映画本 「 怖い、映画 」
表紙が 『 吸血の群れ 』(72年)なのが 不安で、かなり 迷ったけど、
購入。
途中だけど、今のところは 面白い。
ほとんどの人は 興味がないと 思うけど…。
( みんな 『 シュワルツェネッガー主義 』 読んでるんだろうな~ )
ホラー映画を ジャンル分け して紹介している 本 でありません。
( このシリーズは 全部?そうだが )
テーマ としては 「 モダン・ホラー 」( 現代的な恐怖 )になるようですが、
年代的に あまり ピンと 来ないんだよな…。
誰得か わからんけど、とりあえず 第1章 の感想 など。
第1章 「 モダンホラーの夜明け 」
中原昌也 の 「 『顔のない眼』とグラン・ギニョール 」 では、
フランスの 悪趣味さ、大衆風刺・メディア の えげつなさ の言及が
興味深い。
( 一応、書いておくけど、悪趣味さ は どこの国にもありますよ )
「 グラン・ギニョール 」 は 悪趣味、タブーを 題材にした演劇を
上演していた 劇場の名前 ですね。
オシャレと 言われる フランス(文化?) だけど、
ユーモア や ジョーク が 結構 きつい 印象があり、
映画としては 「 コメディ 」 や 「 刑事もの 」 で ヒドイのが たまに
あり、軽く 引いちゃう 事が ありますね。
イギリス も 悪趣味 だけど、ジョークは シニカル で、
「 全てを笑う 」 から、不快感は 無いんだよな~。
で、 『 顔のない眼 』( 59年 ジョルジュ・フランジュ 監督 )。
昔観てますが、例によって あまり 覚えてないですね。
でも 面白かった記憶はありますよ。
話としては、
事故で 顔にヤケドを 負った 娘 の為に、医師の父親 が
女性をさらって、その顔の皮膚を 娘の顔に 移植 しようとする
「 マッド・ドクターもの 」 で、
父の 娘への想い が悲しく、その想いの重荷に 苦しむ 娘 が また
切なくて、やるせない話でしたね。
グラン・ギニョール 的な映画 として、『 悪魔のような女 』(55年)、
『 地獄の貴婦人 』(74年)が 挙げられていたけど、
『 悪魔のような女 』 は “仕掛け” は 悪趣味 だったけど、
あまり グラン~っぽく 無いような。
でも、偽装結婚、保険金詐欺 を 繰り返し、強請ってきた男 は
殺して 硫酸で 溶かす、『 地獄の貴婦人 』 は グラン~っぽい ですね。
(ちなみに 主演は ロミー・シュナイダー、音楽は エンニオ・モリコーネ)
あと、中原昌也 は 「 1968年革命とモダンホラー映画 」 として、
小説 から モダンホラー映画 の始まり を 書いていました。
小説 だと S・キング が すぐ思い浮かぶけど 中原 は
ロバート・ブロック ( 『 サイコ 』 の原作者 )、
リチャード・マシスン ( 『 激突!』 の原作者 )を挙げていていました。
そう言われれば 『 サイコ 』 は モダンホラーっぽいし、
トラック から 煽られる( 襲われる )話 の 『 激突!』 に 至っては、
昨今の “あおり運転” そのままで、まさに 現代的な恐怖 ですね。
( 『 激突!』 は 作者の実体験が元 らしい )
「 68年の モダンホラー 映画 」 として
『 ローズマリーの赤ちゃん 』( 原作は 67年 ) と、
『 ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 』 を挙げていました。
『 ローズマリーの~ 』 は ミア・ファロー が 可愛くて 健気でしたね。
子守歌のような テーマ曲も 良かったな~。
個人的に あの終わり方 は、
無事に 生まれたので まあまあ いいエンディング かな。
人間でも 悪いヤツ は 沢山いるので、悪魔の子 の 1人や 2人、
どうってことないと 思うけど…。
( 逆に 目が変わってるっぽいので イジメ や、差別 させられないか
心配…)
個人的に 68年の 「 現代的な恐怖 映画 」 を考えてみると、
石油タンクの上 からの “遠距離 射撃 殺人” が 恐ろしかった、
『 殺人者はライフルを持っている!』
( ピーター・ボグダノビッチ 監督 デビュー作。 主演 ボリス・カーロフ )
や、
“老婆絞殺事件” を スタイリッシュ? に 描いていた 『 絞殺魔 』
( 監督 リチャード・フライシャー、 主演 トニー・カーティス で 実話モノ )
を 挙げるかな。
ホラー というより サスペンスより だけど…。
( 『 絞殺魔 』 は たしか TSUTAYA の 「 発掘良品 」 であった )
伊東美和 の 「 死人があとからついてくる 『 恐怖の足跡 』 」 は、
「 主人公は 死んでいた オチ 」 映画に ついて。
( なので ネタバレあり )
私が 最初に観た 「 死んでたオチ 」 映画 は、深夜映画で 観た
『 ジェイコブス・ラダー 』(90年) で、軽くショックを 受けましたね。
昔は 一部の人 しか知らなかった 「 オチ 」 けど、
『 シックス・センス 』(99年)で 一般に 広まり、今や 珍しく なくなり、
『 50回目のファーストキス 』(04年) では、『 シックス~』 の 「 オチ 」が、切なくも 笑える 使い方を されていていましたね。
でも、オチ だけで 「 死んでたオチ 」作品 が 評価される事が
多いのは 少し悲しい。
( これは 他の オチ でも 同じだが…)
面白い視点 だったのが、「 死んでたオチ 」映画 として、
『 ファイナル・デスティネーション 』(00年) を挙げていた事で、
変化球気味 だけど 「 死んでたオチ 」 の “スプラッター版” とは
言い得て妙 だと思いましたね。
『 恐怖の足跡 』(62年)は 数年前に 観たので、まあまあ 覚えてますよ。
古い作品 だし、当然 オチも 知っていたけど、不穏な空気感は
なかなか 楽しく、面白かったですね。
最後、主人公は 廃遊園地 で 死者たちと ダンスを 踊るけど、
そこに 悲観さ は感じず、むしろ 楽しそうに 見えたな~。
死んでも 他の死者 がいれば、結構 楽しいのかも しれません。
あっ、でも 黒沢清 監督、『 回路 』(01年)では、
死んだら ず~っと ( 永遠に?)“1人” だったけどね。
第2章 に続くかも。