50話 ヨシダさんの意外な才能~盆栽とあんこだけじゃない!~
いつもの公園の朝。太陽がキラキラと木々の間から差し込んでいる。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。(平和な朝だ。データも安定。よし、今日のデータ収集プランは…公園を訪れる猫の種類別あんこ好き傾向の調査、だな。)
ハナちゃんは砂場で巨大な山脈を作っているし、チヨは霊体なので地面に寝転がって、霊界のテレビ番組をスマホで見ている。「あー、今日の霊界特番、『霊界グルメ旅!激辛地獄巡り』かぁ。霊体には味覚あんまり関係ないねんけどな。」霊界の番組もユニークだ。
そんな平和な朝に、ヨシダさんが公園にやってきた。いつものようにベンチに座り、新聞を広げている。しかし、今日のヨシダさんは、なんだかいつもと少し違う。目が輝いているような…そして、手にあんころ餅の箱じゃない、何か別のものを持っている。細長い…棒状のものだ。
「ヨシダさん、おはよう!」ハナちゃんが砂場から挨拶する。
「おはようございます!チヨちゃん、今日も寝転がってるんか!」ヨシダさんも挨拶を返す。
チヨは霊界番組から目を離し、ヨシダさんの手に持つものに気づいた。「ん?なんやそれ?ヨシダさん。新しい杖か?」
ヨシダさんはニヤリと笑った。「ふふふ…今日は、ワシの隠された才能を披露してやろうと思ってな。」
「隠された才能?」ハナちゃんが興味津々だ。
「ほう、ヨシダさんが隠された才能ねぇ…昔話のレパートリー以外にも何かあるんですか?」俺はタカシとして応じる。いつもは昔話とあんころ餅のイメージしかないからな。
ヨシダさんは手に持った棒状のものを高く掲げた。それは、なんとけん玉だった!ピカピカで、使い込まれている感じだ。
「ワシの隠された才能、その1!けん玉じゃ!」ヨシダさんはそう言うと、けん玉を始めた。
しかし、その腕前が尋常ではなかった。玉が空中に高く舞い上がり、吸い付くように皿に乗る。「もし亀!」「灯台!」といった基本技はもちろん、信じられないような難易度の技を次々と成功させていく。玉が高速で回転したり、糸がピンと張ったり緩んだり…まるで玉が生きているかのようだ。技が決まるたびに、「シャキーン!」「ピタッ!」と効果音まで聞こえてくる気がする。
「えええー!ヨシダさん、けん玉すごい!」ハナちゃんは目を丸くして驚いた。「まるで、けん玉の達人みたい!」
チヨは霊体なのに驚きすぎて、体が少し透明になった。「なんやて!?ヨシダさん、けん玉プロかよ!霊体やのに見入ってしまったわ!」チヨは霊感でヨシダさんのオーラを調べている。「うーん…けん玉のオーラ…強い…でも、霊力とは関係ないな。純粋な技術のオーラや…」霊感でもけん玉の腕前は測れないらしい。
タカシは、ヨシダさんの行動データを解析する。ヨシダさんの通常時の運動データと比較…運動能力…急上昇!けん玉操作精度…驚異的な数値!過去のデータとの一致率…0%!異常値だ!
(ヨシダさん…この動き…ただ者じゃないな…けん玉のデータ、過去のデータに全くないぞ!隠し持っていたのか!まさか、データだけでは測れない人間の才能ってやつか!?)俺は困惑しながらも、新しいデータ収集に夢中になる。けん玉の動きと脳波の関係、筋肉の動きと集中力のデータ…興味深い!
ヨシダさんは、けん玉をしながら昔話を始めた。「ワシが若い頃、このけん玉で世界中の猛者と渡り合ったことがあってな。山奥の仙人とか、宇宙のエイリアンとかと、このけん玉で勝負したんじゃ…」
「また昔話かよ!しかも相手エイリアンかよ!けん玉で宇宙人と勝負って、どんな世界やねん!」チヨがすかさずツッコミを入れる。せっかくけん玉の腕前に感心してたのに、話を聞いたらまたいつものヨシダさんだ。
「まあ、これは想像の中の話だがな!」ヨシダさんは照れ笑い。分かってるよ!
「でも、けん玉は本当にすごいね!」ハナちゃんは純粋に感心している。
ヨシダさんはさらに続けた。「隠された才能、その2!折り紙じゃ!」
ヨシダさんはポケットから折り紙を取り出すと、驚くべき速さで折り始めた。まるで魔法のように、あっという間に複雑な折り紙作品を作り上げていく。鶴、カニ…そして、なんと精巧なミニチュアのあんころ餅まで!
「うわー!すごい!あんころ餅の折り紙だ!」ハナちゃんは目を輝かせる。
チヨは霊体なのに、折り紙のあんころ餅を見て「美味しそう…」と呟いている。霊体なのに味が分かるのか、データ未収集だ。
タカシは、ヨシダさんの指先の動きを解析する。指先の速度…正確性…驚異的!こんな細かい作業ができるのか!そして…折り紙の完成形…データ照合…「あんころ餅」…データ一致。本物そっくりだ。
(ヨシダさんの指先…データ上では老化による衰えが見られるはずなのに…この正確性は何だ!?折り紙と脳機能の関係…新しいデータが取れるぞ!そして、折り紙であんころ餅を作る執念…データとして興味深い!)俺はデータ収集に没頭する。
ヨシダさんは次々と折り紙作品を作り、「隠された才能、その3!妙な楽器演奏じゃ!」と言って、どこからかリコーダーを取り出した。
そして、聞いたことのない、でもどこか心に響く、妙なメロディーを吹き始めた。音程は少し不安定だが、感情がこもっている。
「なんやこの曲…霊界の盆踊りより変や…でも、なんかええ曲やな…」チヨは霊体なのに聞き入っている。霊的な波動と共鳴するメロディーなのか?
タカシは、メロディーのデータを分析する。音程…不安定。リズム…独特。しかし…波動データ…心地よい…「癒し」のパラメータ…上昇!データ上でも「癒される」と判断される!
(このメロディー…データ上は不協和音に近いのに…なぜ「癒し」のパラメータが上昇するんだ!?音楽と感情の関連性…そして、ヨシダさんの演奏技術…データが全く説明できない現象だ!)俺は混乱する。データだけでは説明できないことが多すぎる。
ヨシダさんは、けん玉、折り紙、妙な楽器演奏と、次々と意外な才能を披露し、皆を驚かせ続けた。
「どうじゃ!ワシの隠された才能!驚いたか!」ヨシダさんは満足げな顔だ。
「はい!すごい!ヨシダさん、いろんなことができるんだね!」ハナちゃんは純粋に感心している。
「まさか、ヨシダさんがこんなに多才やったとは…霊界でも自慢できるわ!霊界漫才のネタになる!」チヨは驚きと感動が混ざった様子だ。霊界でもウケるらしい。
「ヨシダさん…あなたのデータは、まだ解析しきれていない領域が多いな。」俺はタカシとして応じる。「人間の可能性…データだけでは測れないものがあるんですね。」
ヨシダさんは笑った。「ワシは昔から、色々なことに興味があったんじゃ。まあ、大半は想像の中の話だがな!でも、やってみることも大事じゃろ?諦めずに続ければ、意外な才能が開花することもあるんじゃ。」
そして、ヨシダさんは、出来上がった折り紙のあんころ餅を、そっとポケットにしまった。
こうして、公園にまた一つ、ヨシダさんの意外な才能という、面白い謎が増えた。タカシのデータ収集は、人間の可能性という、さらに広大なフィールドへと広がっていく。そしてチヨとの漫才も、ヨシダさんの新ネタで盛り上がりそうだ。
51話 只今編集中(しばらくお待ちください)
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35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風
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40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走
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