骨太方針2015…→日本骨折

右上の方にについてのアンケートを設置してみました。1日1回投票可能ですので、どしどし投票してみて下さい。o((=゜ェ゜=))o 　定期的に設問内容を変更しておりますので要チェック！
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　以前のエントリー（下記リンク参照）で、政府の財政目標が決まったら考察すると書いていましたので（実はすっかり忘れていましたが）、今回は6月30日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針（通称「骨太方針」）2015について見ていきたいと思います。　

国の借金を体の仕組みで表現してみるとどうなるか

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962572273.html

　そう言えば、財政健全化の目標を「プライマリーバランス」にするか「債務残高GDP比」にするかでもめていたんでしたっけね。どっちもくだらない話ですが。

　そんでもって最近では成長重視で行く（政府）か歳出削減も併せて行く（自民党）かでももめているようなことも耳にしました。

　これ、勘違いしている人が結構多いかもしれませんが、債務残高GDP比を目標とすることも成長重視で財政再建を目指すことも

積極財政の意味は込められていませんので！

　政府の言う成長重視はあくまでネオリベグローバリズムの推進による成長ですからね。まぁ、うまくいくとは思えませんが…。ということはつまり

ネオリベグローバリズム

　　VS　緊縮財政

　という構図だったわけですね。

　これは当然ながらどちらがよいかという話ではありません。

どちらもダメです！！

（参考）アベノミクスは地獄への片道切符？

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967566402.html

　そう、どちらが勝とうが日本にとっては致命的というわけなのです。

　話は大きくそれましたが、骨太方針2015について詳しく見ていきましょう。

経済財政運営と改革の基本方針2015 について

～経済再生なくして財政健全化なし～

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2015/2015_basicpolicies_ja.pdf

　GDPはマイナス成長とかなってるくせに、アベノミクス自賛で経済の好循環が起こっているとか最初っから勘違い甚だしい感じですね(￣Д￣；；。

　でも、今日の本題はここではないので省略します。

　肝心の財政健全化目標はどうなったのでしょうか？

　第３章「経済・財政一体改革」の取組－「経済・財政再生計画」の中から目標に関する項を見てみましょう。

「2020 年度ＰＢ黒字化を実現することとし、そのため、ＰＢ赤字の対ＧＤＰ比を縮小していく。また、債務残高の対ＧＤＰ比を中長期的に着実に引き下げていく。」

　つまり、プライマリーバランスの黒字化目標は変わらないというわけですね。もしかしたら、一部の方は「債務残高の対ＧＤＰ比が目標に盛り込まれたぞ、やった！！」なんて思うかもしれませんが、そんな指標にもともと意味はありませんし、そもそもプライマリーバランス黒字化目標がある時点で論外です。

　では、具体的にはどのように財政健全化(苦笑)なるものをやっていくつもりなのでしょうか？

　計画の基本的な考え方という項には大きく分けて３つのことが書いてありました。それは「デフレ脱却・経済再生」「歳出改革」「歳入改革」の３つです。それでは各項目に関することを詳しく見てみましょう。

１・デフレ脱却・経済再生

「成長戦略の加速に向け、法人税改革、規制改革、官民ファンドや既存の設備投資関連税制の利活用、経済連携、対日直接投資等を更に促進するとともに、健康産業、観光、農林水産業、エネルギー等の成長産業化、さらにはロボット、人工知能やビッグデータ、オープンデータ等を活用した「産業大変革」を具体化する。同時に、生産性を向上させる投資や女性・若者・高齢者等の労働参加率の上昇等により供給面での取組の強化を実現する。さらに、企業の収益改善が雇用増加や賃金上昇に結び付き、それが消費や投資の拡大に結び付く「経済の好循環」を中小企業や地方の企業を含め更に拡大・深化させていく。」

　ネオリベ・グローバル・利益誘導のにおいがプンプンしますねぇ。

　法人税減税に労働規制緩和、岩盤規制の突破、国家戦略特区の推進…。

　あぁ、そう言えば例の改正国家戦略特区法（移民促進法案）は成立したようですね。しかも自民党の造反は参議院でもゼロだったとか。なんでも一部自治体では在留資格のない外国人の方も仕事ができるようになるとか。おっと、話がそれました。

　それから、TPPはじめ各種FTAの推進。（TiSAについてはここでは触れられていません…。不気味です。）

　また、対日直接投資の推進についてはこちらに基いて行われるようです。

外国企業の日本への誘致に向けた５つの約束

http://www.invest-japan.go.jp/promotion/0317/shiryo_03.pdf

以下、参考までに

【施光恒】「企業担当制」という約束

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/04/03/se-56/

クソッタレ海外企業誘致計画　前編

http://ameblo.jp/kattann2525/entry-12006336681.html

クソッタレ海外企業誘致計画　後編

http://ameblo.jp/kattann2525/entry-12006344331.html

　あとはサプライサイド的な話やらトリクルダウン的な話が書いてありますね。需要刺激策などほとんど見当たりませんでした。

　積極財政でデフレ脱却やら経済成長するという話はどうやら考えには一切無いようですね。まぁ、予想通りでしたが(-。－；)

　それにしても、どうして一般の国民を犠牲にして外国人が喜ぶような政策をガンガンすることでデフレ脱却やら経済成長につながると思うのか。もはやワザとやっていることを疑ってもいいレベルかもしれません(苦笑)。

２．歳出改革

「① 公的サービスの産業化
　公共サービス（医療・介護、子育てなどの社会保障サービスを含む。以下同じ。）及びそれと密接に関わる周辺サービスについて、民間企業等が公的主体と協力して担うことにより、選択肢を多様化するとともに、サービスを効率化する。
② インセンティブ改革
　政府はもとより、国民、企業、自治体等が自ら無駄をなくし、公共サービスの質の向上に取り組む意欲を喚起し、公共サービスの量的な増大を抑制する。
③ 公共サービスのイノベーション
　このような取組の基盤としての徹底した情報開示（見える化）、業務の簡素化・標準化、先進的な取組の普及、展開を進める。」

　公共サービスを民間に開放するというわけでレント・シーキングの匂いがプンプンします。あとは地方を締め上げたり、社会保障費の増大を抑制しようというわけですね。

　脚注には今後３年間での一般歳出の増加は1.6兆円程度に抑えていこうという方針のようです。（「いや、本文じゃなくて脚注だから問題ない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、政府がそういう方針で行くと言っていることに変わりはありません。法的拘束力という意味では本文と脚注に差はありませんし。）

　社会保障の項を見るとこちらは今後３年間の伸びは1.5兆円程度を目安に抑えるようで（こちらは本文です。）、先ほどの1.6兆円程度というのはほとんど社会保障費の伸びのことのようですね。（こちらもあくまで「目安」だから大丈夫という反論もあるかもしれませんが、でも「目安」にはされるということですので…。）

　いやぁ、公共投資を増やして経済活性化！なんて考えている気配は微塵もありませんなぁ…。

　地方自治体に対してもコストカットを頑張った自治体を優遇する（というかコストカットができなかった自治体は締め上げる？）ということのようですし。こりゃあ、田舎ほどひどいめに遭いそうな気もしますね…。

３．歳出改革

「歳入面では、社会保障制度を維持するため、経済環境を整える中で、消費税率の10％への引上げを平成29 年４月に実施する。」　

　まぁ、この方針は変わりないでしょうね。

　あとは、先ほどの成長戦略によって税収増が見込めるとか、マイナンバー制によって税金や保険料の徴収を適正化するとか、資産の売却なんかを当てにしているようですね。

　重要な国有地を中国人とか外資とかに売却したりしないかが心配だったり。

　「働き方・稼ぎ方への中立性・公平性の確保」の項なんて、はっきり書かれてはいませんが扶養控除の廃止とかを狙っているんじゃないでしょうかね。

　というわけで、政府の財政健全化に関する方針はこんな感じでした。

　これを見ての私の感想は

　債務残高GDP比が財政健全化目標に盛り込まれたぞ(^O^)/

　プライマリーバランスも2020年度までの間の細かな数値目標は入ってないぞ(^O^)/