国の借金を体の仕組みで表現してみるとどうなるか | くらえもんの気ままに独り言

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 今年初めての経済の話です。本題に入る前にこちらの話題を。


焦点:財政目標に債務残高GDP比採用へ、成長重視の首相意向で

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KP0ST20150116?pageNumber=1&virtualBrandChannel=14310


 つまり、財政健全化の指標として今までは基礎的財政収支(プライマリーバランス)を使っていたのですが、それに加えて債務残高GDP比を追加するかもしれないという話ですね。この記事中に出てくる「学者ブレーン」と「経済官庁幹部」とは藤井聡先生と中野剛志さんのことでしょうか(^ε^)?


 一見よさげな話ですが実際にどうなるかは未知数ですし、債務残高GDP比を目標に据えた場合でも実は様々な問題があったりするので、今のところは評価保留ですね。


 とりあえず、今年度の補正予算+来年度の本予算で見れば、政府支出も新規国債発行も減らす方針のようで・・・、2年連続マイナス成長の可能性が非常に高い感じですが。


(参考)平成27年度予算案と国債発行の抑制(真の国益を実現するブログ)

http://ameblo.jp/datoushinzoabe/entry-11976218501.html


 6月に政府の方針を改めて決めるらしいので、またその時にでも考察してみることにしましょう。しかし、再来年には消費税10%に上げるということですが・・・。


 加えて言いますと、本来は債務残高GDP比すらどうでもよい指標なんですが、個人的には「既に現在、政府の財政は健全過ぎるくらい健全です!!」と宣言してほしいところですね(^ε^)


 詳しい話はこちらの過去エントリーを是非お読みになってください。(未読の方は特に必読です。)


・国の借金って?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11822751320.html


・財政健全化などクソくらえだ

基礎編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929713823.html

応用編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929714957.html

実践編http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929717034.html


 それでは本題です。


 今回のテーマは以前もちょこっと書いたことと重複しますが、国の借金を体の仕組みで表してみるとどうなるかについて考えてみたいと思います。


 国家経済と体の仕組みは非常に似ているという点を当ブログにおきましては散々書いてきたわけですが、国の借金問題を体の仕組みとの関連で考えるとその実態がより理解しやすくなるのではないでしょうか。


 さて、国の借金という言葉は一般的には政府の債務残高のことと考えられています。


 IMF(国際通貨基金)の推計によれば日本の政府債務残高は2014年10月時点で約1197兆円になっており、これがいわゆる国の借金と呼ばれるものです。


 それでは、体の中で政府とはどこを指すのでしょうか?


 もちろんです。


 そして、公共事業運動であるという話は過去にした通りです。(筋肉は自分(政府)の意志で動かすことのできるという点が大きな共通点です。)


(参考)運動を嫌がる3つのタイプ B面

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11746428479.html


 実際の政府は公共投資をする際、国債を発行することによって資金を金融機関etc.より調達するわけですが、筋肉が運動を行う際、どこからエネルギー源を調達するでしょうか?


 ごく短期の運動であれば、筋肉内に貯蔵されたグリコーゲンをエネルギー源として利用するのですが、基本的には脂肪組織に蓄えられた脂肪酸や肝臓で作られたブドウ糖をエネルギー源として利用することになります。


 脂肪組織は一般銀行、肝臓は中央銀行(日銀)と考えてもらえば分かりやすいかと思います。


 つまり、運動が行われる際、筋肉は脂肪組織や肝臓からエネルギー源を借りてくるわけで、これがいわゆる国の借金です。


 ご飯を食べると、また肝臓や脂肪組織にエネルギー源が蓄えられ、それを運動するたびに借りてくるということを繰り返すわけですが、産まれてから今まで筋肉が肝臓や脂肪組織から調達してきたエネルギーの合計政府債務残高、つまりさっきの約1197兆円というわけです。


 これ、何か問題でもあります??


 ちなみに財政健全化目標のプライマリーバランスゼロというのは言うなれば、運動するときに肝臓や脂肪組織からエネルギー源を調達してはいけないという意味であります。脂肪を燃やすほどの運動をするなということは散歩すらしちゃダメってことですかね(苦笑)。


 というわけで、普通の生活をしている限り国の借金(産まれてから今まで筋肉が肝臓や脂肪組織から調達してきたエネルギーの合計)は増え続けていきます。むしろ、これが健全であり、国の借金が減る事態(筋肉が分解されて肝臓のエネルギー源として使われるケース?)の方がよっぽど不健全というわけです。


 こう考えると政府債務対GDP比についてはどうでしょうか。


 GDPについては1日に消費するカロリーの合計ということは以前に説明しました。(正確には消費するATPの合計ということになりますが、ここでは表現を分かりやすくするためにこのようにしておきます。)


(参考)GDPって何?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11854895145.html


 政府債務を「産まれてから今まで運動で消費したカロリーの合計」と言い換えると、政府債務対GDP比(産まれてから今まで運動で消費したカロリーの合計)/(1日に消費するカロリーの合計)ということになります。


 分子が今までの累積で、分母が1日あたりの値というわけで、そこの比をとる意味が全く分かりませんね。つまり、この政府債務対GDP比なる指標も何の参考にもならない、どうでもよい指標であるということが分かるかと思います。


 日本の政府債務対GDP比は財務省のHP(OECDのデータ推計値)によれば2014年では231.9%と国際比較してもぶっちぎりの高値をたたき出しております。(だから何?という話ですが・・・。)


 これを財政健全化の目標にするということはこの値を下げたいということなのでしょうか?別に構いませんが、どれくらい下げればよいというのでしょうか?さきほどのロイターの記事によれば、目標値を設定する(かもしれない)という話でしたので、ここでは主要先進国並みの100%を目指すと仮定しましょう(実際どのような目標を設定するのか、またはしないのかは分かりませんが)。


 それでは、以降は単なる数字遊びです。


 1日の消費カロリーを2000kcalと仮定して逆算すると、産まれてから今まで運動で消費したカロリーの合計はその2.319倍の4638kcalということになります。(ついでに現時点で運動で消費しているカロリーを200kcalと仮定しましょう。)


 運動による基礎代謝の牽引はたかが知れているので、乗数効果は実際の身体ではあまり期待できないかもしれませんが、ここでは運動が100kcal増えれば基礎代謝も100kcal増える(つまり乗数効果2)と仮定します。


 では、まず手始めに1日の運動量を1000kcal増やしてみましょう(体重50kgの人が追加で20kmジョギングするのに相当するカロリーですが(;^_^A)。これによって基礎代謝が1000kcal増え(実際にはこんなには増えません)て、1日の消費カロリーが4000kcalとなります(この状態で体重を維持するためには4000kcalの食事を摂取しなければなりませんが・・・)。もちろん、ここまでの変化を1日でもたらすのは困難なので、100日かけてここまで消費カロリーを増やしたと仮定しましょう(つまり、1日に10kcalずつ運動量を増やしたという仮定です)。


 すると政府債務対GDP比(産まれてから今まで運動で消費したカロリーの合計/1日に消費するカロリーの合計)はこのように変化します。


4638kcal/2000kcal

4848kcal/2020kcal (1日目)

5068kcal/2040kcal (2日目)

5298kcal/2060kcal (3日目)

    ・

    ・

    ・

122748kcal/3980kcal (99日目)

124738kcal/4000kcal (100日目)


 (分子の方はx日目に4638+200x+10x(x+1)/2という式(現時点での生まれてから今まで運動で消費したカロリーの合計+現時点で1日に運動で消費しているカロリー+運動を増やした分の消費カロリー)で計算し、分母の方は2000+20xという式(現時点での1日の消費カロリー+基礎代謝含めて増やした分の消費カロリー)で計算しております。)


 この単純なモデルで計算すると政府債務対GDP比は3118.45%というめちゃくちゃな数字になってしまいます。(1日の消費カロリーもムチャクチャな数字ですが(笑))


 ではぐっと短縮して20日間で目標達成したとしましょう。


4638kcal/2000kcal

4888kcal/2100kcal (1日目)

5138kcal/2200kcal (2日目)

5488kcal/2300kcal (3日目)

   ・

   ・ 

   ・

20188kcal/3900kcal (19日目)

21388kcal/4000kcal (20日目)


 これでも534.7%と債務対GDP比は拡大していますね。


 では、もっと短縮して5日間で達成したとしましょう。


4638kcal/2000kcal

5038kcal/2400kcal (1日目)

5638kcal/2800kcal (2日目)

6438kcal/3200kcal (3日目)

7438kcal/3600kcal (4日目)

8638kcal/4000kcal (5日目)


 これで、215.95%!ようやく政府債務対GDP比が下がりました!これを100日目まで続けるとどうなるか?


1034638kcal/42000kcal (100日目)


 がびーーーーーんΣ(゚д゚;)


 2463.42%!!


 100日後のGDPを21倍に増やした結果の債務残高がこんなになっているとは・・・。(まぁ、直線的に増やすのでなく、指数関数的に増やしていけば累積債務はまだ抑制できそうだとは思いますが・・・。)


 とまぁ、完全にありえない設定(体の仕組みからしても実際の経済からしてもです)で数字で遊んでみましたが、私の言いたかったことは政府債務対GDP比を財政再建の目標にすること自体もチャンチャラおかしい話であるということです。どんなに財政出動させようがそう簡単に下がるものではないですし、下がらなくても問題はないからです。


 では、政府債務対GDP比を減らす方法は本当にないのでしょうか?


 一つは甲状腺ホルモン剤内服。つまり、薬で甲状腺機能亢進症の状態を引き起こすというわけですね。


(参考)甲状腺(ホルモン)とは?

http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967559936.html


 消費税減税したうえで、公共投資(運動)をセーブするって感じでしょうか。これだと、1日の消費カロリーは格段に増えますが、運動による消費カロリーの累積は増えません。


 ただし、代謝が活発になりすぎて体がついていけないような状態になるとに至ります。(上記リンク参照)


 もう一つはガンになるってところでしょうか。発ガン性物質を大量に摂取するというわけですね。これも確実に1日の消費カロリーは増えます。実際の経済で言えば移民でしょうか。移民にガンガン働いてもらって、移民にガンガン消費してもらうイメージですかね。もちろんこちらもに至りますが・・・。


 というわけで、政府債務対GDP比を減らすという目標を立てる事すら、間違っているのではないでしょうかと思ったりもするわけです。


 それでは、今回のまとめです。


・国の借金とは産まれてから今まで運動で消費したカロリーの累積

・よって増え続けるのは当たり前

・政府の財政は健全なので、どんな指標であれ財政健全化目標を立てること自体が間違っている


 普通に健康を維持できるように運動(公共投資)してもらえればいいだけなんですがね・・・。


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