長を優先させるならば、主婦やパートタイマーの方々はフルタイムで仕事をしてもらって、家事・育児はメイドに任せた方がよさそうですね。
なんせ家事・育児はどんなにやってもGDPにはなりませんので( ̄▽ ̄)
主婦たちが家事・育児をせずに外に出て働けば138兆5000億円分GDPに加算されると内閣府は試算しております。
まぁ、主婦業をGDP換算するとそれを軽く上回りますがね。ただし、GDPにはカウントされませんが。
主婦の家事 単純労働と高度労働考慮したら年収1200万円換算
http://www.news-postseven.com/archives/20140629_263024.html
それに自分の家の事や自分の子供のことは自分でやりたいと思う方々の想いはGDPには換算できませんが相応の付加価値があるでしょう。
その他にはこういうケースはどうでしょうか。
趣味の日曜大工・家庭菜園は・・・既製品を購入すべき?
友だちへの悩み相談は・・・カウンセリングを受けに行くべき?
ご近所からの手作り雑貨(料理)のおすそわけは・・・受け取らずに店で買うべき?
子供にお手伝いは・・・させずに業者に頼むべき?
まぁ、現在の日本では家計的に後者を選択するのは難しいかもですが、みなさん家計的に余裕があったと仮定しましょう。前者はGDPになりませんが、後者はGDPになります。
しかし、前者には共同体や社会の安定、人々の福利につながる要素が含まれます。
GDPを優先させるべきかGDPにはカウントされないが価値のあるものを取るべきか、どちらだと思いますか?
経済成長には社会の安定・共同体意識が不可欠と言います。GDP成長を最優先に追いかけるとかえって成長を阻害してしまうこともあるでしょう。
社会の安定・共同体意識の保持を目指した政策をこそ進めていけば国民の豊かな生活という目的も果たせますし、経済成長という結果もおのずとついてくるものです。
経済成長は国民の豊かな生活を達成する為の一手段に過ぎません。それを「経済成長こそすべての解」という風に経済成長すること自体を目的に据えてしまうと、国民の豊かな生活から視点が外れてしまう他、経済成長自体も逃がしてしまうことになるのではないでしょうか。
たとえ話で言うと、100点を取るために数学を勉強する人と、数学の問題を解くのが好きで数学を勉強する人はどちらが伸びるか、どちらが生活の質がよいかという感じですかね。
まぁ、社会の安定・共同体意識も破壊してしまおうとしているのが現政府与党なんですがね(-"-;A
(参考書籍)
・『日本防衛論』 中野剛志
その1http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11836496747.html
その2http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11836515980.html
・『21世紀の資本論』 トマ・ピケティ (A.D.Thibeault 要約)
その0http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11891951450.html
その1http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11892151580.html
その2http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894579109.html
その3http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894753877.html
その4http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894820263.html
その5http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894821553.html
その6http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11894823148.html
・『資本主義の預言者たち』 中野剛志
その1 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991966963.html
その2 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991967232.html
その3 http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991976247.html
ちょっとばかり視野が広くなったという方はクリックお願いします。
人気ブログランキングへ
P.S.
進撃の庶民でも引き続き火曜日に『もう一つの進撃の庶民』を連載中です。
http://ameblo.jp/shingekinosyomin/
(他の曜日も漫画「アイドル新党なでしこ」の配信などキラーコンテンツ満載です。応援よろしくお願いします。)
「アイドル新党なでしこ!」の単行本第1巻も好評発売中
アイドル新党なでしこ!1 [Kindle版]遠藤万次郎 (著),香川ヒロ (著)
http://amzn.to/1FKkYWx
こちらのサイトも応援よろしくお願いします。
反・新自由主義ポータルコミュニティ ブルー・オーシャン
http://anti-neoliberalism.top/
P.P.S.
《くらえもんマスターシリーズ》
政治や経済についてよく分からない、もっと知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
政治経済初心者必見!!
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html
くらえもんが今まで解説した本について知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
くらえもんの気ままに読書まとめ
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944673248.html
くらえもんが至高のギャグマンガ「ドラえもん」を独自の視点でおもしろおかしく解説!興味のある方は下記のエントリーへレッツゴー!
くらえもん的ドラえもん解説
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11984784929.html
定番から最新曲まで、様々なジャンルの吹奏楽曲をくらえもんが独自の基準でチョイス。経験者も未経験者も吹奏楽の魅力を堪能あれ。
吹奏楽マニアに捧ぐ
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11991954668.html
メタボと経済の深い関係性や、いろんな健康情報、そして思想に関するエントリーのまとめはコチラ。
メタボと経済の不思議な関係
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-12005107441.html
くらえもんが「進撃の庶民」で連載しているバーチャルSFストーリーのまとめ&リンク集。
もう一つの進撃の庶民 全話一覧