「 怪屍 」(韓/1980)
スペイン・イタリアの “ゾンビ映画”『 悪魔の墓場 』(74年)を 韓国が 完コピ?
先月 紹介した インド版 “エルム街の悪夢”『 Mahakaal 』。
その時の「 自動翻訳 」は ダメダメでしたが
「 字幕がダメでも 大まかな 設定 & 展開が 分かっていれば
何とかなる 」
と分かったので、
同じく 映画本『 謎の映画 』の「 完コピ失敗映画 」の項で紹介されていた 韓国ゾンビ映画『 怪屍 』も観てみることに。
『 怪屍 』が製作された 1980年といえば すでに『 ゾンビ 』(78年)が公開されていましたが( 日本では 翌年に 公開 )
この頃 韓国は 軍事政権下で 検閲も 厳しかったためか 未公開。
何とか ゾンビ・ブームに乗っかりたい…と思ったのかは わかりませんが、
スペイン・イタリアの ゾンビ映画『 悪魔の墓場 』を基に台湾と合作企画で 製作したのが 本作…のようです。
それと「 韓国初のゾンビ映画 」みたいですね。
ちなみに『 悪魔の墓場 』は 日本では『 ゾンビ 』よりも早い
75年に公開されています。
内容の前に まずは「 YouTube 」の「 自動翻訳 」から。
( 詳しくは『 Mahakaal 』の記事を参照 )
元の言語が 英語じゃなかったので あまり期待はしていなかったんですが、
韓国語 → 英語字幕 → 日本語字幕 と リレーした 翻訳は 悪くなったですね。
( インドは 多言語なので それで ダメダメだったのかも )
少しオカシナ訳も ありましたが「 映像 」や「 状況 」から 言いたい事は だいたい わかりますよ。
それと、試しに 韓国語字幕 → 日本語字幕も やってみたんですが そっちは 少々難がありましたね。
で 本作ですが、「 あらすじ 」としては…
環境会議に参加するため 5年ぶりに 台湾から 韓国へやってきた カン・ミョンは、
同じく アメリカから 韓国へと 姉を訪ねに帰国した ユ・スジ の車に乗せてもらう。
しばらくし 車を停めて カン・ミョンだけが 村への道を 訊くため 少し山を登ったところにある「 研究施設 」を訪ねる。
そこに たまたま居た カン・ミョンの大学の同窓、ジュンスに
よると、ここで「 超音波 」を使った「 虫の駆除 」の実験をしているらしい。
一方、下で待っていた スジは ずぶ濡れの男に 襲われる……。
と、『 悪魔の墓場 』ほぼ そのまま。
ちなみに『 悪魔の墓場 』は 数年前に 観ましたが、すでに
細かいところは 忘れてます。
内容としては『 悪墓 』と同じく「 サバイバル 」といよりも
「 怪奇( ホラー )サスペンス 」でしたね。
『 悪墓 』の舞台は イギリスで その「 寒々しい空気感 」が特徴的でしたが、
こちらも 山中が 妙に うら寂しかったりと 空気感も 似通ってました。
観る時に「 年齢確認のログイン 」が必要だったので もしかして残酷度が 高いのかも…と チョット期待したんですが、
まったく そんな事はなく、後半の「死体」もフツーでした…。
(『 悪魔の墓場 』の “死体” 担当は ジャネット・デ・ロッシ。
グロさは あまりないけど 死体は リアル )
それでも「 怪奇ムード 」は なかなか良かったし、
「 ゾンビ 」も 一部「 獣 」っぽい?のが あったものの、
結構 不気味で 思っていた以上に 愉しく 観れましたね。
ここから「 画像 」。( ネタバレあり )
〔『 怪屍 』 タイトル 〕
「 タイトルバック 」は 姉を訪ねるため 5年ぶりに韓国へと帰って来た ユ・スジ。
〔『 怪屍 』 ユ・スジの車に乗せてもらった カン・ミョン 〕
環境会議に出るため 韓国へ来た カン・ミョンは 通りかかった ユ・スジの車に乗せてもらう事に。
この2人が主人公。
カン・ミョン役の人は 実際に 台湾の人みたいですね。
関係ないけど「 字幕 」小さく設定してしまった…。
〔『 怪屍 』 超音波を使った「 害虫駆除 」実験 〕
途中、カン・ミョンは 村への道を訊くために 山の上にある 研究施設を訪問。
〔『 怪屍 』 害虫を駆逐してやる 〕
そこには カン・ミョンの 大学の同窓の ジュンスがおり、
彼から ここで「 超音波による 害虫駆除の実験 」を行っていることを知らされる。
〔『 怪屍 』 藪から現れた ずぶ濡れ男 〕
一方、下で待っていた ユ・スジを突如、ずぶ濡れの男が襲う。
〔『 怪屍 』 ジュンスによる「 溺死事故 」の情報 〕
何とか逃げ切った彼女は 帰って来た カン・ミョンに報告。
一緒にいた ジュンスは 2人に
「 この間の事故の 被害者に似てるが 彼は死んでいる 」
と伝えるのだった。
〔『 怪屍 』 ユ・スジ夫が死体で発見され、捜査に 〕
場面が変わって、
山に写真を撮りに行っていた ユ・スジの姉の夫が「 死体 」となって発見される。
夫が出発して しばらく経ったあとに 夫を捜しに 山へ行った
ユ・スジ姉が アヤシイ男に 襲われそうになっていたが、
警察は ユ・スジ姉と よそ者の カン・ミョンに 疑いを掛けるのだった……。
というのが だいたい前半。
観た人は わかると思いますが『 悪墓 』と ほとんど 一緒ですね。
〔『 怪屍 』 村では 乳児の死亡が 増加 〕
病院での「 乳児の死亡が 増加している 」のくだりもあります。
〔『 怪屍 』 「 溺死した男 」の写真 〕
その後は、
ひょんなことから 2人は「 溺死した男 」の写真を ゲット、
その遺体を確認するため「 遺体安置所 」へ…という流れに。
その「 遺体確認 」のくだりが 最初の見せ場で『 悪墓 』でも
楽しい場面でしたが、
こちらは 最初の方は 画面が暗くて 不気味さよりも ストレスの方が 強いんですよ。
〔『 怪屍 』 『 バイオ 』の序盤っぽい場面 〕
ここも「 残酷 」を やわらげるためか すぐカットが 替わって
おり、演出として チョット残念でしたね。
〔『 怪屍 』 動く死体 〕
ここも 明るさ補正しても こんな感じで暗く、「 赤い照明 」や「 影 」が イイのに 身に迫ってこないんですよ。
〔『 怪屍 』 構える カン・ミョン 〕
でも カン・ミョンが 空手で 構えるところには グッときたな。
「 攻撃が 全然効かない 」ところも 笑えたし。
〔『 怪屍 』 「 遺体安置所 」の ゾンビ場面 〕
〔『 怪屍 』
死体に襲われる、カン・ミョンを尾行していた 刑事 〕
カン・ミョンたちを 刑事が尾行しており、その刑事が ゾンビに殺された事で ますます カン・ミョンの立場が悪くなる事態に。
〔『 怪屍 』 とある科学の超音波ゾンビ 〕
本作(『 悪墓 』)は「 超音波の影響で 動き出した 」ゾンビ。
〔『 怪屍 』 松明で身を守る カン・ミョン 〕
あと、昔のゾンビに多い、火に弱い タイプ。
〔『 怪屍 』 “動く死体” の警告する カン・ミョン 〕
危機を脱した後、カン・ミョンが 研究施設へ行き
「 死体が動いて 人を襲う 」と 訴えるが 信じてもらえず。
それどころか 科学者たちは「 超音波の範囲 」を拡げる計画を
立てていた。
その範囲内には 病院が含まれていて…
〔『 怪屍 』 姉の夫・ゾンビとの遭遇 〕
そのころ、またしても ユ・スジが 姉の夫・ゾンビ に襲われてます。
〔『 怪屍 』 病院ゾンビ 〕
青みがかった「 ゾンビ顔のアップ 」の演出、怪奇っぽくて
結構 好き。
〔『 怪屍 』 包帯ゾンビ 〕
「 包帯ゾンビ 」も ちゃんと いましたね。
『 悪墓 』では 愉しい場面だったけど、こちらは 雰囲気自体は
悪くないものの いろいろと弱めで あまり盛り上がらず。
〔『 怪屍 』 夫ゾンビに襲われる ユ・スジ姉 〕
家にいた ユ・スジ姉も 夫ゾンビに 襲われ ジ・エンド、
超音波の影響で 動き出す。
〔『 怪屍 』
終盤「 ジュンスを襲う カン・ミョン 」と「 施設爆破 」〕
直接描写が 無かったので 載せないけど、
いろいろあった後、家で倒れていた ユ・スジ姉を カン・ミョンが 助けて車に乗せてしまい、運転中に 背後から襲われます。
そして終盤、死んで「 動く死体となった 」カン・ミョンが研究施設へと行き ジュンスを襲い、
その過程で「 超音波機器 」が破壊され、最後は 研究施設ごと 爆破と 豪快に 終わってます。
という事で、いろいろと アレなため オススメは出来ませんが、
「 韓国初のゾンビ映画 」という 押さえておきたい作品(?)でもあるので 興味があったら チェックしてみてください。
という事で 今回は 終わり。