皆さま

 

生きているとスムーズに

ことが進む時期もあれば、

様々な課題のような、自分と

向き合う必要のあるような、

出来事が起きる時期もあります。

 

そんな逆境を乗り越えてみると、

やっぱり人間は成長を果たすと

いうことにつながっていきます。

 

あ、もちろんあえて逆境ばかりの

人生を選ぼうというお話しではありませんからね。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「畳職人、和(なごみ)の生き物語」

~⑥逆境と感じることもいつか良き経験となる~

 

前回のお話しはこちらです。

~①少年時代、不運な出来事が和を襲う~

~②愛されなかったと信じる子ども時代~

~③子ども時代に感じたワクワク感~

~④仕事を選ぶときのコツ~

~⑤粘り強く行動してみることも大切~

 

なかなな就職が決まらなかった

和(なごみ)でしたが、なんと最後は

母からの紹介で、畳職人になることが

決まったのです。

 

いくつもの畳屋で、難色を示されてきた

和が左目が見えないことについても

了承してくれた畳屋でした。

 

しかし、和の期待や希望とは裏腹に

なかなか畳職人としての道は険しい

ものが待っていたのです。

 

その畳屋には、和と同時に入った

修行を共にする職人の卵たちがいます。

 

和以外の数人と、和の間ではどうしても

技術を習得するための時間に違いが

出てきたのです。

 

それもそのはずなのです。

和の左目は幼少期の事故が原因で、

見えなくなっています。

 

どうしても、畳を針で縫う際に、

焦点を合わせることに時間がかかるのです。

 

そのため、和は何度も自分の手を

針で刺してしまったり、怪我も多かったのです。

 

それでも、畳屋の親方も、当の和自身も

まったく諦める様子はありませんでした。

 

いわば同期ともいえる、職人の卵たちは、

どんどんと技術を習得して、次の工程へと

進んでいきます。

 

和が焦る場面もあったには、ありましたが、

それでも懸命に、自分の左目が見えない

ことを言い訳にすることもなく、自分のペースで

修行をし続けました。

 

そうして、和たち畳職人の卵たちの

修行は日々日々進んでいきます。

 

周囲から見たらこれは、致し方ないと

思っても当然なのだと思うのですが、

和以外の畳職人の卵たちの、

職人としての門出が決まったのです。

 

和は、「おめでとう」と声をかすめることなく

そんな風に仲間たちに、賛辞の言葉を

送りました。

 

でも、内心では、やっぱり、和はとても

悔しさを覚えていたのです。

 

その日は誰もいなくなった畳屋の自分で

こさえた畳の上で、悔しくて悔しくて

涙を流し続けました。

 

それでも、和は来る日も来る日も休むことなく

畳屋に通い続けて、修行を続けるのです。

 

それは、和を襲ってくる、

「左目の見えない自分に畳職人なんて無理なんだ」

という、ある種の思い込みでした。

 

それを振り払うかのように、和は毎日

畳や親方、そして何より自分自身と向き合い

続けるのです。

 

同じ畳職人の卵たちの門出を送り出して、

少し、気持ちが落ち込み始めていた和に

一本の電話がかかってきました。

 

和は、電話がかかってきたこの日、特に

電話がかかってくることは、何もしりませんでしたが、

どうも胸騒ぎがしていたのか、畳と向き合ってみても

どうにも集中力が続かず、珍しくイライラして

過ごしていたのです。

 

そんな矢先にかかってきた電話、

それは、母の兄にあたる人からでした。

 

和からすると、叔父さんということに

なります。

 

【続く】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。