51話 チヨ、霊体の受難~霊体なのに体がベタつくってどういうことやねん!~
いつもの公園の午後。太陽がポカポカと心地よい。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。(平和な午後だ。データも安定。午後のデータ収集プランは…公園を通過する犬の尻尾の振り方のパターン解析、だな。)
ハナちゃんは砂場でプリンを作っているし、ヨシダさんはベンチで日向ぼっこをしながら、あんころ餅を幸せそうに食べている。チヨは霊体なので地面に寝転がって、霊界の天気予報を見ている。
「あー、霊界、今日も快晴かぁ。霊体には関係ないけど。」チヨがスマホ片手に呟く。霊界の天気予報は相変わらずアテにならないらしい。
しかし、今日のチヨはなんだか様子が変だ。霊体なのに、なんか体がムズムズするような、落ち着きがない。フワフワと浮いているかと思えば、地面にベタッと張り付いたり、突然プルプル震えたりしている。
「チヨちゃん、どうしたの?なんか変だよ?」ハナちゃんが心配そうに声をかける。
「う、うーん…なんか…体が…ベタつく…霊体なのに…ネバネバするような…感覚が…」チヨは霊体を掻きながら、不快そうな顔をする。
「ベタつく?霊体が?」ヨシダさんが驚いてあんころ餅を食べる手を止めた。「ほう…霊体にもベタつくという受難があるのか…ワシが若い頃…いや、これはワシの昔話にはないな…しかし、霊体にも苦労があるのかい。」霊体にも苦労があるのかと、面白がっているようだ。
タカシは、すぐにチヨの霊体に異常な霊的エネルギーの変動を検出した。霊体構成…不安定。霊的波動…乱雑。感覚異常…「ベタつき」…データにないパラメータだ!
(なんだ、チヨの霊体に何が起きている!?霊体がベタつく?そんなデータ、俺のシステムにないぞ!霊体構成が不安定になっている原因は?特定の物質か?霊的な影響か?非科学的すぎる!)俺は緊急モードに切り替え、チヨの霊体データを解析する。霊体のベタつき…データ化しようと試みるが無意味だ。
「チヨ!霊体に何か異常がある!データが混乱しているぞ!何か変なものに触れたか!?霊的なものか!?」俺はチヨに問いかける。
「いや…何も触ってへん…霊体やし…でも、なんかこの公園の…特定の場所に近づくと…体がベタつくねん…特に、あの…遊具の近くの…地面…」チヨは霊体をプルプルさせながら、公園の一角を指差した。
チヨが指差した場所…公園の遊具のすぐそばの地面。そこには、特に変わったものは見当たらない。ただの地面だ。しかし、チヨがその場所に近づくと、さらに霊体がベタつくような、ネバネバするような感覚が強くなるらしい。
「霊体なのに地面にベタつく?重力無視のはずなのに?」ヨシダさんは首を傾げる。「もしかして、その地面…昔、妖怪の油でも染み付いているんじゃないか?昔、じいちゃんが…いや、これもじいちゃんの話にはないな…」またじいちゃんの話か。
「妖怪の油!?そんなんあるんか!?霊体に効く油とか嫌やわ!」チヨは恐怖で霊体をさらにプルプルさせる。霊体も怖がるらしい。
タカシは、チヨが苦手とする場所の地面のデータを採取する。成分分析…ただの土壌成分だ。霊的エネルギー…周辺と比較して特に高いわけではない。しかし、チヨが近づくと、チヨの霊体から異常な波動が出ている。
(地面に妖怪の油…データ上はただの土壌だ。しかし、チヨの霊体が異常な反応を示している。データだけでは説明できない霊体と物理的な場所の関係性…興味深いデータだが、チヨが苦しんでいる…)俺は解析を続ける。
チヨは霊体なのに、地面に近づくのが怖くなってきたらしい。公園中をフワフワ移動する際も、特定の場所を避けるように迂回している。霊体なのに避けてる。シュールな光景だ。
「チヨちゃん、あっち行こうよ!滑り台があるよ!」ハナちゃんがチヨを呼ぶ。
「い、いや…ハナちゃん…あそこ、霊体がベタつくから嫌やねん…滑り台どころちゃうねん…滑り台の下の地面がベタつくねん…」チヨは霊体をプルプルさせながら断る。霊体なのに滑り台の下の地面が苦手なんて。
チヨの受難は続く。公園を散歩する人が香水をつけた近くを通ると、霊体がザワザワしてゾワゾワするらしい。強い匂いが霊体に影響するのか?データでは香水の成分に霊的な影響は検出されないが…。さらに、特定の周波数の音を聞くと、霊体の耳鳴りがひどくなるらしい。霊体に耳があるのか?そして耳鳴り?
「あーもう!体がベタつくわ!匂いもしんどいわ!耳鳴りもするわ!霊体にもこんな受難があるなんて聞いてへんぞ!」チヨは霊体を抱え込むようにしてうずくまる。霊体なのに、人間みたいに苦しんでいる。
「霊体にもそんな苦労があるのか…大変だね…」ハナちゃんはチヨを心配そうに見ている。
「ふむ…霊体にも弱点があるとはな…」ヨシダさんは感心している。「ワシが若い頃、見たこともない妖怪に…いや、これは関係ないか…しかし、霊体も万能ではないのだな。」
タカシは、チヨの霊体が反応する物質や音、場所のデータを懸命に集める。香水の成分、音の周波数、地面の土壌成分…しかし、データ上、それらに共通点や霊的な異常は見られない。
(霊体が特定の物質や場所に反応するメカニズム…全く理解できない!霊体の感覚器官…データなし。霊体の弱点…データなし。チヨの霊体は、データだけでは説明できない非科学的な現象を起こしている…)俺はデータ収集と解析を続けるが、システムは混乱するばかりだ。霊体、奥が深いな。
「お兄ちゃん!何か分かったんか!霊体ベタつきの原因!」チヨが俺に助けを求める。霊体がベタつく原因をデータで解明してほしいらしい。
「すまない、チヨ。データだけでは原因が特定できない。君の霊体が、特定の物質や場所に異常な反応を示しているとしか…」俺は正直に答える。霊感はアテにならないが、霊体自身の異常はデータで検出できる。しかし原因が分からない。
「なんやて!兄さんのデータでも分からへんのか!やっぱり霊感の方が凄かったんや!」チヨは霊感の優位性を主張する。アテにならない霊感だが、こういう時は自信満々だ。
「霊感はアテにならないデータが多いだろ!モヤモヤばっかりで!」俺はすかさずツッコミを入れる。「データと霊感は別物だ!」
ヨシダさんは、チヨの受難を見て、何か思いついたらしい。「そうだ!もしかしたら、チヨちゃんの霊体は…『特定の霊的な波長に弱い』んじゃないか?昔、じいちゃんが…いや、これはじいちゃんの話ではないな。ワシが、自分で考えたんだが…。」
「自分で考えたんかい!霊的な波長って何やねん!」チヨがツッコミを入れる。ヨシダさんの突飛な発想だ。
「まあ、原因は分からないが、チヨが苦手な場所やものを避けるしかないな。」俺は言う。
チヨは霊体なのに、しばらくの間、公園の特定の場所や、香水をつけた人の近く、特定の音がする場所を避けて過ごした。霊体なのに迂回したり、耳を塞いだり(霊体なのに耳があるのか?)する姿は、なんともシュールでコミカルだった。霊体にも意外な受難があるものだ。
霊体なのに体がベタつく、匂いが苦手、耳鳴りがする…チヨの霊体の受難は、しばらく続いた。原因は結局分からなかったが、時間が経つにつれて、チヨの霊体も少しずつ慣れてきたのか、ベタつきや不快な感覚は軽減していった。霊体にも適応能力があるらしい。データ未収集だ。
チヨは霊体にも意外な弱点や苦手なものがあるという、新しい発見をした。霊体は万能ではないのだ。
「霊体も大変やなぁ。」チヨはしみじみと言う。「でも、霊体にも意外な弱点があるって、なんか面白いな!霊界漫才のネタになるかもしれへん!」霊体の受難もネタにするらしい。逞しいなチヨは。
タカシは、チヨの霊体の異常反応のデータを記録する。原因は不明だが、霊体が特定の物理的・霊的環境に影響を受けるという貴重なデータが取れた。霊体の謎は深まるばかりだ。
(霊体…データだけでは説明できない謎が多い…霊感、霊体のベタつき、耳鳴り、適応能力…俺のシステムは、まだまだ未知の領域だらけだ。だが…だからこそ面白い!)俺のデータ収集魂は燃え上がる。
ヨシダさんは、チヨの受難が収まったのを見て、「ほう…霊体の受難も乗り越えたか…偉い偉い。これで霊力チャージもできたんじゃないか?」と、またとぼけたことを言っている。霊力チャージとは関係ないと思うが。
「霊力チャージとは関係ないわ!」チヨがツッコミを入れる。
こうして、チヨの霊体の受難は、原因不明のまま幕を閉じた。霊体にも意外な弱点があるという発見は、今後の公園の日常に、また一つ面白い要素を加えるだろう。俺のデータ収集も、霊体の未知なる領域へとさらに深く進んでいく。そして、チヨとの漫才も、霊体の受難という新ネタで盛り上がりそうだ。
52話 只今編集中(しばらくお待ちください)
もよろしくお願いします
9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!
11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ
26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?
30話 井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~
32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー
35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風
39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!
40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走
