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 タイトルは、「一番上を泳いでいると、猫に食われちゃうよ」 という意味でもある。

 

 

【利は元にあり】
 「利は元にあり」 という、昔から言われている原則を徹底的に実行しているのです。そうでないと、平々凡々な粗利だけで終わってしまって、平凡なレベルから永遠に脱皮できない、と思うわけです。(p.26)
 とにかく、直輸入するために、自分で香港まで行って、直輸入のラインを作ってきました。(p.78)
 「元」 というのは製造元(に近い方)という意味だろう。中間の流通業者を通していては平々凡々な利益になってしまうから、「一番下まで潜って、価格競争に勝つぞ~」 という意味。

 

 下記の書籍には、「義」 まで含む類似な言葉の解釈が示されている。
   《参照》   『中国古典からもらった不思議な力』 北尾吉孝 (三笠書房)
             【 『利の元は義』 】
 

 

【直営ショップなんてアッカンベー】
 私たちと同じよう商社は、メーカーと契約書を書き、保証金を積んで代理店契約を結んだんです。 ・・・(中略)・・・ 相手の腹はそこだったんです。直営ショップ系列にすると、並行輸入するのをメーカーがディフェンドできる。そうでなかったら、希望価格を提示しても、いくらで売ろうと、あるいはどこから仕入れて売ろうと勝手です。(p.105-107)
 本当の意味で企業家精神のある人なら、直営ショップの契約などしないだろう。親方日の丸的なスタンスを好む人って、公務員的ではあっても自助独立の精神を有すべき経営者ではない。 「前例がない・・・」 とか 「上が決めたから・・」 という決まり文句で括ってしまい、自己責任の名において堂々と行動しない人々って、ほんとに▼◆である。
 ところで、上掲の結末であるけれど、直営ショップの契約要請を蹴ったけれど、やりたい放題の手前勝手な販売をしたのではない。
 われわれは節を貫いたのでかえって、「あの会社は立派だ」 と評価されました。(p.109)
 カッチョイイ。流石。

 

 

【当座預金】
 一般の会社員が、「当座を開きたいんですけど」 と言っても、「当座ですか?」 と言われます。そんなに難しくはありません。もちろん、すぐに開けるんですけども、小切手とか手形の場合はもう当座でなければいけない。普通預金ではダメなんです。その代わり、当座預金は利子がつかないです。(p.42-43)
 へぇ~。
 普通の国語辞典に書いてあることだけど、その世界を生きてないと知らない事ばかり。
 この文章は辞書を引くことの重要性を語るために記述されている。

 

 

【書籍の贈り魔】
 仏教のことを勉強する場合も同じです。まず百科事典から入っていって、もっと詳しく知りたい場合には、仏教事典で調べていけばいいのです。神道でもっとすごいのは 『神道大系』 です。全巻で二百何十万円するんですけれど、すべて神道用語の意味が載っています。松下幸之助さんが寄付をして、肝煎りでつくったんです。それで、私たちは神道国際学会を結成し、『神道大系』 をいろんな大学に寄付しています。(p.47)
 松氏幸之助さんの名前が、こんなところに出てきてちょっと驚く。
 『神道大系』 が贈られたのは、コロンビア大学、オスロ大学、浙江大学と書かれている。著者は本贈りフリークで、著者が総長となっている カンボジア大学 には、夥しい数の図書が、“ The Toshu Fukami library “ として寄贈されている。カンボジアの孤児たちを養育する施設内には ” Sunrise library “ と名付けた別棟図書館があるし、貧しい人々を無料で診療する病院内にも、現地人医師たちが自分で学習できるようにと、専門書が天井まで並んだ一室がある。専門書って一冊だってスッゴク高価!なのである。
 本を買うお金のない人々でも、存分に本が読めていつでも勉強ができる。本が好きでない人には、どうってことないかもしれないけれど、私なんかはこういうところに痛く感動する。
   《参照》   『ラララ 親善大使』 紺野美沙子 (小学館)
             【カンボジアのHIV】
 

 

【まとめる力】
 頭が一番動くのは50代ですから、50代になっても要約力、読解力、論述力がなくて、何が言いたいのか分からない、言いたいことを頭でまとめられない、という人は、人をまとめることができない、ということです。というのは、人の意見をまとめられないからです。(p.52)
 現役で医学部に入るような人は理数系など出来て当然だから、要は国語の点数が合否の分かれ目になっているのだろう。学生時代、角田さんという医学部の知人がいて、彼が一緒に聴いていた講演の要約をしていたのだけれど、講演者本人の話を聞いていた時よりも良く分かった、というちょっとビックリの経験がある。確かに、頭のいい人には際立った要約力がある。
 国語力 = 要約力のある人というのは、当然のことながら言葉一つ一つをおろそかにしていない。様々な用語の意味を把握した語彙力は前提である。当然のことながら辞書は必需品である。普通の人々は、分からない言葉をそのまま放置して、なんとなく分かっていればそれでよくって終わってしまう。しかし、それではポイントや繋がりがボンヤリとしたままで、全体を具体的にまとめることができないことにもなりかねない。日常生活では支障がなくとも、ビジネスの世界ではなかなかそれでは生きられない。
 
 
<了>