皆さま

 

人生を楽しむために、時には

大きな覚悟をすることがあるかも

しれません。

 

覚悟をすることで、大きく道が

開かれることだってあるのですね。

 

詳しくは本文をお読みください。

 

本日もよろしくお願いします。

 

【自己紹介】

幸せな人生に転換できた僕の物語

 

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「畳職人、和(なごみ)の生き物語」

~⑩一度切りの人生を楽しむための覚悟~

 

前回までのお話しはこちらです。

~①少年時代、不運な出来事が和を襲う~

~②愛されなかったと信じる子ども時代~

~③子ども時代に感じたワクワク感~

~④仕事を選ぶときのコツ~

~⑤粘り強く行動してみることも大切~

~⑥逆境と感じることもいつか良き経験となる~

~⑦大切な人を失う圧倒的な恐怖感~

~⑧自分の気持ちを浄化させる~

~⑨気持ちを整え、自分らしく生きる~

 

心の底から甘えたかった母の死という

大きな別れを経験した畳職人の

和(なごみ)でしたが、徐々に

自身の気持ちも整理されていきました。

 

そして、それを機に和は畳職人としての

腕も相当に上げていったのです。

 

それは、母との死の直前に和の

幼少期からの本音を出し、

甘えるということを完遂することが

できたことにもありました。

 

幼少期に感じた愛を欲する行動を、

大人になって成仏させてあげる

ことができたのです。

 

それによって、和は自分自身を

受け入れていきました。

 

左目が見えないことで、周囲より

進みが劣ることもありました。

 

そのことも、受け入れられたことで、

自分なりの表現方法に転換して

いくことができたのです。

 

そこに、和が畳職人として

飛躍し始める大きな理由が

隠れていました。

 

和は畳職人として、良質で

人気を集める言わば作品を

作り続けています。

 

和も傲慢になったつもりでは

ありませんが、どこかで色々な

作品を一通り作ってきたように

感じていました。

 

だからこそ、次のステージというものが

あるのならば、そこで畳職人として、

いや、ひとりの人間として生きてみたいと

思うようになります。

 

和は、ここである種の覚悟を

決めました。

 

今までお世話になった、この

畳屋を辞めることにしたのです。

 

それは、やっぱり、和は次のステージに

行きたかったからです。

 

もちろん、残りながらできることも

あると思います。

 

でも、人生一度切りとはよく言ったもので、

挑戦をしたくなっていました。

 

とはいえ、この畳屋には相当なる

感謝の気持ちを和は持っています。

 

高校卒業したばかりの、若く青い自分を、

しかも左目が見えないということまでも

承知の上で雇い入れてくれたのです。

 

なかなか職人として、次のステップに

進めない和のこともじっと待ってくれました。

 

和は、感謝していたのです。

 

だから、畳屋を辞めると親方に伝えるとき、

寂しくて、ありがたくて、和は泣きました。

 

泣くくらいなら辞めなくてもいいのに、と

そんな考え方もありますが、和はそれくらい

覚悟をしていたのです。

 

そんなに愛着のある畳屋を辞めるわけです。

他ではこんな自分を受け入れてはくれない

可能性だってあります。

 

和の話しを聞きながら、親方は真っすぐに

和の目を見ていました。

 

一通り、話しを聞いた親方は、スーッと

息を大きく吐いて、和に伝えるのです。

 

「和、お前の覚悟は伝わった。だから止めることはしない」

「和を大切な仲間だと思うからこそ言うが、もう戻ってくるなよ」

 

和は、深々と頭を下げて、

「ありがとうございます」

 

これだけを親方に伝えました。

 

親方は、和の覚悟が甘いと感じたら、

きっと和を引き留めたのだと思います。

 

でも、覚悟をした人間というのは、どこか

違うのです。

 

そう、和は、新しい世界で生きることに

相当なる覚悟を持っていました。

 

実は、そうはいったものの和は

これからどこの畳屋に所属するかも、

会社を立ち上げるのかも、

まったくもって決めていなかったのです。

 

人は、「無謀過ぎる」「計画性がなさすぎる」

そう和のことを評価しました。

 

でも、もう和は次のステージに向かって

走り出したのです。

 

【続く】

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この物語を読んで何か一つでも

感じていただけたら嬉しく思います。

世の中が今よりも幸せな場所になっていきますよう

想いを乗せて書いています。

 

皆さまよろしくお願いいたします。