皆さま
このために、今までのことが
起きていたのか!と急に
様々なことが腑に落ちるときが、
あります。
そう、それこそが、大きな大きな
人生の転換点でもあるのです。
そういう風に人生を見直してみたり、
これからを創造していくと、とても
興味深いですよ。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「畳職人、和(なごみ)の生き物語」
~⑫離れていた星と星が並走し始める~
前回までのお話しはこちらです。
これからどうしていこうかと、アイデアを
求めて近所を散歩することにした、
畳職人の和(なごみ)は、今日という日が
なんだかいつもと違うように感じていました。
それは、決してネガティブなものではなく、
幼少期に感じたウキウキ感、ワクワク感、
それらが、いつもより近くに感じることが
できていたのです。
そうして、和は近所をそんな感情を
しっかりと感じながら、歩いていました。
真っすぐに延びた一本道を歩いていると、
遠くの方に、まったくもって顔などは
見えませんが、和の焦点を絞る存在が
現れたのです。
和の視覚では、この人物らしき物体は、
知っている人間だと認識していません。
でも、和の何か別の感覚が、この人物は
絶対に自分自身にとって大切な人間だと
感じていたのです。
一本道を互いに歩を進ませていきます。
少しずつ、視覚でもその姿はハッキリと
してくるのです。
その感覚が狭まってきたとき、和の
確信はさらに確信させていきました。
そう、目の前に現れたのは、あの
従兄弟の洋だったのです。
和と洋は、小学生振りに再会したのです。
もちろん、同級生だったので、どちらも
大人になっていますが、誰だかわからない
なんてことはありませんでした。
和は、久しぶりに見る洋を目を輝かせながら
じっくりと見ています。
洋は、さすが中東に長らく行っていただけ
あって、見た目は本当に変わっていました。
「久しぶりだな」
最初に声を発したのは、中東帰りの洋でした。
「久しぶり」
「ずいぶんと見た目が変わったな」
和は、続けざまに洋を見た感想を
伝えるのです。
「良く、俺だってわかったな?」
「お前は全然変わってないよ」
洋は、自分の姿を自分で見て、
和に確認をしました。
「本当か?」
和は、洋を見つめながらとても
懐かしむように、口角を上げます。
「見た目は変わっても、洋の目の輝きがあのときと一緒だ」
「だから、こうして突然会ってもすぐにわかったよ」
洋は、そんなことを言われるとは
思っていなかったのか、驚きを
隠せない様子でした。
「実は、俺もお前を見て・・・」
「あ、変わってないな」
「そう、思ったんだ」
その後、和と洋は、久方ぶりの
再会を時を忘れて楽しみました。
和も洋も「時を忘れて」楽しむことなど、
あのとき以来でした。
大切な思い出話をしたり、今の
現状も話しました。
洋が、突然日本帰ってきたことも
なぜなのか、そんなことも
大いに盛り上がったのです。
その中から、単なる偶然なのか
そうではないのか、不思議なことが
わかったのです。
和は、畳職人として今までそれを生業と
してやってきました。
なんと、洋は、中東で、絨毯職人として
生きてきていたのです。
ここで、遠くに離れていた、星と星が
ぶつからないようにスッと並走し始めた
瞬間のような気さえしました。
そのことは、和と洋、2人ともが
大いに驚いたのです。
【続く】
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執筆依頼なども承っております。
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この物語を読んで何か一つでも
感じていただけたら嬉しく思います。
世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう
想いを乗せて書いています。
皆さまよろしくお願いいたします。