私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

番組告知

シリーズ 黒い画集~紐 共犯者

 

原作 松本清張『強き蟻』
脚本 西岡琢也
監督 黒沢直輔

キャスト
沢田伊佐子 - 若村麻由美
沢田信弘 - 津川雅彦
宮原素子 - 星野真里 口述記録者
佐伯義男 - 別所哲也 弁護士
塩月芳彦 - 伊武雅刀 伊佐子の元パトロン
川瀬 - 神山繁
石井寛二 - 賀集利樹 IT会社社長
浜口正 - 本田大輔 石井の部下
川本サキ - 鷲尾真知子 家政婦
豊子 - 筒井真理子 沢田の長女
妙子 - 野田よし子 沢田の次女
東郷信用金庫 安田支店長 - 春田純一
骨董屋 - 江藤漢斉

感想
玉の輿に乗った女と、その周りに群がる男たち。
夫から宛がわれた六本木の店には飽き足らず、出資を募って銀座に店を出そうとする伊佐子。出資者の石井を篭絡。そして古くからのパトロン塩月。更に弁護士佐伯と、類は友を呼ぶ。
今回のケースでは殺人の謎解きなどは一切なく、終盤にかけて「伊佐子って、バカやなぁ・・・」ぐらいで終わるかと思ったら、えらいところから伏兵が出て、みんなかっさらって行った。
こういう終わり方も、なかなか爽快。
オマケ1
小説レビューがある。概ねドラマと同じ流れではあるが、小説の結末は供述書だけみたい(脚本の余地が多い)

米倉版も観たいナー。
2
AIとのやりとり。あっちもポンコツだがこっちもか(笑)
長いやりとりでも、URLを記録しておくと完全復元出来る。

 


あらすじ
大手精密機械メーカ重役の沢田信弘と、その妻伊佐子。30歳も年が離れている。六本木のレストランで食事をする二人を見る男二人。沢田には松濤に、親から相続した500坪の土地がある・・・


そこに顔を出す石井寛二はIT会社社長。そして部下の浜口。
わざと沢田に「お父様ですか?」と訊く石井。


昔店で働いていたバイトだと、沢田に石井を紹介する伊佐子。
スタッフに二人の接待を任せ、彼らの後ろ姿を睨む伊佐子。
墓の前 強き蟻ゐて 奔走す 西東三鬼

いつも通りの沢田家の朝。朝食を作り、沢田に食べさせる伊佐子。家政婦のサキ。沢田を会社まで送るのは伊佐子の仕事。


結婚前は、この町で洋酒のセールスをしていた伊佐子。
会社は「HINODE 製作所」川瀬社長に挨拶する沢田。

工事中の店で指示を出す伊佐子を訪れる、石井と浜口。

この銀座二号店に出資していた。昨日は、六本木の一号店のリサーチだったと言い訳をする。副社長になったと挨拶する浜口。
伊佐子に本気で惚れているかも、と浜口に話す石井。
それを見送る赤い雨傘。

石井を訪れる伊佐子。またそこにも赤い雨傘。
無施錠のドアを開けて中に入る。女ものの靴が。
ベッドで女が寝ていた。後ろから伊佐子を抱き締める石井。


帰ると言う伊佐子に、女はすぐ帰すと言って寝室に行くが、慌てて戻って来た。「死んでる・・・」


突き飛ばしたがケガなんかしていない。睡眠薬を飲んだと言う。


関わりたくなくて逃げ出す伊佐子。それを見送る赤い傘。

家に戻るとサキが、沢田の具合が悪くなって医者を呼んだという。診立てでは「狭心症」一度病院で検査が必要と言われた。


お嬢様方への連絡・・と言うサキを遮る伊佐子。

朝、何事もなかった様に起きる沢田。
そこに浜口からの電話。「石井、捕まりましたよ」
呼び出されて話を聞く伊佐子。あのあと石井に呼ばれた浜口。
マザコンと言われて突き倒し、女が頭を打ったが、すぐに起きて寝室へ行った。その後タバコを買いに行って戻った。それ以降は伊佐子の記憶と同じ。刑事事件をこなせる優秀な弁護士を紹介して欲しいとの、石井の願いを伝える浜口。

高級割烹で、以前から付き合いのある塩月に、弁護士の紹介を頼む伊佐子。国会議員のおじの威光で暮している塩月。

今回塩ちゃんが出資してくれなかったからこうなったと愚痴る。弁護士、何とかなるでしょ?と隣の部屋を開ける伊佐子。布団が敷いてあった。背広を脱ぐ塩月。

伊佐子が戻ると沢田が、川瀬社長が会長になり新社長が銀行から来ると言った。自分は取締役を退くことになる・・・
伊佐子に付きまとわない様に、自叙伝を書くと言い出す沢田。

そしてやって来たライターの宮原素子。

沢田の口述を聞いて文章をまとめる。さして興味のない伊佐子。



塩月のおじに紹介された「佐伯法律事務所」に赴いた伊佐子。


出迎えた佐伯に、逮捕された石井の新聞記事を見せる。

そして彼が銀座二号店の出資者だと続けた。石井を外に出さないで欲しいと言われて驚く佐伯。

主人に彼との関係を知られたくない・・・
希望に沿うと言う佐伯に「伊佐子、って呼んで下さい・・・」



伊佐子と共に湯船に浸かる沢田。


「私、再婚はしない」と言う伊佐子。

会社で突然倒れる沢田。

駆け付ける伊佐子。


担当医から、今度倒れたら危険だと言われた。

サキから連絡を受けて見舞いに来た娘二人に、面会謝絶だと言って会わせなかった伊佐子。


病院そばにホテルを取り、そこから通う事にした伊佐子。そんな彼女を訪れて、沢田の死後君と結婚したいと言い出す浜口。

佐伯に状況を聞く伊佐子。石井が殺人罪で起訴されたという。


石井側の睡眠薬説にも根拠があり、今後は微妙だと言う佐伯。
伊佐子の念押しに「分かってますよ・・・」

伊佐子が病室を覗くと、宮原が来ていて沢田の口述を記録していた。楽しそうな沢田。そのまま戻った伊佐子。



佐伯をホテルの部屋に誘う伊佐子。身の上話を始める。
自分の家は千葉の勝浦で民宿をやっていた。

そして両親は二年前、交通事故で死んだという。「私はそんなのはイヤ!」
そしていずれオーベルジュを経営したいと夢を話す。
そんな伊佐子にキスをして黙らせる佐伯。その様子をドアの外から盗聴していた浜口。

報せを受けて病院に駆け付ける伊佐子。ICU入りの沢田。


病室に戻ると宮原が来ていた。彼女に不満をぶつける伊佐子。
そこに浜口がやって来る。それに続いて沢田の娘の豊子と妙子が入って来た。娘二人には自分が伝えたと言う宮原。

屋上で浜口と話す伊佐子。遺言書をまだ書いてもらっていないと聞いて驚く浜口。盗聴の事を匂わせ、圧力をかけた。



たまたまおじの見舞いに来ていた塩月。店に出資してくれていた。そして、何とかして欲しい男がいると相談する伊佐子。
ようやくICUから脱した沢田。
ツテを辿って殺し屋に行きつく伊沙子。



それを済ませた後、牛丼を食べる伊佐子。そこに宮原が現れる。
「ウチのお父さんには内緒よ」と言って食べ続ける伊佐子。


こんな遅くに何の用が?と訊かれて狼狽える伊佐子。

銀座二号店の開店。挨拶する伊佐子。店の外に赤い傘。

退社する浜口。自分の車に乗った時、襲われる。

 

会長の川瀬が訪れて、沢田の退職についての話をして帰った。


その件をきっかけに将来の不安を話す伊佐子。遺言を書くと言った沢田。早速佐伯を呼ぶ。大学時代の友人の弟だと紹介した。
署名捺印した遺言書は佐伯に預かってもらうと言う伊佐子。


だが沢田は二号店のことを知っていた。

喫茶店で集まる沢田の娘 豊子と妙子。互いに「彼女」に呼ばれたという。「何か悪い話よ・・・」



二週間後
沢田が自宅に戻った。おざなりな態度の伊佐子。
佐伯から浜口が行方不明だと聞かされる伊佐子。会社は不渡りを出して潰れたという。石井の裁判は優勢だとのこと。どちらの意味にも取れる。法廷に立つと弁護士の性が出ると言う佐伯。
今夜行くと言う佐伯。「試してみよう」



合鍵を使って沢田宅の勝手口を開ける佐伯。そこに赤い傘。
熟睡している沢田。
その屋根裏倉庫で愛し合う佐伯と伊佐子。


誰かに見られている様な気がする佐伯。
「沢田が見たら、驚いて心臓か止まるかも」と伊佐子。
そして伊佐子は二人の情事を録音していた。


「何のために?・・・」「ヒ・ミ・ツ」


割烹で塩月と話す伊佐子。

塩月は、頼みとするおじに死なれて会社をクビになっていた。

興味ないと冷たく言う伊佐子は、食べ物屋への出資も断って去った。西東三鬼の句を呟く塩月。
墓の前 強き蟻ゐて 奔走す

口述の途中で寝てしまった沢田。宮原が誰かに電話する。


「沢田さん、気分いいようなので、例の件話したらどうかと」

佐伯を誘い出し、匿名の者としてホテル買収の話を持ち掛ける塩月。ただし条件がある。複数の店を持っている女性・・・


その条件にドンピシャの人がいると言う塩月。

佐伯と共に熱海の物件を見る伊佐子。

オーベルジュの思いが膨らむ。

だが今の私には買えないと言う伊佐子に、遺言書を担保に金が借りられると言う佐伯。希望を持つ伊佐子。



伊佐子に、石井の判決が来週出ると教える佐伯。それから浜口が死体で見つかったとも。意に介さない伊佐子。

遺言書を担保に金を貸すという「東郷信用金庫」を訪ねる佐伯と伊沙子。だが対応する支店長 安田の反応が悪い。


夜、バーで飲む安田を懐柔する伊沙子。

石井が無罪となって拘置所から出された。浜口が殺されたことと会社が潰れたことを告げる佐伯。

伊佐子に会いたいと言う石井に、諦めろと言い含める。

伊佐子に接待されて舞い上がる安田。それを陰で見る石井。


ホテルの売買契約を結ぶ伊佐子。

手付金の500万を支払った。

残金は銀行の融資決済が下り次第。相手は根屋不動産。


目の前に現れた石井を見て逃げ出す伊佐子は、佐伯の事務所に乗り込んで抗議した。手は打ってあると返す佐伯に、ホテルの契約をしたと告げる伊佐子。融資が正式に決まる前に契約とは無茶だと言い、本件から下りるという佐伯。


「遺言書の執行だけはちゃんとやってくださいよ」と伊佐子。

ある夜、目覚めた沢田は妙なあえぎ声を聞いて上階に向かう。声は屋根裏部屋からしていた。その途中で伊佐子が呼ぶ。
慌てて戻る途中で発作を起こし、階段を落ちる沢田。
呼吸していないのを確認する伊佐子。

屋根裏部屋から、佐伯との情事を再生中のレコーダーを回収した伊佐子。その上でサキに電話。



そして沢田の葬儀。

焼香する佐伯は、たまたま塩月を見つけて問い詰める。

今までの事を白状した塩月は、熱海の物件は訳ありだと教えた。遺言書を担保にした融資話も嘘。

焼香にやって来た宮原は、口述を纏めたノートを置いて行った。
そこに弁護士を連れた豊子と妙子がやって来る。
皆が集まった前で遺言書を開封しようとする佐伯。それを止め、自分たちも父から遺言書を貰っていると言う豊子。日付の新しい方が正式なものとして認められると言う先方弁護士。
双方の遺言書を突き合わせる。

伊佐子のものが5月25日、娘たちのものは6月15日。娘たちの遺言書が有効と判明。
完敗だと言う佐伯は、今日限り退場すると言って去った。


喫茶店で宮原と落ち合う豊子と妙子。遺言書の手引きをしたのは彼女だった。皆に張り付いて情報を集めていたのも宮原。


約束の百万を受け取る宮原。
石井を呼出して、伊佐子の全てを教える塩月。

ホテルの前で錯乱する伊佐子を見る塩月。


「伊佐ちゃん、アンタはアホな蟻や・・・」

廃墟となった勝浦の実家を訪れる伊佐子。

海辺に幼い頃の自分の幻影を見る。

そこに包丁を持って現れた石井。


伊佐子の胸をひと突きした。「伊佐子・・・さよなら」


意識を失っていく伊佐子。

 

佐伯法律事務所を訪れた宮原。


沢田が亡くなる前日に遺言書を書いて貰ったと言い、見せた。
「それが、三通の中で一番新しい遺言書です」


宮原への、全財産の遺贈。日付は7月2日。
娘たちと円満に解決したいと相談に来た。
「・・・そりゃあもう」

「よかった・・・」