《前編》 より

 

【なぜ選ばなくちゃいけないの?】
 ハーバードやマッキンゼーで出会った女性たちには、こんな選択肢(結婚か仕事か?)はまったくありませんでした。恋愛もいっぱいする。その一方で仕事もバリバリする。どちらか一方を選ぶのではなく、両方を手に入れようとする。そんな発想が身についています。「仕事と恋愛と、どっちが大切ですか?」などと質問をしても、彼女たちはその質問の意味さえ理解できないでしょう。「なぜ選ばなくちゃいけないの?」という答えが返ってくるはずです。
 彼女たちはとてもパワフルです。自分が手に入れたいものを絶対にあきらめません。人生は選択の連続ですが、したいことを捨てるという考えはありません。どうにかして両方を手に入れる。その方法を考え続けているのです。(p.108-109)
 欧米人の発想は、執着心が元にあっての選択問題ではない。生き方の基本としてそう発想するようになったのだろう。
 欧米は、日本以上に男尊女卑が強烈な文化だったのだから、欧米人女性とて最初からこのような考え方をしていたのではない。さらなる日本との違いは、個人主義的な発想が先にあること。
 故に、日本人女性が欧米人女性の真似をしようとしても、個人主義的風土のない日本人男性すべてに“両方を手に入れようとする女性を愛でる思いがあるかどうか”は別問題である。

 

 

【「根拠のない自信」が人を惹きつける】
 ビクトリア・ベッカムという女性がいます。サッカーのデビッド・ベッカム選手の奥さんとして知られています・・・中略・・・。
 たしかに彼女はとてもきれいですが、本職のモデルと比較すると小柄で、ずば抜けて美しいわけではありません。しかし彼女はいつも自信満々。私こそ最高だというオーラを放っているように見えます。
 ある雑誌のインタビューで、彼女はこう語っていました。
 「私が自信満々の根拠? そんなものはないわ。自信なんて、自分が勝手にもてばいいのよ。根拠なんて必要ない。根拠のない自信をもった人間は、自然と輝いて見えるものよ」 (p.119)
    《参照》   『ゾーンに入る技術』 辻秀一 (フォレスト出版) 《後編》
              【自分を信じるか疑うか】

 

 

【モチベーションを維持する方法】
 いつまでも新鮮な達成感を得るためにはどうすればいいのか。常にモチベーションを保ち続けるにはどうすればいいのか。それは、将来の目標をもつかどうかにかかっています。いまやっている自分の仕事を、どのような目標に役立てるのか。いかにしていまのキャリアを生かしていくのか。常に将来の目標を見据えながら仕事と向き合っていくことが大切かと思います。
 仕事の達成感というものは、誰かに与えられるものではありません。それは自分自身で生み出していくものです。(p.165)
 「仕事は、お金のために割り切ってするだけ」ということであれば、モチベーションも達成感も生み出せないだろう。やっつけ仕事をこなすだけの奴隷人生になってしまう。ゾンビ人生にしないためには、「将来のために、現在の仕事を活かす」という意識はどうしても必要。
 尤も、貨幣経済下の世界に生きること自体に根本的な違和感をもっている人は、かなり健全な精神をしているだろう。そんな人には、下記リンク著作が相応しい。
    《参照》   『モチベーション3.0』 ダニエル・ピンク (講談社文庫)

 

 

【大きなビジョン】
 ハーバードでは、本当に大きなビジョンを持った人たちにたくさん出会いました。
 アフリカから東南アジア、東欧、南米などを含む世界中のエリートが集まるところなので、これから国を動かそうという気持ちの人が普通にいます。・・・中略・・・。
 そういう人たちのビジョンは、私たちとはやっぱり違うものがあるなと感じました。一段高い丘の上から世界を見ている。自分が世の中を変えていくということを当たり前に考えているのです。
 先生方も、学生たちに「あなたたちは世界のトップクラスの人材だ」と言う意識を積極的に植え付けるようなところがありました。ここに来ている人たちは将来社会を変えていくんだという教育をあえてする。
 そういう中にいると視野が大きくなり、私自身いつのまにか、「世界を変える」というようなスケールの大きな話を友人たちと平気でしているようになっていました。ビジョンというものはそうやって気の持ち方から生まれていき、その思い込みから実際に大きな仕事につながっていくのだと思います。(p.174-175)
    《参照》   『いつか、すべての子供たちに』 ウェンディ・コップ (英治出版) 《前編》
              【この国の未来に・・・】

 

 

【近年の英語教育のズレ】
 いまの日本の英語教育は「文法重視」から「会話重視」へという流れにあるようですが、最初に口語表現に慣れてしまうと、後から矯正するのは簡単ではありません。
 私は日本の英語教育で文法の基礎を叩き込まれていましたので、慣れるにしたがって、ビジネスの場でも使える英語力が伸びていったように思います。
 英語をビジネスで使うようになってから、もう一つ気づいたことがあります。それは、ビジネス英語としては、発音はそこまで重要ではないということです。
 ・・・中略・・・。マッキンゼーの人は、多少発音がおかしくても内容さえよければ、何度も繰り返し聞いて熱心に理解しようと努めていました。
 一方、いくら発音がきれいでも、中身がなければ無視されてしまいます。(p.179-180)
 マキンゼーの大先輩である大前さんも全く同じことを言っている。
   《参照》   『即戦力の磨き方』 大前研一 (PHP新書)
             【語学力(英語力)】

 

 

【読書を習慣化して、世界観を広げる】
 本から学べることはほんとうに多く、昔から読書の時間は意識的に確保して、ざまざまなジャンルの本を読むようにしています。
 ハーバードやマッキンゼーで活躍していた人たちも、やはり読書量が並外れて多いと感じました。読書は考える力や判断力を養ってくれます。加えて、人の体験を知ることは、自分の人生への励ましにもなります。
 私はこれまでとくに、たくさんの自叙伝を読んできました。科学者や政治家、経営者、芸術家など分野を問わずさまざまな人の自叙伝を読みます。・・・中略・・・。彼らの生き方自体にたくさんのヒントが隠されていると感じるのです。(p.181)
    《参照》   『経営者よ咀嚼力を身につけよ! 深見所長講演録18』 (菱研)
              【一千冊の読書】
    《参照》   『一番下に潜れば、価格競争に勝てる!! 深見所長講演録23』 (菱研)
              【まとめる力】
    《参照》   『経営者よ すべて超一流を目指せ! 深見所長講演録16』 (菱研)
              【1日1時間以上テレビを見るようでは・・・】
    《参照》   『これがわかれば会社は儲かり続ける』  深見東州  たちばな出版 
              【国語力】
    《参照》   『「知の衰退」からいかに脱出するか?』 大前研一 (光文社) 《中編》
              【1読んだら5考えよ】
    《参照》   『本当に読んでほしい本150冊』 三浦展&勝間和代 (プレジデント社)
              【頭を鍛えるためにはやはり読書】
 書籍ジャンルの中で、人生賦活作用最大は、何といっても自伝だろう。

 

 

【修正する力】
 目標というものはいくらきちんと設定したところで、常に変化にさらされています。
 大切なことは、自分の目標がずれたときに、うまく修正する力を持っているかどうかです。私が見てきた一流と言われる人たち、とくに第一線で活躍している女性たちは、この「修正する力」が優れているように思います。
 こんなはずじゃなかった、などと嘆いている暇があったら、さっさと目標を変えてしまいましょう。過ぎ去った時間も達成できなかった目標もためらうことなく「削除フォルダー」に捨ててしまうのです。(p.185)
 人生には不確定な因子が多い。といより不確定因子だらけだから、ピッタリ、キッチリの目標達成にこだわりすぎるのは現実的ではない。「修正しながら、継続する」ことの方が重要だろう。

 

 

【社会貢献はエリートの義務】
 マイクロソフト社を立ち上げ、世界的な成功に導いた彼がもっとも力を入れているのが、いわゆる社会貢献ということでした。
 彼は奥様のメリンダさんとともに「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を創設しました。世界中の恵まれない子供たちに予防接種を普及させることで、乳幼児の死亡率を何とか引き下げたいと考えたからです。(p.190)
 欧米世界では、エリートの社会貢献は、ノブレス・オブリージェ(高貴さに伴う義務)として、普通に理解されていることであって、それはそれで尊い行為であることに違いはない。
 しかし、予防接種を推進している連中が、羊の毛皮を着た狼であることを知らないようでは、お話にならない。医者としての肩書を持つ著者さんは、予防接種の本当の目的を全く理解していないらしい。不見識では済まされない極めて重大なことである。
    《参照》   『空洞地球』  ダイアン・ロビンス (徳間書店) 《前編》
              【予防接種から新生児を守って!】

 

 

 この読書記録の中に、3名のマッキンゼー関係者・経験者(大前研一さん、勝間和代さん、山梨広一さん)の著作がある。

 

 

 ブログ内検索、または、「インデックス著者名」フォルダーから探してください。

 

<了>