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 頭の回転力が落ちてきたと思ったらビジネス書を読むことにしている。経営に携わる人々の意欲に刺激されて、フラフラヨロヨロ頭でも少しは賦活してもらえるものである。

 

 

【気学はメイド・イン・ジャパンの占い】
 家康公の亡骸を地理風水学に基づいて日光に移したのが、黒衣の宰相と言われている天海和尚です。山王一実神道をつくった人です。その天海和尚が地理風水学、方位学、墓相学をすべて知っていて、徳川家が末代までも栄えるようにということで、日光に家康公のお墓を移し、それが将軍家代々に伝わる門外不出の法になったのです。天皇家に伝わっていたものを天海が指南したわけです。
 ところが明治維新以降、その門外不出だった法が一般社会に流出し始め、大正時代になると、園田真二郎という人が杉並の荻窪に大正館というのをつくって、気学として完成させました。八門遁甲のうちの九宮というのと、陰陽五行説や易経をミックスさせてつくった、メイド・イン・ジャパンの占いが気学です。(p.16)
 キーワードがいっぱい。

 

 

【独学】
 大阪国際ホテルの総料理長だった西村修一さんという人は、世界料理オリンピックの日本代表を務めたことのある人です ・・・(中略)・・・ 。
 料理人の世界と言うのは、昔の徒弟制度そのままの非常に厳しい世界です。 ・・・(中略)・・・ 中学校しか出ていない人、高校しか出ていない人がたくさん集まって、身体で料理を覚えていく。それがコックの世界です。日本料理の世界もそうです。
 しかし、フランス料理の場合、メニューは全部フランス語で書かなければなりません。だから西村さんも、中学校しか出ていないんですが、独学でフランス語を勉強してマスターしたんです。西村さんはフランス語の本が読めます。(p.74-75)
 大学の教養課程の語学なんてほとんど役には立たない。仕事で使わなければ身につかないものだから。プロの自覚を持って学ばないものは身につかない。だから、大卒だろうと中卒だろうと関係ない。意志を伴う独学、それが全てである。
 下記は、中卒の料理人から、志摩観光ホテルの総支配人になった方の著作。
  《参照》  『プロ・サラリーマン』 高橋忠之 (致知出版社)
            【記録する・読む】

 

 

【1日1時間以上テレビを見るようでは・・・】
 最近、陰山英男先生のことが話題になっています。 ・・・(中略)・・・ 山口小学校で教鞭をとっていた当時、ゆとり教育に異議を唱えて、独自の教育法を実践していた先生です。それで、卒業生の多くが有名な国公立大学へ行っている。 ・・・(中略)・・・ 。それで陰山先生がおっしゃるには、「一日一時間以上テレビを見る生徒で勉強のできる子はいない」 と。 (p.82)
 稀に優れた番組もあるにはあるけれど、お笑いと料理ばかりの番組をズッ~ト見てばっかりいたら、脳がフニャフニャになってしまうのではないかと思うことがある。本を読んでいても小説ばかり3冊続けたら似た感じになる。
 かく言う私も、高校時代までテレビ漬け生活者だったから、ピーマンみたいにカラッポ頭だった。高校を卒業してから10年間ほどテレビのない生活をしていたから、スカスカなりに中身ができてピーマン頭がナス頭程度には進化したかもしれない。
 できるだけ早い時期から、脳力全開で生きる習慣を身につけた人は、煌めいた人生になることだろう。ボーっとしながらテレビを見る受身ではなく、意識的に書物に向かう能動で脳を休ませない脳力が能力を生むはずである。

 

 

【営業部長のNさん】
 深見所長が営業のビジネスマンだったころの話。
 N部長の家に招待されたんです。 ・・・(中略)・・・ 。応接室に入ったら、周囲がすべて本棚で囲まれていたんです。 ・・・(中略)・・・ 。経済から財務まで、また、円高円安に関する本や、国際関係、契約関係の本など、とにかく話題になっている本と言う本が、ずらっと並んでいたんです。 ・・・(中略)・・・ 。
 あんな下品で、あんなエッチな話ばかりしていて、いつも酒ばかり飲んでいる人が、こんな努力をしていたとは、ということで、私はものすごい衝撃を受けました。 ・・・(中略)・・・ 実は接待の席でもお酒はあまり飲んでいなかったのです。(p.94)
 私の知っている大学時代の先輩たちは、当然のことのようにいろんな本を読んでいたから、このN部長のような人に出会っても私は驚かない。むしろ、真面目だけど “それだけ” という人にビックリする。
 都内の大型書店では、かなりのスペースをさいてビジネス書を販売している。売れ筋の書籍は数十冊が平積みになって高さの増減を競っているけれど、地方都市の書店ではビジネス書のスペース自体が余りにも狭く、平積みというより展示程度で重なりは僅かに2・3冊である。
 都市の経済規模と書店のビジネス書の充実度は明らかに比例している。都市においても個人においても経済格差の元はビジネス意欲の格差以外にあり得ない。宴会でたらふくお酒を飲み、家に帰って爆睡しているだけの公務員が人口の多くを占めるような地方都市は、まちがいなく脳死している。
 
 
<了>