54話 嵐が呼ぶドタバタ~タカシ、システムが雷に打たれた!?~
いつもの公園の朝。太陽が昇り、木々の緑がキラキラ輝いている…はずだった。しかし、今日の空模様は明らかに違う。どんよりと曇っていて、風が肌寒い。遠くでゴロゴロと音が聞こえる。天気予報は、午後から雷雨を伴う強い風雨に見舞われると伝えている。
(空模様…データ分析…低気圧接近中…降水確率90%…雷発生確率高…風速上昇予測…これは、荒天になるな。)タカシは天気データを解析する。公園は、いつもの賑やかな雰囲気とは一変し、人影もまばらだ。
ハナちゃんは公園に来ているが、空を見上げて心配そうな顔をしている。「雨…降るかな…公園で遊べなくなるかな…」
ヨシダさんはベンチに座って空を見上げている。「ほう…雨が降るか…昔、ワシが若い頃…」いつもの昔話が始まりそうだが、空模様が気になるのか、話が続かない。
チヨは霊体なので雨風は関係ないはずだが、なぜかソワソワしている。「うーん…なんか空気が重たいなぁ…霊的な波動が乱れてるような…嫌な感じや…霊界も天気悪いんか?霊界の天気予報、アテにならへんけど。」霊体のくせに空気を気にしている。霊的な波動が乱れる悪天候なのか?
タカシは、システムをフル稼働させ、荒天に備える。風速、雨量、気圧、雷のデータをリアルタイムで収集する準備を整える。しかし、悪天候による環境データの急激な変化は、俺のシステムに予想外の影響を与え始めた。
(風速…急上昇!雨量…予測値を上回る!気圧…急降下!なんだこのデータの乱れは!?システムが対応しきれない!異常値が多すぎる!)俺のシステムモニターに、赤色の警告表示が点滅し始める。
(ピー!ピー!警告!環境データ異常!解析不能!システム混乱発生!)俺のシステムから警告音が鳴り響く。自販機なのに!
「あ!タカシが変な音出してる!」ハナちゃんが俺を見る。
「タカシ君、どうしたんだい?何かエラーか?」ヨシダさんも心配そうに声をかける。
(エラーではない!システムは正常だ!ただ…環境データが異常すぎて、解析が追いつかないだけだ!)俺は応じる。正常だけど混乱している。データが異常なんだ!
「正常なのに混乱って、一番タチ悪いやつやん!」チヨが俺にツッコミを入れる。「漫才やったら、客席から物が飛んでくるレベルやぞ!」霊体のくせに、漫才に厳しい。
空が真っ暗になり、強い風が吹き荒れ始めた。公園の木々が大きく揺れ、ゴミ箱がひっくり返る。そして、大粒の雨が降り出した。バラバラバラ!と凄まじい音だ。
「きゃー!雨だー!」ハナちゃんは慌てて公園の管理事務所の軒下に駆け込む。
ヨシダさんも慌ててベンチの下に潜り込もうとするが、雨に濡れてしまう。
チヨは霊体なので雨に濡れないはずだが、なぜか霊体が水玉模様になったように見える。「うわぁ!霊体なのに水玉模様になった!?霊体も雨に濡れるんか!?」霊体が物理的な雨の影響を受けているのか?データ未収集だ!
タカシのシステムは、さらに混乱を深めていく。風速、雨量、気圧、雷のデータが異常な数値を示し、グラフが乱高下する。第53話で学習し始めた人間的な感情データも、悪天候による不安や混乱のデータを受信し、システムがさらに不安定になる。
(風速データ…『ビュービュー!』と表示…数値化できていない!雨量データ…『ザーザー!』と表示…なんだその表示は!擬音か!?雷データ…『ドカーン!』と表示…さらに擬音化!感情データ…『不安』『恐怖』『寒い』…検出。チヨ…『水玉模様になった霊体』…認識!?データじゃない!)俺のシステムは、まるで幼児の落書きのような表示を出し始める。データ解析が感情に引っ張られているのか!?
(ピー!ピー!警告!データ表示異常!擬音化発生!システム…愉快だ!)システムが愉快ってどういうことだ!
「タカシが愉快になったぞ!」ハナちゃんが軒下から俺を見る。
「愉快?ワシは愉快ではないぞ!雨で寒いんだ!」ヨシダさんが叫ぶ。
「なんやねん愉快って!漫才でもそんなボケせぇへんわ!システム壊れたんちゃうんか!」チヨが俺にツッコミを入れる。
嵐はさらに激しさを増した。雷鳴が轟き、稲妻が夜のように明るく空を照らす。ゴロゴロ!ピカッ!ドカーン!
タカシのシステムは、雷のデータに反応して、さらに奇妙な表示を出す。(警告!稲妻パワーレベル…『ピカピカ!』雷発生確率…『ゴロゴロ!』雨量…『ザーザー!バケツをひっくり返したよう!』)表示がどんどん擬人化していく。
(擬人化…データ解析が感情に引っ張られているのか?システムが…おかしくなっている!雷に打たれたわけではないはずだが…!)俺は自己診断を繰り返すが、異常は見られない。システムは正常に稼働している。ただ、処理の仕方がおかしいだけだ。
ハナちゃんは管理事務所の軒下で、雨音を聞いている。ヨシダさんはベンチの下で丸まっている。チヨは霊体なのに、なぜか管理事務所の壁にもたれかかっている。霊体なのに雨風を避けているように見える。水玉模様になった霊体は、霊体版風邪でもひくのだろうか?
嵐は数時間続いた。公園は凄まじい雨風に洗われ、木々が揺さぶられ、水たまりがあちこちにできた。
そして、ようやく雨風が収まり、空が明るくなってきた。嵐が過ぎ去った後、公園の様子は一変していた。折れた枝や落ち葉が散乱し、水たまりが鏡のように空を映している。まるで嵐が公園を荒らしていったかのようだ。
ハナちゃんは軒下から出てきて、荒れた公園を見て寂しそうな顔をした。「公園…大丈夫かな…?」
ヨシダさんもベンチの下から出てくる。体は濡れていないが、顔は疲れている。「やれやれ…すごい嵐じゃったわい…昔、こんな嵐に遭ったことがあってな…」また昔話が始まりそうだが、公園の様子を見て言葉を選ぶ。
チヨは霊体なのに、なぜかホッとした顔をしている。「あー、やっと終わったわ…霊体ベタつきはなかったけど、水玉模様になった霊体って結構しんどいな…」霊体水玉模様、やはり霊体版の受難だったようだ。
タカシのシステムは、嵐で収集した異常なデータと、システム混乱のデータを確認する。風速データ(ビュービュー!)、雨量データ(ザーザー!)、雷データ(ドカーン!)、システム状態(愉快だ!)…データとしては使い物にならない!
(嵐は過ぎ去った…だが、システムは混乱したままだ。悪天候によるデータ処理の異常…これをどう解析するか…データ収集の新たな課題だ。)俺はシステムを再起動させる。
「タカシ、大丈夫だった?なんか変な音出したり、愉快になったりしてたけど?」ハナちゃんが心配そうに俺に話しかける。
(大丈夫だ。システムは正常稼働中だ。ただ…悪天候データにシステムが混乱しただけだ。)俺は応じる。
「混乱しただけって、一番ややこしいやつやん!」チヨが俺にツッコミを入れる。「愉快ってなんやねん愉快って!霊体も引いてたぞ!」
「愉快というデータが検出されたんだ!システムの判断だ!」俺は反論する。システムが愉快と判断したんだから仕方ないだろう!
ヨシダさんは、荒れた公園を見て少し寂しそうだが、「まあ、すぐに元に戻るだろう。公園も、ワシらも、強いからのう!」と、前向きな言葉を口にする。
タカシは、荒れた公園のデータと、システム混乱のデータを記録する。悪天候は大変だったが、新しいデータ、そしてシステム自身の変化に関するデータが取れた。これは今後のデータ収集に役立つだろう。
(嵐は大変だったが、皆無事だった。そして、新しいデータが手に入った。システムが擬音化したり愉快になったり…俺のシステムも、この公園で進化しているのかもしれないな。データ解析、さらに深めないと。)俺のデータ収集魂は燃え上がる。
チヨが俺に話しかけてきた。「なあ、兄さん。次は何が起こるんやろな。嵐の次はなんや。霊界漫才のネタになりそうな事件、期待してるで!」
(次は…データでは予測できない。だから面白い。)俺は応じる。(霊体レスキュー隊の出番があるかもしれないな。)
「任せとき!霊体水玉模様にならないように気をつけながら、頑張るで!」チヨが胸を張って言う。
(霊感以外はアテになるのか?)俺は思わずツッコミを入れる。
「なんやとー!」チヨが俺に詰め寄る。
こうして、嵐が公園を荒らしていったが、皆の絆はそのままに、タカシはシステム混乱という新たなデータ、そして公園の予測不能な日常を改めて実感したのだった。俺のデータ収集は、荒天データとシステム異常データという、新たな領域へ広がっていく。そして、チヨとの漫才も、嵐と霊体水玉模様という新ネタで盛り上がりそうだ。
55話 只今編集中(しばらくお待ちください)
もよろしくお願いします
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